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重要文化財の近代建築

重要文化財という定義を通して、全国の近代洋風建築を掲載し、文化財の保護、活用に貢献できるようなブログを目指します

旧東宮御所

2009-10-17 18:29:17 | 東京都


建築年 1909年
指定年 2009年
所在地 東京都港区元赤坂2-1-1 地図
設計者 片山東熊
コメント 明治以降の建築物としては初、そして近代建築としては大浦天主堂に続き二件目となる国宝建造物。明治も終わりに近づいた1909年竣工し、日本の西洋化の総決算として、日本を代表する芸術家が総力を掛けて作り上げた宮殿建築。外観はネオ・バロック様式を基調とし所々に日本的意匠をちりばめている。戦後は用途を繰り返し変更し、1974年に村野藤吾の手により迎賓館として改築され現在に至る。
 確かに物凄い建物ではあるが、当時の西欧列強の宮殿建築と比べると、やはり国力の差を痛感させられるとともに、妙に内部の装飾がチマチマしていて貧乏くさい。
 これ以降で現存しておりこの建物に匹敵する資金、規模で建てられた建築物となると、私は国会議事堂しか思いつかない。

明治生命保険相互会社本社本館

2009-06-28 09:13:18 | 東京都
外部


内部


建築年 1934年
指定年 1997年
所在地 東京都千代田区丸の内2-1-1 地図
設計者 岡田信一郎
コメント 苦悩の建築家岡田信一郎の遺作。日本の西洋古典主義建築の到達点のような建築物で、近くから見るとコリント式の列柱の圧倒的な存在感に、皇居の堀を挟んで離れてみると、その気品ある姿に感動する。内部の装飾は昭和初期の厳粛な空気を残しているように思える。

旧岩崎家住宅

2009-01-04 18:38:52 | 東京都
外部

内部

撞球室


建築年 1896年
指定年 1961年
所在地 台東区池之端1-3ー45 地図
設計者 ジョサイア・コンドル
コメント 三菱財閥創設者岩崎弥太郎の長男岩崎久弥が、日本近代洋風建築の父、ジョサイア・コンドルに依頼して作り上げた洋館。ジャコビアン様式を基調とし、様々な様式を組み合わせて素晴らしい空間を作り上げている。洋館と地下通路で結ばれた撞球室と隣接する和館の大広間、そして塀まで重文指定を受けている。
個人的な話だが、ここは私の近代建築探訪の原点。初めて訪れたとき、この建物と敷地全体が織り成すストーリー性に感激し、私の想像力の火山が噴火しそうだった。日本一の近代建築は何処かと聞かれたら、私は間違いなくここと答えるだろう。 

日本ハリストス正教会教団復活大聖堂

2009-01-03 20:47:08 | 東京都


建築年 1891年
指定年 1962年
所在地 千代田区神田駿河台4-1-3 地図
設計者 ミハイル・アレフィエヴィッチ・シチュールポフ ジョサイア・コンドル
修復設計者 岡田信一郎
コメント 通称ニコライ堂。日本最大のビザンティン様式の日本ハリストス正教会の聖堂。大聖堂の名に値する圧倒的な重量感と存在感で駿河台にたたずむが、関東大震災で半壊。岡田信一郎によって修復され現在に至る。内部は装飾も控えめで簡素だが、宗教的空間が織り成す形而上学的経験ができそうな雰囲気に満ちいてる。ただ、周りがビルに囲まれて、圧迫感は否めない。
 

三井本館

2009-01-02 21:24:57 | 東京都


建築年 1929年
指定年 1998年
所在地 中央区日本橋室町2-1-1
設計者 トローブリッジ&リヴィングストン事務所
コメント 旧三井財閥の本拠地。関東大震災で破損した旧社屋の後に建てられた新古典主義の建築。写真で見る限り一般的な銀行建築だが規模が尋常ではなくそのダイナミズムに圧倒される。内部の営業室はまるでニューヨーク。七階には三井記念美術館がある。関係ないが三井住友銀行大阪支店も内部が素晴らしい。

日本橋

2009-01-02 21:11:22 | 東京都


建築年 1912年
指定年 1999年
所在地 中央区日本橋一丁目
設計者 米元晋一 装飾部 妻木頼黄
コメント 明治最後の年の完成した近代日本道路の起点となる橋。ルネサンス様式の橋梁と和洋折衷の青銅製照明塔の装飾が調和し、日本の明治の成長を肌で感じられる。また大阪の淀屋橋の開放的な雰囲気と異なり、異常なまでの厳粛さと閉塞感がある。その閉塞感の原因は、デザインもさることながら、上を走る首都高にある。何とかならぬものか…