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容疑者Xの献身

2008-09-30 21:43:30 | 
東野圭吾著
言わずと知れたミステリーです。映画も公開間近。

今朝、会社で滑って転んで後頭部を強打。脳外科に駆け込んで、会社を早退しました。CTに異常なしで安静にする仕方なく、置いておいた文庫を一気に読みました。

幕開きで起こる殺人は発端に過ぎず、メインはタイトル通り「献身」です。
ガリレオこと湯川が在学中に唯一一目置いた石神。
学者への夢破れ、今はしがない高校教師の彼が心を寄せる薄幸の母娘に起こる事件。母娘を守るため石神が構築した論理を湯川が崩壊させる。
周到な前振りと最後のどんでん返しで、正しいミステリーだなと感心しました。
物理対数学
実験対論理
理系対文系
成功者対敗北者
男前対醜男

これらの対比が明確ながら、絡み合っていろいろな構造になっています。どう対比を読み取るかは読者の自由だと思います。

気になったのは薄幸の母娘があまりにもステレオタイプなこと。まあありきたりなだけに、「献身」が際立つのかも知れません。

さて、映画はテレビでお馴染み福山雅治と堤真一。
堤真一が石神ですか?
男前すぎ!
伊良部の阿部寛並みの違和感ですね。演技力は福山より保証できますが…

頭部の強打は今のところ大丈夫ですが、明日ムチウチ症状が出ないか心配です。
直後とは言え、手足が数瞬動かないのにはパニックでした。

文庫3冊

2008-09-26 22:29:38 | 
「魔王」井坂幸太郎著
「紅顔」井上祐美子著
「ハメルンの笛吹女」岩井志麻子著

毎度の本屋での散財です。でも、文庫…
「魔王」
ついこの前まで放送していたテレビドラマのノベライズだと不覚にも思っていました。
ふくちゃんさんのブログで「死神の精度」の某氏が出ているとあったので、速攻本屋で購入しました。
井坂氏の作品は非常に洗練されていますね。きれいな都会の街並みを見ている気分がします。
確かに某氏が出ていました。脳内キャストは金城武です。

「紅顔」
井上祐美子の中国歴史小説。
当たり外れが大きいと言うか、クオリティが安定しないと言うか…
舞台は明末清初の動乱期。主人公は呉三桂と陳円円。
この時代をかじった人なら誰でも知っている有名人を扱っているだけに、史料に寄り過ぎているように思います。井上女史の悪い癖ですね。
同じ時代を扱った「海東青」はそんな感じはなかっただけに残念です。

「ハメルンの笛吹女」
ホラー小説は湿った日本独特の怖さを醸し出し、淫猥さも持ち味なのですが、エッセイはただの壊れたスケベ婆になってますね、岩井志麻子。
しかも、この本は掲載が「東スポ」なので、スケベ度全開。なのに、出発元は中央公論社。
まあ「D」シリーズが朝日文庫から出るような時代ですから、ありですかね。

大阪府立弥生文化博物館

2008-09-23 20:17:09 | 文化・芸術
派手なパフォーマンスだけの張り子知事橋元が廃止したがっている博物館です。
信太山という芝居好きには有名な地にあります。
大阪市から30分ほどなのに非常に鄙びた駅です。駅前にはスーパーぐらいしかありません。
博物館までの道は焼き板壁の昔ながらの家が並んでいて、道も入り組んでいて迷路のようです。
10分ほどで目的地に到着。
確かに廃止したくなるかもという閑散とした博物館です。
税金を無駄遣いしたのがよくわかる無駄に前衛的な建物で、どこが弥生文化専門の博物館?
でもまあ、展示は及第点の展示です。弥生文化では派手な展示にはどうやってもならないという面は確かにありますがね…

常設展を流して見て、特別展「鉄道発掘物語」の会場へ。
今日ここへ来たのは招待券をもらったからです。別に「鉄子」な訳ではありません。目的は和歌山鉄道貴志駅のスーパー駅長タマの写真展。
このタマ、丸顔で美人な三毛猫の駅長猫です。写真集は出てるし、フランス映画が撮影に来たほどの有名猫。
連れと二人で「かわいいね~」と見ている後ろで、「この(駅員の)制服で写真を撮ってください」と熱い真正の「鉄男」さんが試着コーナーで燃えてました。
この弥生文化とは無関係な特別展。
きっと学芸員に「鉄男」もしくは「鉄子」がいるのでしょう。
常設展ではやたらと凝ったジオラマがありましたし、この博物館はオタクの巣と見ました。
「ある意味正しい博物館だね~」と閑散としたロビーで缶ジュースを飲みながら歓談し、博物館のすぐ隣の池上曽根遺跡へ。

吉野ヶ里遺跡と張り合っているという割に、素晴らしいまでに建てっぱなしの復元竪穴式住居と高床式倉庫がいっそ清々しかったです。敷地内で、近所の人が散歩したり、秋祭りのお囃子の稽古していたりで、地域に馴染んでましたよ。
ここまで地域に馴染んでいるものを廃止することはダメだと思いますよ。
これは無駄ではなく余裕だと思います。
廃止は派手な経費節約に見えるからやりたがっているのでしょうが、地味でももっと他に効率的な節約はあると思いますよ。
パフォーマンスだけで終わりそうな橋元知事、ちょっとは中身のあることやってね。
本当にイロモノなんだから。

二上山~葛城山

2008-09-21 16:35:44 | 山歩き
10月末のダイトレの下見山行。7名で当麻寺駅~二上山~葛城山へ行きました。
どんよりして蒸し暑く、昨夜の雨で道が濡れていて、あまりコンディションはよくありません。
サブザックに雨具、行動食、飲み物を入れただけ、足まわりはハイキングシューズと軽装です。
距離は20キロとやや長いですが、慣れた道なので気はいたって楽です。体も慣れてます。
おかげさまで記憶より体が楽です。いつもは青息吐息の岩橋山をスルリと越えて、最後の葛城山の階段も楽でした。
それは6月からほぼ毎週山で動いてましたから当然と言えば当然でしょうか。
葛城山手前から雷の音が聞こえ、ヤバい感がヒシヒシしていたところで、「雷雲が近づいているので、早めに下山を」という忠告の電話があり、ロープウェイで下山することに。
ロープウェイ駅まで行く間に俄かに暗くなり、着くなり土砂降り。
間一髪でした。
後は交通機関の連絡よく、順調な帰路となりました。
さて、後は後半の下見です。

のぼうの城

2008-09-20 23:37:12 | 
和田竜著。
いくつかの新聞書評に取り上げられたニューウェーブ時代小説。最近の時代小説は軽いからなあと思いながら、ここまで好意的に扱われるならパスというのも何だしということで、図書館にリクエストをかけてました。
読んでみました。
豊臣秀吉の小田原城攻めの際、石田三成二万の軍勢に囲まれた忍城。石田勢を迎え撃つ「のぼう様」こと成田長親。さて、その結末は…
面白くて一気読み。ただし、やはり今風の時代小説です。大家の作品を読んだような重厚感やストーリーの波瀾万丈度はありませんが、それも今の状況を考えるとやむなしでしょう。こんなんもありですかね。
さて、これを読んでいた時思ったのは「のぼう様はヤン・ウェンリー?」です。
のぼう様こと成田長親はぱっと見は間抜けに見えるほどおっとりして不器用。周りは自分がなんとかしないとと思って頑張って、三成軍が手玉に取られる。
ヤン・ウェンリーとは田中芳樹著「銀河英雄伝説」の一方の主人公。「魔術師」の異名を持つ智将ですが、生活能力に欠けたボンヤリさん。智将というところは違うのですが(いや智将かも知れませんが)、似たところを挙げると
・強烈な個性でかつ世話焼きの周囲のメンツ
・有能な美人に一方的に惚れられるところ
・民衆(百姓)第一なところ
・圧倒的多勢に少数で勝っちゃうところ
・主君が暗愚なところ

考えれば考えるほど「銀英伝」???
では、三成がラインハルトで、大谷吉継がキルヒアイス???
大谷ジークはOKだけど、三成はヤダ!
こんな比較対照をしてしまうところがニューウェーブ時代小説です。