ぼかぽかポカリ☆(仮)

インナー大会の論文を書くためのスペースです

ぽかぽかポカリ(仮)

2009-10-07 19:05:29 | 日記
第1章 業界研究
1-1清涼飲料水の歴史~ポカリスエット登場以前、以後
1-2 大塚製薬について
1-3 他社製品との比較
1-4 各社のスポーツドリンクの違いについて

第2章 マーケティング分析戦略
2-1 製品
2-2 流通
2-3 価格
2-4 プロモーション
2-5 ブランド

第3章 消費者視点から見るポカリスエット

シェア拡大への提案
4-1 現状を踏まえての提案
4-2 新製品の提案

第1章 業界研究

2009-10-07 19:04:51 | 日記
第1章 業界研究

1-1 清涼飲料水の歴史~ポカリスエット登場以前、以後
ポカリスエットが発売される1980年以前、「ラムネ、コカ・コーラなどの炭酸飲料」、「バヤリース、ネクターなどのフルーツジュース系飲料」、「缶コーヒー飲料」、「オロナミンCのような栄養ドリンク飲料」といった程度だった。ミネラルウォーターも一応あったが、市場は小さかった。(クラブの水割りようの水?)
そこで大塚製薬は、それまで日本国内市場に存在しなかった水分補給を主な目的としたスポーツドリンクというカテゴリーのポカリスエットを発売する。結果、飲料業界にそれまでなかった「水分補給」という新たな市場開拓に成功した。
ちなみにお茶が清涼飲料水として登場したのが、1981年である。
その後のスポーツドリンク市場に注視していこう。
1983年、ポカリスエットよりもスポーツドリンクとしてのイメージに特化したアクエリアスが発売された。ポカリスエットはもともとあらゆるシーンでの水分補給を想定され開発されたが、アクエリアス登場により、「スポーツ時の水分補給」という場面での存在価値が薄れた。
1998年ごろから2000年代中ごろにかけて、「ビタミンウォーター」や「DAKARA」など相次ぐニアウォーター発売・ブームが起こった。ニアウォーターとは一般的に、水にビタミンやカルシウムなどの栄養素や果汁を加えた飲料のことを言うのだが、これらの登場によりポカリスエットでは補えることのできない体に良い成分、つまりごくごく飲める清涼飲料に、機能的な要素を付加価値として付けたことが、またポカリスエットの存在価値が下がった。
さらに近年ではミネラルウォーターや緑茶飲料が躍進している。これらの製品は「水分補給」を土台としたスポーツドリンク市場の牙城を崩している。
詳細は添付資料2の表を参照していただきたい。


1-2 大塚製薬について
 大塚製薬の歴史は、1921年に大塚武三郎が徳島県鳴門市に化学原料メーカーとして大塚製薬工場を創業したことに始まる。当初は鳴門の塩田でとれる苦汁を原料として工業用炭酸マグネシウムを生産していた。
 1964年に設立された大塚製薬は、点滴注射薬などの販売会社として活動を始め、1971年より新薬の自社開発に乗り出した。1980年にはβブロッカー「ミケラン」、気管支拡張剤「メプチン」、続いて抗血小板剤「プレタール」、胃炎・胃潰瘍治療薬「ムコスタ」、抗精神病薬「エビリファイ」などの革新的な薬剤を世界で展開している。また、医薬品研究のノウハウを活用したニュートラシューティカルズ(栄養+薬の造語)の製品開発と事業展開を進め、1980年に「ポカリスエット」を発売後、「カロリーメイト」「SOYJOY」などそれまでになかった新たな市場分野を創出している。
 大塚製薬の企業理念は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」である。この言葉には「自らの手で独創的な製品を創る、健康に役立つ、世界の人々に貢献する」という思いが込められている。大塚製薬はこの企業理念のもと、大塚の遺伝子である「実証と創造」を受け継いで、「大塚だからできること」「大塚にしかできないこと」を日々実践しようと努めている。そして今日、大塚製薬の革新的で創造性に富んだ製品は、人々の暮らしをサポートしている。


1-3 他社製品との比較
 現在のスポーツドリンク市場のシェアを見ると、1位アクエリアス、2位ポカリスエット、3位DAKARAとなっていて、この3種類で市場の約85%を占めている。そこで、アクエリアスとDAKARAそれぞれをポカリスエットと比較していく。

VS 宿命のライバル、アクエリアス
はじめに首位のアクエリアスと比較する。アクエリアスは元々、ポカリスエットの類似品としてコカ・コーラ社から発売された商品である。そのため、ポカリスエットと味や青のパッケージが似ている。
しかし、商品バリエーションは大きな違いである。アクエリアスは、「アクエリアス」、「アクエリアスビタミンガード」、「アクエリアスゼロ」、「アクエリアスオアシス」(セブン&アイグループ)、「アクエリアスフリースタイル」など現在5種類ある。
それに対してポカリスエットは「ポカリスエット」、「ポカリスエットイオンウォーター」と、その種類は少ない。
また、2つ目の違いとしてイメージ付けの点が挙げられる。アクエリアスは現在、CMにスポーツ選手だけを起用し、スポーツドリンクとしてのイメージに特化している。また、オリンピックの公式ドリンクになっていることからも、それを後押ししている。
一方のポカリスエットは、スポーツドリンクというよりはむしろ日常の渇きの中で飲んでもらう印象付けをしている。
 VS スーパールーキーDAKARA
次にDAKARAとの比較だが、DAKARAは2000年にサントリーから発売され、アクエリアスに比べると新しい商品である。DAKARA登場前までは、アクエリアスとポカリスエットが圧倒的なシェアを誇っていて、他社製品はなかなかシェアを奪うことが出来なかった。
しかし、サントリーは、消費者がどのような場合にスポーツドリンクを購入しているかを細かく調べ、消費者のニーズに合ったコンセプトのDAKARAを発売した。DAKARAはポカリスエットやアクエリアスと違い、スポーツ時とは商品を完全に切り離し、食生活の乱れの改善を消費者への訴求点とした。
-3 各社のスポーツドリンクの違いについて
 スポーツドリンクは、大量発汗等によって失われる水分やミネラル分などの養分を効率よく補給する事を目的とした機能性飲料である。体液にほぼ等しい浸透圧を持つため、近年ではアイソトニック飲料やハイポトニック飲料と呼ばれることがある。現在市場には「ポカリスエット」をはじめ、「アクエリアス」、「ゲータレード」、「DAKARA」など約30種類のスポーツドリンクが存在する。
 

第2章 マーケティング戦略分析

2009-10-07 19:04:16 | 日記
第2章 マーケティング戦略分析
 この章ではポカリスエットのマーケティング戦略を分析していきたい。。
私たちは、4Pとブランド、SWOT分析を中心に考えていった。

2-1 製品
 1973年、大塚製薬は、発汗時の水分補給を目的に「飲む点滴液」をコンセプトとし、ポカリスエットの製品開発を開始した。同社は輸液(点滴液)のトップメーカーであることから、電解質輸液の生産技術、口渇や脱水のメカニズムの研究などの豊富な蓄積があった。これらのノウハウを活かし、「KN補液4B」という既存の輸液を原型とし、これを「飲料としてお金を出して継続的に飲んでもらえるような味」、「発汗時におけるおいしい味」を目標とし、7年後の1980年にポカリスエットの販売が開始された。
 ポカリスエットの製品戦略としての最大の特徴は、導入に際して「スポーツドリンク」に留まらないポジショニングをとったことである。
前述の通りポカリスエットは「飲む点滴液」をコンセプトとして開発されたため、飲料としての本質的な価値を「発汗に伴う口渇や脱水を補うための水分と電解質補給」と据えていた。従って、先行商品のゲータレードとは位置づけが異なり、スポーツ後だけでなく入浴後や飲酒後、起床時等、発汗に伴う口渇が生じるあらゆる生活の場面で使用される飲料として位置づけたのである。
このため、当時ポカリスエットに先駆けて市場参入していた既存のスポーツドリンクとは、飲料の形態や味、容器の形状や色、価格面において徹底した差別化を図った。

2-2 流通
 製品の発売当初は医療品のチャネルやオロナミンCで開発したチャネル、自動販売機ルートから開始した。さらに、小売店回りを徹底して行い、開放的流通チャネル政策をとった。
 飲料は最寄品に分類されるため、積極的なプロモーションを行っても、取り扱い小売店が少なければ売り上げを期待することはできない。そこで営業による小売店回りでポカリスエットの機能性や味を徹底してアピールし、多くの小売店で扱ってもらうことに成功した。
1982年に「二日酔いに効く」という訴求点を新たに加え、酒店を中心に販売店を拡大した。さらには脱水症状に効果があるとして病院や調剤薬局へも販売先を広げた。その後、競合製品が販売され、市場が広がり、ポカリスエットは確実に売上を伸ばしていった。

2-3 価格
 ポカリスエットの価格は、発売当初は245ml缶で120円であり、当時のコカ・コーラが250ml缶で100円であった。しかし、ポカリスエットの発売の3年後の1983年、日本コカ・コーラ社はスポーツドリンクとして「アクエリアス」を250ml缶100円という低価格で発売した。これにより、ポカリスエットは250ml缶100円へ値下げを行った。1987年にアクエリアス350ml缶100円、1988年にはポカリスエット350ml缶100円というように実質価格の変更が行われた。
 つまり、発売当初は高付加価値飲料として既存飲料より高い価格でも消費者は納得したが、アクエリアスのような同類製品の登場により、価格を下げざるを得なかったのである。

2-4 プロモーション

2009-10-07 19:03:50 | 日記
2-4 プロモーション
サンプルで認知を
 発売当初はポカリスエットを1本でも多く置いてもらえるように、前述のような販売店を回った。しかし、店主に「味がまずく売れないから取り扱うことができない」と断られた。一般消費者の意見を聞いてみても、「まずい」という評価を得た。
そこで社長は、無料サンプルを無制限にひたすら配布する戦略を打ち出した。野球をしている少年のような「汗をかきやすいと考えられる場所」に出向きサンプルを配布した。そこでの評判は上々であったが、無料配布本数が約3000万本で赤字額が40億円にも上った。
そうした中で、発売から2年目の夏、ポカリスエットの製品コンセプトがようやく消費者間に広まり、売り上げが前年の3倍の280億円まで伸びた。ポカリスエットの発売後、後続商品が続々と発売され、7年後には市場規模が1000億円まで成長した。
結局、味の問題よりも製品の認知度が低く、製品特性を実感できなかったことが初期の販売不振の理由と言える。
CM
ポカリスエットは発売当初、外国人を起用したテレビCMで、異質感を演出していた。これは、既存の製品とは全く違うことが強調され、それはあたかも江戸時代の黒船のようであった。
その後、アクエリアスの登場により1988年に値下げを行い、CMのイメージを一新した。若手女優を起用し、「青春」や「爽やかさ」を感じさせるテレビCMに仕上げていった。商品認知度が極めて高い中で、消費者はフレッシュなイメージを喚起できた。
2007年には、イメージを一新して国民的アイドルグループSMAPを起用した。CMコンセプトを「ACTION」とし、500mlペットボトルで国産最軽量容器に刷新したことをアピールした。これらに共通することは、前に進み続けること、つまり、商品の中身は変わらなくても、止まっていないというイメージをアピールした。
 また、SMAPの起用はより幅広い世代にポカリスエットをアピールする狙いもあった。ライバルのアクエリアスはスポーツ選手を起用したテレビCMを展開していた。ポカリスエットはスポーツ時だけでなく様々な機会に飲まれているとの分析を元に、さらに購買層を拡大しようとしたのである。広告の評価が高いこともあり、2007年4~6月は単品で前年実績を上回る販売実績に上げた。


2-5 ブランド
ポカリスエット発売当初は競合製品が少なかったスポーツドリンク市場も、後続商品が次々と登場し、機能・味などの面において、商品ラインナップに広がりを見せていった。
しかし、その中でも現在でもポカリスエットのシェアを上回るものはアクエリアスの他にはない。なぜ、ポカリスエットは長年に渡り消費者に支持され続けているのだろうか。その理由として「ポカリスエットブランド」を確立できたことがある。
 アメリカ・マーケティング協会は、ブランドを「個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの」と定義している。ポカリスエットは日本のスポーツドリンク市場の草分け的存在である。市場開拓商品の優位性もあり、「スポーツドリンクといえばポカリスエット」という認識が消費者に定着した。

ポカリスエットブランドの3ポイント
 ポカリスエットは「ネーミング」、「パッケージ」、「キャッチコピー」というブランド確立のための重要な要素を的確におさえている。この3点は商品イメージを形付けるために欠かせないものである。ポカリスエットは飲料市場に新星として登場した背景から見ても、ここはマーケティング戦略の中でもポイントとなる。
まず、ネーミングについてだが、大塚製薬によると“ポカリ”は語感の軽い明るい響きを持つ言葉としてつけたもので、特別な意味はない。“スエット”は日本語の意味通り、身体から失われる「汗」を表し、汗の代用になることを通じて、水分やイオンの大切さを訴えるネーミングになっている。
 2つ目にパッケージについてである。ポカリスエットはパッケージカラーに“青”を採用した。ポカリスエット発売当時は、食品関係のパッケージに“青”を使用するのはタブーとされていた。青は冷たく淡白なイメージがあることや食欲減退色であるからである。
しかし大塚製薬は、ポカリスエットのパッケージで青い海と白い波をシンボライズし、「身体の中には海がある」ことをデフォルメした。このパッケージは「汗」、「渇き」、「海」など細胞から発せられる体の切実な訴えの受け手として、十分な記号を持ち合わせている。
また、青いパッケージは爽快感を印象付け、発売当時の既存商品との識別を容易にし、ポカリスエットブランドを確立させる重要な要素となった。
 最後にキャッチコピーについて触れていく。ポカリスエットはキャッチコピーをCMごとに変化させている。このような変化は2-4にあるように、常に新しいイメージを消費者に与えている。
商品を変えずに、新しいイメージを与え続けることは、ロングセラーブランドのセオリーであるとともに、ポカリスエットが長年に渡って支持を集める理由でもあろう。
最後にコトラーの言葉を書いて、ブランドのまとめとする。
長年のマーケティング活動や製品を経験した結果、個人や組織の心に残っている印象に太刀打ちするのは、容易ではないだろう。

2-6 SWOT分析

2009-10-07 19:03:11 | 日記

 
ポカリスエットについてSWOT分析を行い、現状のまとめとしたい。ここでは、国内市場を中心に見ていく。

強み
 ・先行商品としてポカリスエットブランドを確立できている
 ・現在のスポーツドリンクの元祖であり、底辺となっている
 ・製薬会社であるため、他の飲料メーカーとは違う流通チャネルを持っている
 
弱み
 ・ポカリスエットブランドのイメージが確立され過ぎていて、製品の根本的な部分の変更がしづらい
 ・アクエリアスはスポーツドリンクとしてのイメージを強く持っているが、ポカリスエットは具体的な利用シーンの提示を行っていないため、ポジショニングが中途半端になっている

機会
 ・健康志向の高まりを受け、機能性飲料のニーズが高まっている
・スポーツ人口の増加に伴い、スポーツドリンク市場の拡大が予想される
 
脅威
 ・機能性飲料のカテゴリーにおいて、市場競争が激化している
・製品の機能性の面で、他社製品に劣っている
 ・飲料市場の変化により、ポカリスエットの付加価値が低下している