重要文化財の近代建築

重要文化財という定義を通して、全国の近代洋風建築を掲載し、文化財の保護、活用に貢献できるようなブログを目指します

四日市旧港港湾施設

2009-08-29 17:08:48 | 愛知県・三重県


建築年 1894年
指定年 1996年
所在地 三重県四日市市稲葉町および高砂町 地図
設計者 ヨハネス・デ・レーケ 服部長七
コメント JR四日市駅から歩いて十数分、臨海工業地帯の中にこの防波堤はある。私財をとおじて四日市港を整備した稲葉三右衛門の顕彰碑の周辺が記念公園になっており、潮吹き堤防の模型も置いてある。現在は埋め立てられ潮を吹く姿は見ることはできないが、その連続して開けられた穴を見ているとかつての独創的な発想に感嘆する。

旧諸戸家住宅

2009-07-30 09:40:10 | 愛知県・三重県
外部


内部


建築年 1913年
指定年 1997年
所在地 桑名市大字桑名字鷹場663-5 地図
設計者 ジョサイア・コンドル
コメント 日本西洋建築の父コンドルによる地方に現存する唯一の邸宅建築作品。同氏設計の岩崎邸に間取りや印象がよく似ており、この建物の主で山林王の二代目諸戸清六と岩崎家のつながりを感じさせる。明らかにバランスを崩している四層の塔屋は揖斐川を眺めるためにあえて一層高くしたもの。個人的には、岩崎邸に意匠面で劣っている洋館だと思うが、こちらの凄いところは、一代目清六の邸宅を含め諸戸家の広大な邸宅が残っており、当時の実業家の暮らしぶりを知るにはとてもいい場所であること。

旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎

2009-03-17 11:20:31 | 愛知県・三重県
外部

内部


建築年 1922年
指定年 1984年
所在地 名古屋市東区白壁1-3 地図
設計者 山下啓次郎
コメント 五大監獄の設計で有名な山下啓次郎の作品。控訴院とは戦前の高等裁判所のことで、現存するのはここと札幌の2ヶ所のみ。司法関係の庁舎は権威主義的な人間にはたまらない威圧感を放っているものばかりである。裁判員制度も始まったが、司法の敷居は果して低くなるのだろうか…と荘厳な建物を見ながら思った。

名古屋市東山植物園温室前館

2008-12-29 12:15:04 | 愛知県・三重県
外部

内部


建築年 1937年
指定年 2006年
所在地 名古屋市千種区田代町字瓶杁1-41
設計者 一圓俊郎
コメント 名古屋市東山植物園の一角にある温室。一見するとただの温室だが、日本に現存する最古の温室。その歴史は中央ヤシ室の植物たちの、天井を突き破らんばかりの育成ぶりを見れば明らかだ。現在では、温室などどこの植物園にもあるが、当時の人々は鉄で囲まれた南国に、度肝を抜かれたのではなかろうか。ちなみに東邦瓦斯株式会社の寄付をもとに作られた。