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第1章 業界研究

2009-10-07 19:04:51 | 日記
第1章 業界研究

1-1 清涼飲料水の歴史~ポカリスエット登場以前、以後
ポカリスエットが発売される1980年以前、「ラムネ、コカ・コーラなどの炭酸飲料」、「バヤリース、ネクターなどのフルーツジュース系飲料」、「缶コーヒー飲料」、「オロナミンCのような栄養ドリンク飲料」といった程度だった。ミネラルウォーターも一応あったが、市場は小さかった。(クラブの水割りようの水?)
そこで大塚製薬は、それまで日本国内市場に存在しなかった水分補給を主な目的としたスポーツドリンクというカテゴリーのポカリスエットを発売する。結果、飲料業界にそれまでなかった「水分補給」という新たな市場開拓に成功した。
ちなみにお茶が清涼飲料水として登場したのが、1981年である。
その後のスポーツドリンク市場に注視していこう。
1983年、ポカリスエットよりもスポーツドリンクとしてのイメージに特化したアクエリアスが発売された。ポカリスエットはもともとあらゆるシーンでの水分補給を想定され開発されたが、アクエリアス登場により、「スポーツ時の水分補給」という場面での存在価値が薄れた。
1998年ごろから2000年代中ごろにかけて、「ビタミンウォーター」や「DAKARA」など相次ぐニアウォーター発売・ブームが起こった。ニアウォーターとは一般的に、水にビタミンやカルシウムなどの栄養素や果汁を加えた飲料のことを言うのだが、これらの登場によりポカリスエットでは補えることのできない体に良い成分、つまりごくごく飲める清涼飲料に、機能的な要素を付加価値として付けたことが、またポカリスエットの存在価値が下がった。
さらに近年ではミネラルウォーターや緑茶飲料が躍進している。これらの製品は「水分補給」を土台としたスポーツドリンク市場の牙城を崩している。
詳細は添付資料2の表を参照していただきたい。


1-2 大塚製薬について
 大塚製薬の歴史は、1921年に大塚武三郎が徳島県鳴門市に化学原料メーカーとして大塚製薬工場を創業したことに始まる。当初は鳴門の塩田でとれる苦汁を原料として工業用炭酸マグネシウムを生産していた。
 1964年に設立された大塚製薬は、点滴注射薬などの販売会社として活動を始め、1971年より新薬の自社開発に乗り出した。1980年にはβブロッカー「ミケラン」、気管支拡張剤「メプチン」、続いて抗血小板剤「プレタール」、胃炎・胃潰瘍治療薬「ムコスタ」、抗精神病薬「エビリファイ」などの革新的な薬剤を世界で展開している。また、医薬品研究のノウハウを活用したニュートラシューティカルズ(栄養+薬の造語)の製品開発と事業展開を進め、1980年に「ポカリスエット」を発売後、「カロリーメイト」「SOYJOY」などそれまでになかった新たな市場分野を創出している。
 大塚製薬の企業理念は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」である。この言葉には「自らの手で独創的な製品を創る、健康に役立つ、世界の人々に貢献する」という思いが込められている。大塚製薬はこの企業理念のもと、大塚の遺伝子である「実証と創造」を受け継いで、「大塚だからできること」「大塚にしかできないこと」を日々実践しようと努めている。そして今日、大塚製薬の革新的で創造性に富んだ製品は、人々の暮らしをサポートしている。


1-3 他社製品との比較
 現在のスポーツドリンク市場のシェアを見ると、1位アクエリアス、2位ポカリスエット、3位DAKARAとなっていて、この3種類で市場の約85%を占めている。そこで、アクエリアスとDAKARAそれぞれをポカリスエットと比較していく。

VS 宿命のライバル、アクエリアス
はじめに首位のアクエリアスと比較する。アクエリアスは元々、ポカリスエットの類似品としてコカ・コーラ社から発売された商品である。そのため、ポカリスエットと味や青のパッケージが似ている。
しかし、商品バリエーションは大きな違いである。アクエリアスは、「アクエリアス」、「アクエリアスビタミンガード」、「アクエリアスゼロ」、「アクエリアスオアシス」(セブン&アイグループ)、「アクエリアスフリースタイル」など現在5種類ある。
それに対してポカリスエットは「ポカリスエット」、「ポカリスエットイオンウォーター」と、その種類は少ない。
また、2つ目の違いとしてイメージ付けの点が挙げられる。アクエリアスは現在、CMにスポーツ選手だけを起用し、スポーツドリンクとしてのイメージに特化している。また、オリンピックの公式ドリンクになっていることからも、それを後押ししている。
一方のポカリスエットは、スポーツドリンクというよりはむしろ日常の渇きの中で飲んでもらう印象付けをしている。
 VS スーパールーキーDAKARA
次にDAKARAとの比較だが、DAKARAは2000年にサントリーから発売され、アクエリアスに比べると新しい商品である。DAKARA登場前までは、アクエリアスとポカリスエットが圧倒的なシェアを誇っていて、他社製品はなかなかシェアを奪うことが出来なかった。
しかし、サントリーは、消費者がどのような場合にスポーツドリンクを購入しているかを細かく調べ、消費者のニーズに合ったコンセプトのDAKARAを発売した。DAKARAはポカリスエットやアクエリアスと違い、スポーツ時とは商品を完全に切り離し、食生活の乱れの改善を消費者への訴求点とした。
-3 各社のスポーツドリンクの違いについて
 スポーツドリンクは、大量発汗等によって失われる水分やミネラル分などの養分を効率よく補給する事を目的とした機能性飲料である。体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、近年ではアイソトニック飲料やハイポトニック飲料と呼ばれることがある。現在市場には「ポカリスエット」をはじめ、「アクエリアス」、「ゲータレード」、「DAKARA」など約30種類のスポーツドリンクが存在する。