ぼかぽかポカリ☆(仮)

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(仮)

2009-08-07 15:08:40 | 日記
2-3 価格
価格戦略はいかにその製品に見合った価値やその製品のイメージを確立させ、利益を出すためには重要な部分となる。
ポカリスエットは高級感をだすために、250ml缶の120円で発売した。しかし、後にコカコーラ社のアクエリアスの登場により、価格を下げることになる。アクエリアスは価格で差別化を図ってきた。それに対抗するために、当初の120円からアクエリアスと同じ100円まで下げた。
消費者心理にアピールする価格戦略とはどのようなものがあるのだろうか。例として5つ挙げたいと思う。
1 名声価格
価格が品質の目安になっているため、ある程度高い方が売れる
2 慣習価格
以前からの価格を消費者が当然と思っているので上げ下げしてもプラスにならない
3 端数価格
398円、3990円などギリギリまで下げている印象を与えて売る
4 価格ライン
一般・中級・高級など価格帯を分けておき。その中から好みのものを選べるようにする
5 差別価格
S席料金で高級感を出したり、オフシーズン価格で割安感を感じさせたりする

ポカリスエットは2の慣習価格に該当する。


2-2 流通
通常、生産者は製品を卸業者に販売し、卸業者は小売業者に卸し、小売業者は消費者に売る、というのが一般的な流通経路である。この流通経路のことを「流通チャネル」という。この他に、卸売業を通さないチャネルや、小売を通さないチャネル、製品直販チャネルなど多数あるが、大塚製薬のポカリスエットは一般的な流通チャネルを利用している。そして、これらは流通チャネルの「長さ」で自社チャネルを作り上げようとする場合に考えなくてはならない要素である。
 そしてもう1つ、流通チャネルの「幅」も考える必要がある。つまり、流通チャネルを広く開放的なものにするか、限定的にするかということだ。大きく分けると、3つの流通チャネル政策が考えられるが、どれが適しているかは製品や事業によって異なる。
流通チャネル政策(3つ)
1 開放的流通チャネル
消費者がどこでも買えるようにし、卸業者を選ばない。
2 選択的流通チャネルイ
メージダウンを避けながら流通コストを抑え、効率の良い販売業者に限定して取引をする。
3 専属的流通チャネル
ブランドイメージを保持して価格競争を避け、1業者に1地域の販売権を専属的に与える。                    
大塚製薬のポカリスエットの場合は、開放的流通チャネルを利用しているのではないだろうか。実際にスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど様々な場面でポカリスエットをみかける。製品を売り出した当初は、医療品のチャネル、オロナミンCで開発したチャネル販売網と自動販売機ルートから開始している。
清涼飲料水は最寄品であるため、消費者がどこでも買えるようにしなければ、代替品ですまされてしまう。それを防ぐためにも開放的流通チャネル政策をとる必要がある。

2-1 製品
1973年、大塚製薬は、汗をかいた時の水分補給を目的に「飲む点滴液」をコンセプトとし、ポカリスエットの製品開発を開始した。同社は輸液(点滴液)のトップメーカーであることから、電解質輸液の生産技術、口渇や脱水のメカニズムな研究などの豊富な蓄積があった。そのようなノウハウを生かし、「KN補液4B」という既存の輸液を原型として、これを「飲料としてお金を出して継続的に飲んでもらえるような味」、「発汗時におけるおいしい味に」を目標とし、7 年後の1980年にポカリスウェットの販売が開始された。
開発段階で先行商品としてゲータレードがあったが、味が不味く市場には受け入れられていなかったが、この商品からヒントを得て、自社での技術なら開発は容易であることに気づく。そこから、徹底的な研究開発が進む。5つの特徴をもつ製品が完成する。
1 体液とほぼ同じのバランス→体内に吸収したさいに腹痛をおこしにくい 
2 高い吸収性→体液とほぼ同じなので体になじむのが早い
3 アルカリ性→血中のph濃度を一定に保つのによい
4 低カロリー
5 結局社内でも評判の悪い味
味に関しては、改良を重ね発売を決定した。
ポカリスエットの製品戦略としての最大の特徴は導入に際して「スポーツドリンク」という狭いカテゴリーに押し込まないポジショニングをとっていたことである。前述の通りポカリスエットは「飲む点滴液」として開発されていたため、飲料としての本質的な価値を「発汗に伴う口渇や脱水を補うための水分と電解質補給」と据えていた。従って、先行商品として販売されていたゲータレードとは飲料の位置づけとは異なり、スポーツ後だけでなく、入浴後や飲酒後、起床時等、発汗に伴う口渇が生じるあらゆる生活場面で引用される飲料として位置づけたのである。このため、当時ポカリスエットに先駆けて市場参入していた既存のスポーツドリンクとは、飲料の形態や味、容器の形状や色、価格面において徹底した差別化を図った。

2-5 ブランド戦略
ブランドとはどのようにしてつくられるのだろうか。基本的なパターンは以下の5つになる。
1 企業(コーポレート)ブランド
認知された企業名をブランドとして製品名にも展開していくことである。「キューピー・マヨネーズ」など、製品に企業名が入ることが特徴である。 例:「ソニー」「マクドナルド」
2 事業ブランド
企業内の事業単位をブランドとする。 例:「プリンスホテル」
3 ファミリー・ブランド
いくつかの製品カテゴリーにまたがって1つのブランド名を統一的につける。化粧品ブランドの多くがこの戦略で洗顔料・化粧水・乳液などをまとめている。 例:「植物物語」「無印良品」
4 製品群ブランド
中心となる製品から派生したバリエーションを1つのブランドとして統一すること。 例:「カップヌードル」「セブンスター」
5 製品ブランド
たった1つの製品のブランドのことであり、企業名に密接に結びつかない。 例:アサヒ「スーパードライ」コカコーラ「爽健美茶」
 大塚製薬の「ポカリスエット」は企業名と製品名に繋がりがないため、5の製品ブランドに分類される。更に、「ポカリスエット イオンウォーター」「ビーンスターク ポカリスエット」などのポカリスエットを中心とし、派生させたバリエーションを展開させているので、4の製品群ブランドにも当てはまるのではないだろうか。
 また、青いパッケージもポカリスエットのブランド確立において大きな役割を担った。ブランドにおいて「色」は、他との識別や固有イメージをつけるという点で重要な役割を担っている。ポカリスエット発売当時は、食品のパッケージに「青」を使うのはタブーとされていた。理由としては、青は冷たく淡白なイメージがあることや、食欲減退色であることが挙げられる。しかし、ポカリスエットは、青いパッケージで販売することにより、爽快感を印象付けることに成功した。

2-7 SWOT分析
強み
ポカリスエットは過去に、競合の参入と市場の成長の鈍化を受けて、風呂上りや睡眠時などの効率的な水分補給のためのアイソトニック飲料とポジショニングを変更して、新たな需要開拓に成功した。さらに、ほかに例を見なかった青いパッケージの採用がポカリスエットのブランドイメージを確立し、根強い支持を得られたことが強みにつながったと考える。

弱み
日本においてはアクエリアスに負けずに十分な売上をあげているが、世界的に見るとアクエリアスは国際オリンピック委員会やFIFAワールドカップの公式飲料になっているように、アクエリアスの規模が圧倒的である。