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大阪商人考

2007年01月22日 | Weblog
久しぶりの大阪の感想。(最初の配属と数年前までの関西単身赴任)
新大阪の構内が古びていて、やはり大阪の景気が良くないのかな、と感じた。

エスカレータは右側に立ち、左が追い越し。
関東と逆、この理由は諸説があるようで、そのひとつ
「東京への対抗心からその反対にした」もあり。
これなど妙に説得力があるのでは。

大阪の印象は、「損得が第一」すべて「何ぼのモンヤ?」という
価値観が根強いということ。友人にも、デパートでも必ず値切り、何らかの成果を挙げる人がいる。形式が大嫌い、本音で義理人情の付き合いを良しとする。

戦後の日本の繁栄の根源を探った「日本資本主義の精神」山本七平著:
「天下太平のある意味で閉鎖された社会では、士農工商という体制の中で、商人がどのような価値観を築いてきたか」
京都の商家の番頭であった石田梅岩(石門心学の祖)のとく「倹約」と「何の事業も皆仏行なり」といった町人的合理性と勤勉の哲学が太平の世の武士の世界にも広まった、云々。

江戸時代という”社会は動かない”という前提で、内へ内へと士農工商それぞれの生きがいを求めて共同体を深めていった。
そして、この美徳がエコノミックアニマル、経済至上主義にマッチし、奇跡的な発展を可能にしたとその根源を辿っている。
これが日本資本主義の根本精神に引き継がれて行ったのではないか、としている。


顔の見えるあなたと私の密なる関係、その義理人情の世界が、
グローバル化の荒波にのまれている現代の日本に根強く残っているのだろうか?
北朝鮮拉致問題、いじめ格差への過度の反応など
情緒的な方向に流れやすいのでは。

今の日本には、世界観、高い倫理感など
新しい価値観の創造といった外部志向が少ない、とよく言われる。

大阪の商人魂、ど根性はそれなりにたくましいが、
個人的な生き方にも、より大きな世界観が求められているのではないだろうか。

今、地の利を生かしてアジアとの民間交流(経済、文化両面)が、身近な人達の話によく出てくるのは頼もしい限りだが、”元気ナゴヤ”と張り合って欲しい。



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