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第2章 マーケティング戦略分析

2009-10-07 19:04:16 | 日記
第2章 マーケティング戦略分析
 この章ではポカリスエットのマーケティング戦略を分析していきたい。。
私たちは、4Pとブランド、SWOT分析を中心に考えていった。

2-1 製品
 1973年、大塚製薬は、発汗時の水分補給を目的に「飲む点滴液」をコンセプトとし、ポカリスエットの製品開発を開始した。同社は輸液(点滴液)のトップメーカーであることから、電解質輸液の生産技術、口渇や脱水のメカニズムの研究などの豊富な蓄積があった。これらのノウハウを活かし、「KN補液4B」という既存の輸液を原型とし、これを「飲料としてお金を出して継続的に飲んでもらえるような味」、「発汗時におけるおいしい味」を目標とし、7年後の1980年にポカリスエットの販売が開始された。
 ポカリスエットの製品戦略としての最大の特徴は、導入に際して「スポーツドリンク」に留まらないポジショニングをとったことである。
前述の通りポカリスエットは「飲む点滴液」をコンセプトとして開発されたため、飲料としての本質的な価値を「発汗に伴う口渇や脱水を補うための水分と電解質補給」と据えていた。従って、先行商品のゲータレードとは位置づけが異なり、スポーツ後だけでなく入浴後や飲酒後、起床時等、発汗に伴う口渇が生じるあらゆる生活の場面で使用される飲料として位置づけたのである。
このため、当時ポカリスエットに先駆けて市場参入していた既存のスポーツドリンクとは、飲料の形態や味、容器の形状や色、価格面において徹底した差別化を図った。

2-2 流通
 製品の発売当初は医療品のチャネルやオロナミンCで開発したチャネル、自動販売機ルートから開始した。さらに、小売店回りを徹底して行い、開放的流通チャネル政策をとった。
 飲料は最寄品に分類されるため、積極的なプロモーションを行っても、取り扱い小売店が少なければ売り上げを期待することはできない。そこで営業による小売店回りでポカリスエットの機能性や味を徹底してアピールし、多くの小売店で扱ってもらうことに成功した。
1982年に「二日酔いに効く」という訴求点を新たに加え、酒店を中心に販売店を拡大した。さらには脱水症状に効果があるとして病院や調剤薬局へも販売先を広げた。その後、競合製品が販売され、市場が広がり、ポカリスエットは確実に売上を伸ばしていった。

2-3 価格
 ポカリスエットの価格は、発売当初は245ml缶で120円であり、当時のコカ・コーラが250ml缶で100円であった。しかし、ポカリスエットの発売の3年後の1983年、日本コカ・コーラ社はスポーツドリンクとして「アクエリアス」を250ml缶100円という低価格で発売した。これにより、ポカリスエットは250ml缶100円へ値下げを行った。1987年にアクエリアス350ml缶100円、1988年にはポカリスエット350ml缶100円というように実質価格の変更が行われた。
 つまり、発売当初は高付加価値飲料として既存飲料より高い価格でも消費者は納得したが、アクエリアスのような同類製品の登場により、価格を下げざるを得なかったのである。