ぼかぽかポカリ☆(仮)

インナー大会の論文を書くためのスペースです

読んで☆

2009-09-30 18:35:30 | 日記
第1章 業界研究
1-1 大塚製薬について
 大塚製薬の歴史は、1921年に大塚武三郎が徳島県鳴門市に化学原料メーカーとして大塚製薬工場を創業したことに始まる。当初は鳴門の塩田でとれる苦汁を原料として工業用炭酸マグネシウムを生産していた。
 1964年に設立された大塚製薬は、点滴注射薬などの販売会社として活動を始め、1971年より新薬の自社開発に乗り出した。1980年にはβブロッカー「ミケラン」、気管支拡張剤「メプチン」、続いて抗血小板剤「プレタール」、胃炎・胃潰瘍治療薬「ムコスタ」、抗精神病薬「エビリファイ」などの革新的な薬剤を世界で展開している。また、医薬品研究のノウハウを活用したニュートラシューティカルズ(栄養+薬の造語)の製品開発と事業展開を進め、1980年に「ポカリスエット」を発売後、「カロリーメイト」「SOYJOY」などそれまでになかった新たな市場分野を創出している。
 大塚製薬のグローバル展開は、1970年自社医薬品事業の立ち上げとライセンス導入より始まった。1973年のタイ大塚製薬設立よりアジアでの輸液事業展開を開始、1981年の自社新薬のライセンス導出を経て、1989年にアメリカ、1998年にはヨーロッパに事業統括会社を設立し医薬品事業の国際化を進めてきた。消費者商品事業は、1982年香港、台湾において「ポカリスエット」を発売後、アジア、アメリカに事業所を設け、各社間の協力を図りながら事業を展開してきた。近年では、ヨーロッパにおいて各方面で実績のあるパートナーに資本参加し、新たな可能性への挑戦を始めている。
 大塚製薬の企業理念は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」である。この言葉には「自らの手で独創的な製品を創る、健康に役立つ、世界の人々に貢献する」という思いが込められている。大塚製薬はこの企業理念のもと、大塚の遺伝子である「実証と創造」を受け継いで、「大塚だからできること」「大塚にしかできないこと」を日々実践しようと努めている。そして今日、大塚製薬の革新的で創造性に富んだ医薬品や消費者商品は、人々の暮らしをサポートしている。

1-2 他社との比較
 現在のスポーツドリンク市場のシェアを見ると、1位アクエリアス、2位ポカリスエット、3位DAKARAとなっていて、この3種類で市場の約85%を占めている。そこで、主にアクエリアスとDAKARAを比較対象としていく。
 まず首位アクエリアスとの比較だが、アクエリアスは元々、ポカリスエットの類似品としてコカ・コーラ社から発売された商品である。そのため、味やパッケージも似ている。しかし、大きな違いとして挙げられるのが、商品バリエーションである。アクエリアスは、アクエリアスビタミンガード・アクエリアスゼロ・アクエリアスオアシス(セブン&アイグループ)・アクエリアスフリースタイルなど、多くのバリエーションを持ち、ターゲットやニーズに合わせて様々な種類を販売している。それに対してポカリスエットはポカリスエット・ポカリスエットイオンウォーターと、その種類は少ない。また、次に違いとして挙げられるのがターゲットである。アクエリアスは現在、CMにスポーツ選手だけを起用し、スポーツ特化を印象付けている。また、国際的なスポーツ大会の公式ドリンクになっていることからも、スポーツ時の消費を強く印象付けている。一方のポカリスエットは、スポーツ特化というよりはむしろ生活に根差した飲料であることを印象付けている。
 次にDAKARAとの比較だが、DAKARAは2000年にサントリーから発売された比較的新しい商品である。それまでは、アクエリアスとポカリスエットの2強が圧倒的な強さを誇っていて、他社が大きなシェアを獲得するのは困難であると考えられていた。しかし、サントリーは、消費者がどのような場合にスポーツドリンクを購入しているかを細かく調べ、消費者のニーズに合ったコンセプトのDAKARAを発売した。DAKARAはポカリスエットやアクエリアスと違い、スポーツ時とは商品を完全に切り離し、食生活の乱れの改善を訴求点とした。
1-3 スポーツドリンクについて
 スポーツドリンクは、大量の発汗等によって失われる水分やミネラル分などの養分を効率よく補給する事を目的とした機能性飲料である。体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、近年ではアイソトニック飲料・ハイポトニック飲料と呼ばれることがある。現在市場には「ポカリスエット」をはじめ、「アクエリアス」「ゲータレード」「DAKARA」など約30種類のスポーツドリンクが存在する。

第2章 マーケティング戦略
 ポカリスエットのマーケティングを調べる上で、4PとSWOT分析を軸に考えていった。

2-1 製品
 1973年、大塚製薬は、発汗時の水分補給を目的に「飲む点滴液」をコンセプトとし、ポカリスエットの製品開発を開始した。同社は輸液(点滴液)のトップメーカーであることから、電解質輸液の生産技術、口渇や脱水のメカニズムの研究などの豊富な蓄積があった。これらのノウハウを活かし、「KN補液4B」という既存の輸液を原型とし、これを「飲料としてお金を出して継続的に飲んでもらえるような味」、「発汗時におけるおいしい味に」を目標とし、7年後の1980年にポカリスエットの販売が開始された。
 ポカリスエットの製品戦略としての最大の特徴は、導入に際して「スポーツドリンク」という狭いカテゴリーに押し込まないポジショニングをとったことである。前述の通りポカリスエットは「飲む点滴液」として開発されていたため、飲料としての本質的な価値を「発汗に伴う口渇や脱水を補うための水分と電解質補給」と据えていた。従って、先行商品として販売されていたゲータレードとは飲料の位置づけが異なり、スポーツ後だけでなく入浴後や飲酒後、起床時等、発汗に伴う口渇が生じるあらゆる生活場面で引用される飲料として位置づけたのである。このため、当時ポカリスエットに先駆けて市場参入していた既存のスポーツドリンクとは、飲料の形態や味、容器の形状や色、価格面において徹底した差別化を図った。

2-2 流通
 製品の発売当初は医療品のチャネル、オロナミンCで開発したチャネルと自動販売機ルートから開始した。さらに、小売店回りを徹底して行い、開放的流通チャネル政策をとった。
 飲料は最寄品に分類されるため、積極的なプロモーションを行っても、取り扱い小売店が少なければ購入を期待することはできない。そこで営業による小売店回りでポカリスエットの機能性や味を徹底してアピールし、多くの小売店で扱ってもらうことに成功した。1982年に「二日酔いに効く」という訴求点を新たに加え、酒店を中心に販売店を拡大した。さらには脱水症状に効果があるとして医者や病院にも販売先を求めた。この間には多くの競合飲料が販売されたが、ポカリスエットは確実に売上を伸ばしていった。

2-3 価格
 ポカリスエットの価格は、発売当初は245ml缶で120円であり、当時のコカ・コーラが250ml缶で100円であったことを考えると高級志向の飲料であったことがうかがえる。しかし、ポカリスエットの発売の3年後の1983年、日本コカ・コーラ社はスポーツドリンクとして「アクエリアス」を250ml缶100円という低価格で発売した。これにより万人受けするような価格に変更せざるを得なくなったため、ポカリスエットは250ml缶100円へ値下げを行った。1987年にアクエリアス350ml缶100円、1988年にはポカリスエット350ml缶100円というように実質価格の変更が行われた。
 現在、薬局や小売店などでは一般的にアクエリアスやDAKARAなどのスポーツドリンクは比較的安価で販売しているが、ポカリスエットはほぼ定価で販売されている。

2-4 プロモーション
 発売当初はポカリスエットを1本でも多く置いてもらえるように、販売店を回ったが、店主に味がまずく売れないから取り扱うことができないと断られた。一般消費者の意見を聞いてみても、まずいという評価を得た。そこで社長は、無料サンプルを無制限にひたすら配布する戦略を打ち出した。そして無料配布を開始し、まずは野球をしている少年たちに、そして汗をかきやすいと考えられる場所に出向きサンプルを配布した。そこでの評判は上々であったが、無料配布本数が約3000万本で赤字額が40億円にも上った。しかし、発売から2年目の夏、ポカリスエットの製品コンセプトがようやく消費者間に広まり、売り上げが前年の3倍の280億円まで伸びた。ポカリスエットの発売後、後続商品が続々と発売され、7年後には市場規模が1000億円まで成長した。
 ポカリスエットは発売当初、外国人タレントや大物俳優を起用したテレビCMで、高級感を演出していた。しかし、アクエリアスの登場により1988年に値下げを行ったことが影響し、CMのイメージを一新した。1989年からは若手女優を起用し、有名歌手の取り合わせで青春を感じさせる中高生向けのテレビCMに仕上げた。認知度が極めて高いのでフレッシュなイメージを打ち出し、共感を得ることが狙いだった。しかし、新鮮さを保ち続けるのは難しい。そのための仕掛けの1つがテレビCMの転換だった。そこでイメージを一新して国民的アイドルグループSMAPを起用した。CMコンセプトを「ACTION」とし、500mlペットボトルで国産最軽量容器に刷新したことをアピールした。これらに共通することは、前に進み続けることであり、商品の中身は変わらなくても、止まっていないというイメージをアピールした。
 競合関係も広告戦略を転換した理由の1つである。ライバルと目されるコカ・コーラグループのアクエリアスはスポーツ選手を起用したテレビCMを展開しているが、ポカリスエットはスポーツの時だけでなく様々な機会に飲まれているとの分析から、より幅広い層にアピールしようと考えた。広告の評価が高いこともあり、2007年4~6月は単品で前年実績を上回る販売実績に上げた。

2-5 ブランド
多くの種類の商品が存在するスポーツドリンク市場において、ポカリスエットはアクエリアスと共に、長年に渡り圧倒的な強さを誇ってきた。発売当初は「スポーツドリンク」というカテゴリー内での競合が少なかったため、両者が支持されたのは当然だと考えられる。しかし、後続商品が次々と登場し、機能・味などの面において、両者を上回る商品が現れた。それにも関らず、現在でもポカリスエットのシェアを上回るものはアクエリアスの他にはない。では、なぜポカリスエットは長年に渡り消費者に支持され続けているのだろうか。その理由として考えられるのが「ブランド」である。
 アメリカ・マーケティング協会は、ブランドを「個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの」と定義している。ポカリスエットは日本のスポーツドリンク市場の草分け的存在である。市場開拓商品の優位性もあり、「スポーツドリンク=ポカリスエット」という認識が消費者に定着した。
 ポカリスエットはブランドを確立するための重要な要素を的確におさえているということができる。ブランド確立の際に重要だと考えられる要素として、ネーミング、パッケージ、キャッチコピーなどが挙げられる。
 まずネーミングについてだが、大塚製薬によると“ポカリ”は語感の軽い明るい響きを持つ言葉としてつけたもので、特別な意味はない。“スエット”は日本語の意味通り、身体から失われる「汗」を表し、水分やイオンの大切さを訴えるネーミングになっている。
 また、パッケージとして“青”を使用した。ポカリスエットの発売当時は、食品関係のパッケージに「青」を使用するのはタブーとされていた。理由としては、青は冷たく淡白なイメージがあることや、食欲減退色であることが挙げられる。しかし大塚製薬は、ポカリスエットのパッケージで青い海と白い波をシンボライズし、「身体の中には海がある」として、体液に近いイオンバランスのポカリスエットを売り出した。ポカリスエットの元々の製品コンセプトに合ったパッケージだったことから、青いパッケージはポカリスエットの良さを引き出すものとなった。また、青いパッケージは爽快感を印象付け、更に他との識別を可能にし、ポカリスエットのブランドを確立させる重要な要素となった。
 キャッチコピーについても、ポカリスエットのブランドを確立した要素として考えられる。ポカリスエットはキャッチコピーを年やCMごとに変化させている。これにより、発売開始から約30年経った今でも、商品自体が変化していないにも関わらず、常に新しいイメージを消費者に与え続けることが可能になっている。根本的な部分は変えずに新しいイメージを与え続けることが、ポカリスエットが長年に渡って支持を集める理由であり、ロングセラーブランドとなっている要因である。
 消費者の生活が複雑化して忙しくなり、時間に追われるようになるにつれ、意思決定を簡単にし、リスクを軽減するブランドの能力は貴重なものとなる。薬品を作る際にはその製造過程や品質に細心の注意を払っている。なぜなら、薬品は自分の身体に直接影響を与える重要な製品であり、もしその製品に不備が生じた場合、消費者はその企業の製品を買うことをやめるだろう。製薬会社は飲料メーカーと比べても、より一層品質にこだわっているような印象を受ける。そもそもブランドの役割は、企業側が製品やサービスの品質や信頼性を保証し、消費者は今まで経験してきた結果、期待を裏切られないということから選択リスクを避けるためにブランドを利用する。スポーツドリンクのような最寄品では特にブランドによる購買意思決定の簡略化が求められる。競合他社が製造工程や製品デザインを真似るのは簡単かもしれないが、長年のマーケティング活動や製品を経験した結果、個人や組織の心に残っている印象に太刀打ちするのは、容易ではないだろう。

2-6 SWOT分析
 SWOT分析とは、主に企業や団体などで用いられる事業分析手法のうち、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)の4つのポイントを明確化することで、多角的な分析を図ろうとする分析法のことである。SWOT分析は、外部環境に存在するビジネス機会や脅威などを考慮に入れながら、その中で自分たちの組織内部の強みをどのように生かし、弱みをどのように克服すればよいかを評価・分析し、新たな戦略の立案へと繋げるために有用とされる。今回はポカリスエットについてSWOT分析を行い、現状をより深く分析する。
強み
 ポカリスエットは過去に、競合の参入と市場の成長の鈍化を受けて、風呂上りや睡眠時などの効率的な水分補給のためのアイソトニック飲料にポジショニングを変更して、新たな需要開拓に成功した。さらに、他に例を見なかった青いパッケージの採用がポカリスエットのブランドイメージを確立し、根強い支持を得られたことが強みにつながったと考える。
弱み
 日本においてはアクエリアスに負けず十分な売上をあげているが、世界的に見るとアクエリアスは国際オリンピック委員会やFIFAワールドカップの公式飲料になっているように、アクエリアスの規模が圧倒的である。
機会
 ポカリスエットのマーケティング機会として2つあげられる。
 まず1つ目が2010年FIFAワールドカップアジア最終予選の公式ドリンクになったことである。競合アクエリアスが国際的なマーケティング展開をしているのに対し、ポカリスエットは遅れをとっていた。しかし今回公式ドリンクに選ばれたことで、アジアを中心に世界的にも知名度が上がり、国際化への足がかりとなるだろう。
 2つ目が環境問題に関心を持つ消費者が増加したことである。大塚製薬は他社に先駆けて日本発の「陽圧無菌充填方式」を採用し、同社従来容器と比較して容器重量の約30%の軽量化を実現した。国内製造の500mlペットボトルとしては最も軽い1本あたり18gとなった。(2008年12月現在大塚製薬調べ)ひとたびキャップを開くとボトルが柔らかく手になじみ、持ちやすい硬さに変化する。また、飲み終わった後は女性でも片手で簡単につぶすことができ、リサイクルの時にも便利になった。ポカリスエット500mlペットボトルの容器を「エコボトル」にして約30%の軽量化を行うことで、年間約2700tのペットボトル樹脂量が削減できる。これをエネルギー量で原油換算すると、年間約4000klの削減となる。また、CO2削減量としては年間約8300tの削減となり、約1500世帯分の年間CO2排出量に相当する。
脅威
 近年の健康ブームにより、スポーツドリンクの重要性が見直された。それに伴い様々な新製品が開発された。その新製品は主に2つに分類できると考えた。1つ目は花王のヘルシアウォーターのような、機能性に特化した製品である。2つ目はサントリーのDAKARAのような、シーンを限定しない製品である。ポカリスエットも元々シーンを限定しないことを戦略としてきたが、一般消費者はポカリスエット=スポーツドリンクの印象を拭い去れない人が多く、DAKARAの登場に衝撃を受けた。

第3章 消費者行動

第4章 シェア拡大への提案
4-1 現状を踏まえての提案
 大塚製薬の想定するポカリスエットの利用シーンは、スポーツに限定せずに日常のどのタイミングでも気軽に手にするということである。過去には、二日酔いの朝、起床時、お風呂上りなど様々な利用シーンをCMで提案してきた。しかし実際は、消費者はスポーツの時と体調不良の時に使用する傾向がある。企業側と消費者側で利用シーンにずれが生じている。このようなことが起きてしまった理由として考えられることは、大塚製薬が利用シーンを幅広く設定しすぎたため、消費者がきちんと企業側の提案を理解していないためではないだろうか。実際に私たちも今回調べてみて初めて、こんなにたくさんの使用方法があったということに気づかされた。10人足らずの私たちの班員の大多数の人間が知らなかったということは、一般消費者も知らない人が多いのではないかと推測する。大塚製薬がポカリスエットのシェア拡大しようとした時に、少し欲張りすぎてしまったような気がする。消費者は「ポカリスエット」という新しい飲み物が出来た時に、ふわふわと曖昧な提案ではなく、「これ」といった具体的な提案が欲しかったのではないだろうか。そして、わからないなりに考え消費者が出した結論が「スポーツ」「体調不良時」だったのではないだろうか。この2つのシーンは消費者に馴染み深く、納得のいく利用シーンになる。そこで今回私たちは以下のような提案を考えた。
 ポカリスエット製造企業が飲料会社ではなく製薬会社であることを利用し、薬品を卸す際に使用してきたチャネルを生かし、病院にあるウォーターサーバーの中身をただの水ではなくポカリスエットに変えてもらうことである。ただの水よりはポカリスエットのほうが吸水性がよいということは消費者も理解している。発熱時や下痢、嘔吐の時も水分摂取が大切なことも常識だ。よって、病院の待合室に用意しておくことで患者の利用が見込める。具体的な商品の提供方法としては、紙コップでの販売が一番適しているのではないかと考えた。待ち時間で気軽に飲める量を提供し、診察後に薬局でペットボトルのポカリスエットを置いておけば販促効果も見込めるだろう。
 次の提案として、紙コップやマイボトルに直接注ぐ形式での販売を行う場所として、ジムを提案する。ジムで販売することを提案する理由を挙げる。ジムで少なからず目にする光景として、ペットボトルを自動販売機で購入し、それを持参したマイボトルに詰め替えるというものがある。普段から運動する習慣がある人の多くは、保冷効果のあるマイボトルを持っている。そこで、直接注ぐ形式で販売することにより、詰め替える手間が省け、購入を促すことができる。また、ペットボトルを使用せずに販売することにより、大塚製薬が環境基本理念として掲げている「地球環境の保全に積極的に寄与し、その行動において先進性を維持することを目標として、あらゆる事業活動を通じて、環境問題に積極的に取り組む」という点についても達成することができる。
 
4-2 新商品の提案
 ポカリスエットは発売から約30年経った今でもスポーツドリンク市場の25%を占めるロングセラーブランドであるということができる。しかし、同1位のアクエリアスに大差を付けられ、一時は3位のDAKARAにも迫られた。ロングセラーブランドには「維持・再構築」のステップが必要であり、消費者ニーズや市場環境の変化に対応してブランドを見直していかなければならない。ポカリスエットはまさにその時期に来たと考えていい。
ポカリスエットが発売を開始した1980年と現在では、飲料業界の市場状況は大きく異なる。当時はペットボトルが普及していなく、更に現在のようにお茶や水の市場規模もそれほど大きくなかった。現在でこそ飲料市場はお茶・水・炭酸・コーヒー・果汁系・機能性飲料など細かいカテゴリーに分類されるが、当時は現在のように多種多様な商品が存在していた訳ではない。つまり、ポカリスエットの発売当初は、飲料業界のカテゴリー内において広いターゲットを設定していたと言える。しかし市場環境が変化したため、元々のポカリスエットのターゲットの内、スポーツ特化の部分をアクエリアス、機能性飲料の部分をDAKARAに、更に単純に喉が渇いたという部分をお茶や水に持っていかれてしまった。そのため、ポカリスエットはメインターゲットが誰であるのかをはっきりさせることができずにいる。
近年の市場動向を見た際にわかるのが、機能性飲料の伸びである。健康への意識が高まり、日常生活に運動を取り入れる人が増えたのと同時に、飲料にも機能性を求める消費者が増加した。健康意識は今後更に高まっていくことが予想されるため、機能性飲料の市場は拡大していくと考えられる。そこで今回、ポカリスエットのシェア拡大のために新たに提案する商品は、「機能性を重視した商品」である。ヘルシアは機能性飲料の中でも最も効果が高いと考えられているが、普通のペットボトル飲料に比べて高価格である。そのため、ポカリスエットが機能性を重視した商品を販売しても、差別化を図ることができると考えた。また、DAKARAについてだが、現在の市場シェアを見てみると、ポカリスエット25%、DAKARA17%とポカリスエットの方が上回っている。つまり、単純なブランド力を考えてみても、DAKARAよりもポカリスエットの方が上であると考えられる。更に、ポカリスエットは飲料市場では珍しく、製薬会社が販売している商品である。元々薬を作ることを得意としている企業であることから、機能性に優れた商品を販売することは難しいことではない。また、消費者が持つイメージとして、製薬会社が販売している機能性飲料の方が、飲料メーカーが販売している機能性飲料よりも効果があるということが挙げられる。近年の業界のブームとしてコラーゲンやビタミンをプラスすることが多い。そこで大塚製薬は製薬会社というメリットを生かして、自社ブランドのネイチャーメイドで培ったノウハウを利用できればよいと考えた。そしてCMなどの広告に「大塚製薬」という企業名を出すことも効果的である。つまり、ポカリスエットが機能性飲料を発売すれば、DAKARAが持っている顧客を取り込むことができると考えた。

消費者行動 久保

2009-09-15 01:08:54 | 日記

※去年履修した消費者行動論のプリント、レポートを久しぶりに読んでみました。
何か参考になればと思ったのですが、他属性選択モデル、限定的解決なんちゃら、信念因子の変更とかそんな難しい言葉ばかり出てきて、それを参考にすると内容が……ぅんん!???…といった感じで意味の分かりづらいものになってしまう気がしたのでそのへんはシカトしました。

ほとんどまとまってなく、内容もかなり薄いですが一応アップします。



個人や家庭で使用するために購入する製品を消費財という。
消費財は、消費者の購買週間に基づき次のように大きく分けて3つに分類することができる。通常、頻繁に、即座に、最小編の努力で購入する「最寄品」、顧客が選択し購入する過程で、適合性、品質、価格、スタイルなどをもとに特性を比較する「買回り品」、独自の特性やブランド、アイデンティティを備え、十分な数の買い手が特別な努力をしてでも購入しようとする「専門品」だ。今回取り上げている大塚製薬のポカリスエットなどスポーツドリンクは一般的に製品単価が低く、手軽に買えるため、消費者は計画的な購買行動をとる努力をあまりしない製品ということで「最寄品」に当てはまる。
消費者行動とは、消費者がニーズ・ウォンツ(欲求・願望)を満たすために行う「選択」・「購買」、「使用」、「処分?」のプロセスであり、この消費者行動には、問題認識、情報探索、評価・選択、購買、購買後評価というような「購買プロセス」と、それに伴う動機付け、学習、知覚、態度形成といった「心理的プロセス」が存在する。
消費者行動は問題を認識することから始まる。消費者が認識する問題とは、例えば外で音楽を聴きたい、部屋の中が暑いなどといったことであり、これらの問題を解決するために製品やサービスでこれらの問題解決を図るのである。
 消費者は購買意欲が高まると情報探索を始める。高額な商品、あるいは購買リスクの高い商品(デジタルカメラ、海外旅行ツアーなど)であれば、雑誌やインターネットで詳細な情報を求めるであろうし、さらには関心が高い製品であれば実際に店頭に商品を試しに行くなどの情報探索を継続的に行うことも考えられる。また、過去に経験した自己体験や口コミなどを参考にして情報探索活動をおこなうこともある。
情報探索活動を行い、製品に対する分析、評価・選択を行った消費者は実際に購買行動に走る。

(___________________________何か文章付け足します____________________________________________)

しかし、これらの消費者行動は買回り品や、専門品における場合である。
消費者が最寄品においてこのような購買行動を取るとは考え難い。スポーツドリンクを購入する際の消費者の問題認識といえば、おそらく「喉が渇いた」、「水分補給がしたい」「今日は野球をするから何か飲み物を買っていこう」というようなものであり、インターネットで「電解質がポカリスエットは○○でアクエリアスは▲▲、マグネシウムはポカリスエットが××でアクエリは★★だから店頭ではアクエリアスを買おう。」といって購買行動をとる消費者はごく少数であり、多くの消費者の情報探索といえば、過去の経験(そういえば昔ポカリをよく飲まされたな~みたいな。)、購買後評価やパッケージの説明を少し読むといったことくらいであり、多くの消費者はテレビCMなど製品のプロモーション活動によるイメージをもとにして購買行動をとることが予想される。
このように最寄品の消費者行動のプロセスは買回り品、専門品と比べて大幅に短縮されている。つまりスポーツドリンクのような最寄品は計画的に購入されることが少ないため、製品へのアクセス機会を確保すること、例えばプロモーションでの消費者へのイメージ付け、流通において多くの小売店にそれらの製品を陳列してもらうことが、重要なポイントとなる。



参考文献
●「コトラー&ケラーのマーケティングマネジメント 基本編」
参考WEBサイト
●企業経営理論 2009/09/15
 http://plaza.rakuten.co.jp/jhirano/diary/200908160000/



★少し役に立ちそうなサイトあったのでURL張っておきます
(清涼飲料水に関する様々な統計)
http://www.j-sda.or.jp/cyousa/jihan-isiki/ji-007.htm

消費者行動  by海藤

2009-09-14 18:50:20 | 日記
 消費者行動とは、個人、集団、組織が自身のニーズと欲求を満足させるために、製品、サービス、アイディア、経験をどのように選択し、購買し、使用し、廃棄するのかについての研究のことである。
 消費者行動のプロセスは、下の図のように、大きく分けて購買前行動・購買行動・購買後行動の3段階に分けられる。
 
図. 購買プロセスと購買に伴う消費者の心理的プロセス
         (ブログには載せられませんでした)


 第1段階の購買前行動とは、消費者が購買意思決定を行うのに必要な状況設定を行うための準備のプロセスである。通常、消費者は、製品またはサービスに対するニーズによって購買行動を遂行する。このニーズが生じるプロセスにおいては、企業側が行うプロモーション活動である広告等のマーケティング刺激が消費者に与えられ、消費者はこれに反応して、ニーズが生じる。この段階が問題認識のプロセスである。問題認識のプロセスは、消費者がニーズあるいは欲求を知覚し、より望ましい状況を創出するために現状の不満を解消することを通じて生起する。このように、問題認識のプロセスは消費者の内的かつ心理的プロセスとして把握される。消費者のニーズあるいは欲求は、外部刺激によって生起するが、これらの知覚は人間の内的反応の結果として生じる。例えば、美味しそうなケーキを視覚あるいは臭覚によってとらえ食欲を感じたとするならば外部刺激に対して反応したことになるが、欲求を生ずるのは人間の内的作用なのである。
 このような問題認識プロセスを経過すると、消費者は、問題解決に必要な情報探索行動をとる。情報探索は、購入対象となる製品・サービスあるいは、購入予定の店舗に関する情報の獲得に努力することであるが、日常生活上、意識的かつ無意識的に情報に接することも含まれている。言い換えれば、特定の製品・サービスの購入を目的とする情報探索のみならず、無目的での情報取得の行為も情報探索行動として理解されるのである。具体的にスポーツドリンクを例に挙げながら考えてみる。前者の例としては、スポーツ時に最高のパフォーマンスを行うことを目的とし、数社のスポーツドリンクを実際にスポーツ時に飲み、また、製品の成分や吸水性等のデータなどから比較して、最も目的に適した製品がどれなのかを考えることが、情報探索行動だと言える。また後者の例として、何気なくテレビのコマーシャルや新聞・雑誌の広告を見たり、目的のないショッピングでラベルやPOPに書いてある商品情報に接することによって、結果的に情報探索行動を遂行することになる。
 以上の情報探索が終了すると、次に情報内容の評価段階となる。情報の評価とは、消費者が入手した情報の中から一定の評価基準に基づいて意思決定に有用な情報を峻別することである。製品とは価格、色彩、嗜好、感覚、友人のアドバイスなどの物的要素と人的要素とに情報を包摂したきっかけ刺激の配列であるとされている。消費者は、代替製品選択の評価項目としてこれらのきっかけ刺激を受容し、きっかけ刺激がもたらされると消費者は情報に関して選択行動をとる。しかし、消費者の置かれる状況によって評価の程度は大きく相違する。例えば、ニーズの緊急度が高いほど評価のウェイトは小さく、製品購買が重要であれば評価が高くなり、代替案が複数で複雑になれば評価度が高くなる。消費者は自己の欲求・ニーズと代替製品の有用性とを比較・検討し、いくつかの可能な評価結果を創出する。
 
 第2段階の購買意思決定プロセスは、特定の製品・サービスを選択、購入する行動プロセスである。消費者は、情報探索活動と評価プロセスによって獲得した意思決定情報をもとに、代替案の中で最小犠牲によって最大成果の実現が期待されうる特定の対象を選択する。このように購買意思決定プロセスは、消費者行動において収束的なプロセスであり、一定の成果を生み出す起点でもある。購買意思決定プロセスは、①情報の組織化・統合化②意思決定基準の設定 ③意思決定 の3つの段階を経て複数の代替製品から1つの製品を選択するプロセスである。
 情報探索活動と評価プロセスとによって取得した情報を問題解決のために分析可能な内容に変換し、有効な意思決定データとして整えることが情報の組織化あるいは統合化の段階である。次に、意思決定に必要な代替製品の評価基準が設定され、これに基づいて製品属性や使用価値の比較を行う。基準とは判断の根拠となる価値あるいは評価の水準である。そして、消費者はそれぞれ異なった環境条件の下で各々の基準を作り出す。具体的には、意思決定基準の設定に影響する外在的要素としては、マーケティング情報、個人的関係におけるコミュニケーションがあげられる。そして内在要素としては、個人の知覚、ニーズ、動機、態度があげられる。
 ポカリスエットの代替製品としてまずあげられるのがアクエリアスであるが、両者を比較した際、価格や機能性の面においては大きな違いはない。よって、購入を促すために必要な要素としては、企業のマーケティング活動による製品イメージがあげられる。アクエリアスが飲料メーカーであるコカ・コーラ社の製品であるのに対し、ポカリスエットは製薬会社である大塚製薬の製品である。「製薬会社の商品=機能が高い」というイメージを抱く消費者は多いと考えられる。このイメージを活用してプロモーションを行うことができれば、消費者がアクエリアスよりポカリスエットを選好する重要な要素になると考えることができる。
 
 第3段階は購買後行動のプロセスである。消費者は、製品・サービスを購入し利用し、事故の購買意思決定が妥当であるか否か購買成果を評価する。この手順としてまず記憶セットを拡大し製品選択を行う。代替製品評価の際に当該製品に対し期待を持ち、購買後に製品を使用した結果としての製品パフォーマンスを獲得する。さらに製品への期待水準と製品パフォーマンスとの比較によって評価する。獲得されたパフォーマンスが期待水準を上回っていれば、消費者は満足するが、逆に、パフォーマンスが著しく期待水準を下回ると不満の状態になる。
 消費者満足は動機あるいは期待報酬が実際の購買成果と一致または上回る場合に生じる心理状態である。消費者満足は、継続的な購買意思決定の要因となる。消費者は満足することにより同一ブランド購買を継続し、ブランド・ロイヤリティーを形成する。ポカリスエットなどの飲料は最寄品に分類される。最寄品は、消費者によって頻繁に購入され、さらに同じブランドの商品を反復購入する特徴を持つ。つまり、飲料であるポカリスエットは、消費者を満足させることができれば、反復購入を期待することができるということになる。




参考文献
 「現代消費者行動論」 著者:松江 宏   創成社
 「コトラー&ケラーのマーケティングマネジメント 基本編」
 

消費者行動・心理 by榎本

2009-09-14 13:41:34 | 日記

文字数足りなくてごめんなさい。

*消費者行動*
最近「AIDMA」や「AISAS」に加え、商品購入における消費行動パターンを表すものとして「AICEAS」が用いられようになってきた。AICEASとは、Attention(注意)→Interest(関心)→Comparison(比較)→Examination(検討)→Action(購買)→Share(情報共有)という過程を指すものだが、その特徴は比較だけでなく「検討」をする点にある。
そして検討をするにあたって、インターネットなどのクチコミサイトなどを利用する人が増えている。

・インターネット戦略を実行する上で考えられる活用方法
インターネットにおける、双方向性や情報のパーソナル化などの特長は、価値観や知識レベルの違いからコミュニケーションに対する反応の異なる個々人に対して、アイドマを意識したコミュニケーションを行なうのに、優れたツールだと言える。

1.認知の基盤としての知識レベルの共有
「認知段階」である「注意」は、潜在顧客などが新たに商品、サービスを知るプロセスだといえる。しかし人はある商品、サービスを知ってもそれが自身と関係のないものと見なせば、すぐに忘れてしまうものだ。また、その際の判断基準である「自分に関係あるか/ないか」はあくまでその時の知識レベルや興味、関心に左右される。特定の個人が、商品、サービスを知るということは、その人自身と商品、サービスの関係性の有無を知るということだ。そのためには、関係性を連想させる知識が必要となる。Webサイトで、商品・サービスの注意を引き、認知度を高めるためには、商品、サービスのカタログ的な紹介だけではなく、コラム系のコンテンツや事例紹介(レシピ、コーディネイト例)などで、顧客が商品・サービスを連想しやすくなるような知識の補完が必要である。また、コラムの連載化、メールマガジンの定期発行により、顧客の意識を注意から興味へとつなげることも可能となる。

2.人は他人が買っているものをほしがる傾向がある
人は意外なほど、他人の評価をたよる傾向がある。他人が興味を持つものには、同じように興味、関心を示したり、市場でよく売れているものを欲しがったりする。プロである売り手側の意見も重視するが、同じような立場で商品・サービスを購入し、使用している他の買い手の意見にはより素直に耳を傾けるものである。また、そうした意見は自分とおなじ目線で語られていたりもするので、より自分の生活へと結び付けやすいといった面もある。商品やサービスに対する顧客の興味や欲求、記憶を刺激するには、他の顧客の意見を積極的に開示していくことが効果的だ。商品・サービスに対する購入者、利用者の声(評価、感想)や、オンライン・コミュニティを利用しての顧客同士、顧客と企業とのコミュニケーションをはじめ、売れ筋ランキングなどのコンテンツも、「感情段階」にある顧客を刺激するのには有効である。

・クチコミと消費者行動
クチコミは家族、親戚、友人といった知り合いだけでなく、インターネットの普及により、簡単に不特定多数に伝播する。クチコミが発生するための条件は、購入前の消費者の知識欲求、購入後の消費者の心理的欲求を満たすため、そして商品自体がクチコミを生み出すような「会話型製品」であるということだ。製品の購買行動においてクチコミは営利を目的としたマス広告と違って、友人知人が自発的かつ偶発的に話す情報である。そして、経験者という最も説得力のある人の言葉をきくことができるということがクチコミの長所である。一方、クチコミの短所はクチコミが営利目的による行為ではないことや、一度にクチコミをする相手は限られることから、伝達力の弱さだと考えられていたが、インターネットの普及によって変わった。インターネット上のクチコミは信頼性が低いと考えられるが、これから、我々は親戚・家族・友人といった自分と結びつきの強い関係を持った人々よりもインターネット上のコミュニティのメンバーといった弱い紐帯関係の他者に頼ることが考えられる。というのも、インターネット上の方が、より詳しい知識を得ることができるだけにとどまらず、情報の信頼性を得るために、多くのコミュニティを往来することが可能であり、多くの人々の意見を得ることができるからである。また、親戚・家族・友人では発言できないような客観的な意見が弱い紐帯の人々では可能になる。


*消費者心理*
消費者心理には4つのパターンがある。

1「オートパイロットモード」
買うものが決まっていて、商品をつかんで、すぐに立ち去る
コーヒー、チーズ、マーガリン、マヨネーズなどの購入時に良く見られる心理状態

2「バズモード」
口コミ、広告等の影響を受けやすい
スポーツドリンク、チョコレート、ペットボトルのお茶類などの購入時に良く見られる心理状態

3「バラエティモード」
新しい味や新しい何かを探している
冷凍食品、ビスケット、チューインガム、サラダドレッシングなどの購入時に良く見られる心理状態

4「バーゲンモード」
お買い得品や値引き品など「安いもの」を探している心理状態

エナジードリンクやスポーツドリンク、チョコレート、ペットボトルのお茶類、ヨーグルトドリンクなどの商品を買う際に、消費者は口コミ、広告等の影響を受けやすい「バズモード」にある。これらの商品に対しては、オートパイロットモードが働かず、消費者はいろいろな選択肢にアンテナを張っている。このバズモードにある商品ブランドを展開しているメーカーは、消費者の興味や注意をひきつけるユニークな広告、商品紹介、またパッケージを利用するなどして、消費者にアピールしていく必要がある。


*参考文献*
○消費者行動
http://inabalab.soc.hit-u.ac.jp/thesis/2005hit/30af30c130b330df30686d888cbb8005884c52d5/

○消費者心理
http://www.acnielsen.co.jp/news/documents/20070719_ShopperModality_J.pdf

○ポカリスエットについて
http://www.otsuka.co.jp/product/pocarisweat/

○アクエリアスについて
http://www.aquarius-sports.jp/?cid=gadw_50001


論文(15日現在)

2009-09-07 14:29:46 | 日記
1、 業界研究 (2500)
1-1 大塚製薬について
大塚製薬の歴史は、1921年に大塚武三郎が徳島県鳴門市に化学原料メーカーとして大塚製薬工場を創業したことに始まる。当初は鳴門の塩田でとれる苦汁を原料として工業用炭酸マグネシウムを生産していた。
1964年設立された大塚製薬は、点滴注射薬などの販売会社として活動を始め、1971年より新薬の自社開発に乗り出した。1980年にはβブロッカー「ミケラン」、気管支拡張剤「メプチン」を上市し、つづいて抗血小板剤「プレタール」、胃炎・胃潰瘍治療剤「ムコスタ」、抗精神病薬「エビリファイ」などの革新的な薬剤を世界で展開している。また、医薬品研究のノウハウを活用したニュートラシューティカルズ(栄養+薬の造語)の製品開発と事業展開を進め、1980年に「ポカリスエット」を発売後、「カロリーメイト」「SOYJOY」などそれまでになかった新たな市場分野を創出している。
大塚製薬のグローバル展開は、1970年自社医薬品事業の立ち上げとライセンス導入より始まった。1973年タイ大塚製薬設立よりアジアでの輸液事業展開を開始、1981年の自社新薬のライセンス導出を経て、1989年にアメリカ、1998年にはヨーロッパに事業統括会社を設立し医薬品事業の国際化を進めてきた。消費者商品事業は、1982年香港、台湾において「ポカリスエット」を発売後、アジア、アメリカに事業所を設け、各社間の協力を図りながら事業を展開してきた。近年では、ヨーロッパにおいて各方面で実績のあるパートナーに資本参加し、新たな可能性への挑戦を始めている。
Otsuka-people creating new products for better health worldwide
この言葉には、自らの手で独創的な製品を創る、健康に役立つ、世界の人々に貢献するという思いが込められている。
大塚製薬はこの企業理念のもと、大塚の遺伝子である「実証と創造」を受け継いで、「大塚だからできること」「大塚にしかできないこと」を、日々実践しようと努めてきた。そして今日、大塚製薬の革新的で創造性に富んだ医薬品や消費者商品は、人々の暮らしをサポートしている。

1-2 他社との比較

1-3 スポーツドリンクについて
 スポーツドリンクは、大量の発汗等によって失われる水分やミネラル分をといった養分を効率良く補給する事を目的とした機能性飲料である。体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、近年ではアイソトニック飲料・ハイポトニック飲料と呼ばれることがある。
 現在、「ポカリスエット」をはじめ、「アクエリアス」・「ゲータレード」・「DAKARA」など約30種類のスポーツドリンクが存在する。
スポーツドリンクは、効率良く水分補給をすると共に、大量発汗によって崩れやすいイオンバランスを保ち、ミネラル分を補給する役割を持っている。発汗時には、体内の水分とともに塩分も失われる。スポーツドリンクの成分には、ナトリウム(塩分)、電解質、ミネラル分も含まれていて、発汗で失われた水分と養分を一度に補給できるため、スポーツ時や熱中症に適した飲料であるとされている。また、スポーツドリンクは体に負担を掛けないように考慮されていて、スポーツを行った際に蓄積される乳酸などを分解するアミノ酸やクエン酸が含まれているものもある。

2、 マーケティング戦略(3500)
ポカリスエットのマーケティングを調べる上で、4PとSWOT分析を軸に考えていった。
2-1 製品
1973年、大塚製薬は、汗をかいた時の水分補給を目的に「飲む点滴液」をコンセプトとし、ポカリスエットの製品開発を開始した。同社は輸液(点滴液)のトップメーカーであることから、電解質輸液の生産技術、口渇や脱水のメカニズムな研究などの豊富な蓄積があった。そのようなノウハウを生かし、「KN補液4B」という既存の輸液を原型として、これを「飲料としてお金を出して継続的に飲んでもらえるような味」、「発汗時におけるおいしい味に」を目標とし、7 年後の1980年にポカリスウエットの販売が開始された。
ポカリスエットの製品戦略としての最大の特徴は導入に際して「スポーツドリンク」という狭いカテゴリーに押し込まないポジショニングをとっていたことである。前述の通りポカリスエットは「飲む点滴液」として開発されていたため、飲料としての本質的な価値を「発汗に伴う口渇や脱水を補うための水分と電解質補給」と据えていた。従って、先行商品として販売されていたゲータレードとは飲料の位置づけとは異なり、スポーツ後だけでなく、入浴後や飲酒後、起床時等、発汗に伴う口渇が生じるあらゆる生活場面で引用される飲料として位置づけたのである。このため、当時ポカリスエットに先駆けて市場参入していた既存のスポーツドリンクとは、飲料の形態や味、容器の形状や色、価格面において徹底した差別化を図った。

2-2 流通
製品の発売当初は医療品のチャネル、オロナミンCで開発したチャネルと自動販売機ルートから開始した。さらに、小売店回りを徹底して行い、開放的流通チャネル政策をとった。
飲料は最寄品であるため、積極的なプロモーションを行っても、取り扱い小売店が少なければ購入を期待することはできない。そこで、営業による小売店回りでポカリスエットの機能性や味を徹底してアピールし、多くの小売店で扱ってもらうことに成功した。1982年に「二日酔いに効く」という訴求点を新たに加え、酒店を中心に販売店を拡大した。さらには脱水症状に効果があるとして医者や病院にも販売先を求めた。この間には多くの競合飲料が販売されたが、ポカリスエットは確実に売り上げを伸ばしていった。

2-3 価格
ポカリスエットの価格は、発売当初は245ml缶で120円であり、当時のコカコーラが250ml缶で100円であったことを考えると高級志向の飲料であったことがうかがえる。しかし、ポカリスエット発売の3年後の1983年、日本コカコーラ社はスポーツドリンクとして「アクエリアス」を250ml 缶100円という低価格で発売したことにより、万人受けするような価格に変更せざるを得なくなったため、ポカリスエットは250ml缶100円へ値下げを行った。1987年にアクエリス350ml缶100円、1988年にはポカリスエット350ml缶100円というように実質価格の変更が行われた。
現在、薬局や小売店などでは一般的にアクエリアスやDAKARAなどのスポーツドリンクは比較的安価で販売しているが、ポカリスエットはほぼ定価で販売されている。

2-4 プロモーション
 発売当初はポカリを1本でも多く置いてもらえるように、販売店を回ったが、店主に味がまずく売れないから取り扱うことができないと断られた。一般消費者の意見を聞いてみても、まずいという評価を得た。そこで社長は、無料サンプルを無制限にひたすら配る戦略を打ち出した。その理由として新しいものを作ろうとしているので最初に売れないのは当たり前と考えたからだ。まずは製品コンセプトの認知を高めるために、ひたすら配ることが大切だと考えた。そして無料配布を開始し、まずは、野球をしている少年たちに、そして汗をかきやすい場所に出向きサンプルを配った。そこでの評判は上々であったが、無料配布本数が約3000万本で赤字額が40億円にも上った。しかし2年目の夏ポカリの製品コンセプトがようやく消費者間に広まり、売り上げが前年の3倍の280億円まで伸びた。ポカリの発売後、後続商品が続々と発売され、7年後には市場規模が1000億円まで成長した。
ポカリスエットは発売当初から若手女優と有名歌手の取り合わせで青春を感じさせる中高生向けのテレビCMに仕上げた。認知度が極めて高いのでフレッシュなイメージを打ち出し、共感を得ることが狙いだった。だが、新鮮さを保ち続けるのは難しい。そのための仕掛けの1つがテレビCMの転換だった。そこでイメージを一新して国民的アイドルグループSMAPを起用した。CMコンセプトを「ACTION」とし、500mlペットボトルで国産最軽量容器に刷新したことをアピールした。これらに共通することは、前に進み続けることであり、商品の中身は変わらなくても、止まっていないというイメージをアピールした。
 競合関係も広告戦略を転換した理由の1つである。ライバルと目されるコカ・コーラグループのアクエリアスはスポーツ選手を起用したテレビCMを展開しているが、ポカリスエットはスポーツの時だけでなく様々な機会に飲まれているとの分析から、より幅広い層にアピールしようと考えた。広告の評価が高いこともあり、2007年4~6月は単品で前年実績を上回る販売実績にあげているという。

2-5 ブランド
2-6 SWOT分析
強み
 ポカリスエットは過去に、競合の参入と市場の成長の鈍化を受けて、風呂上りや睡眠時などの効率的な水分補給のためのアイソトニック飲料とポジショニングを変更して、新たな需要開拓に成功した。さらに、ほかに例を見なかった青いパッケージの採用がポカリスエットのブランドイメージを確立し、根強い支持を得られたことが強みにつながったと考える。

弱み
日本においてはアクエリアスに負けずに十分な売上をあげているが、世界的に見るとアクエリアスは国際オリンピック委員会やFIFAワールドカップの公式飲料になっているように、アクエリアスの規模が圧倒的である。
機会
 ポカリスエットのマーケティング機会として2つあげられる。
 まず1つ目が2010年FIFAワールドカップアジア最終予選の公式ドリンクになったことだ。競合アクエリアスが国際的なマーケティング展開をしているのに対し、ポカリスエットは後れをとっていた。しかし今回公式ドリンクに選ばれたことで世界的な知名度も上がり、国際化への足がかりとなるだろう。
 2つ目が環境問題に関心を持つ消費者が増えたことである。大塚製薬は他社に先駆けて日本初の「陽圧無菌充填方式」を採用し、同社従来容器と比較して容器重量の約30%の軽量化を実現した。国内製造の500 mlペットボトルとしては最も軽い1本当たり18グラムとなった。(2008年12月現在 自社調べ)ひとたびキャップを開くとボトルが柔らかく手になじみ、持ちやすい硬さに変化する。また、飲み終わった後は女性でも片手で簡単につぶすことができ、リサイクルの時にも便利になった。今回、ポカリスエット500mlペットボトルの容器を「エコボトル」にして約30%の軽量化を行うことで、年間約2700トンのペット樹脂量が削減できるという。これをエネルギー量で原油換算すると、年間約4000klの削減となる。また、CO2削減量としては、年間約8300トンの削減となり、約1500世帯分の年間CO2排出量に相当する。
脅威
 近年の健康ブームにより、スポーツドリンクの重要性が見直された。それに伴い様々な新製品が開発された。その新製品は主に2つにわけられると考えた。1つ目は、花王のヘルシアウォーターのような、機能性に特化した製品である。2つ目はサントリーのDAKARAのような、シーンを限定しない製品である。ポカリスエットも元々シーンを限定しないことを戦略としてきたが、一般消費者はポカリスエット=スポーツドリンクの印象をぬぐい去れない人が多く、DAKARAの登場に衝撃を受けた。

3、消費者分析 (4000~4500)

4、シェア拡大への提案(1500)