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ATH-OR7ヘッドフォン

2014-10-03 00:48:08 | 音楽
 既に多くのみなさんがレビューにて報告されているaudio-technica ATH-OR7[1-5]について興味が湧き、実際にどのような表現力を持つのか体験したくなり、中古の実機をアマゾンから購入(¥9,000程度)して見た。
 実際に音を聴いてみた私の印象は、みなさんのレビューとほぼ同じで、

・高音域がかなりエンハンスされている。
・曲によっては、サ行が刺さる。
・ハウジングが深く、ドライバと耳との距離が大きいためか、音量が少なく感じられる。
・マグネシウムアーム採用で軽量であるが、作りはしっかりしており、高級感がある。

など、かなり個性的な特徴を持つヘッドフォンであることが実感できた。
 参考文献[2]では、ATH-OR7のイヤーパッドを改造した結果を周波数特性(バイノーラル・マイク[8]で測定)付きで報告しており、その特性は大変興味深かった。その周波数特性では、特に5kHzより高音域にいくつかの共振ピーク(5.5KHz、8kHz、10kHz、13kHzなど)があり、そのピークがどのように発生するのか調べてみたくなった。
 まず、5.5kHzと13kHzの共振ピークについては、外耳道(25mm~30mm)の閉管共振[6]と考えられ、バイノーラル・マイク[8]を用いたため、この特性が得られたと考えられる。
 10kHzのピークは、おそらくドライバと耳との距離(ハウジングの深さ)が約27mmであったことより、ハウジングの深さ方向の3λ/4の開管共振[6,7]ではないかと思われる。また、残る8kHzのピークは、ハウジングの高さが約65mm(この1/2が約32mm)であったことより、ハウジングの高さ方向の3λ/4の開管共振[6,7]ではないかと想像する。
 上記のように、ATH-OR7ヘッドフォンは、その特徴的なハウジングやイヤーパッドの構造に起因して、個性的な周波数特性を示しているとも考えられる。この辺の考え方について、ヘッドフォン設計者の意図を聞いて見たくなるのは、私だけではないだろう[1]。

参考文献
(1)ATH-OR7という不思議なヘッドホンを買いました
(2)好録音探求 ヘッドホン audio-technica ATH-OR7 の改造とその特性
(3)audio-technica ATH-OR7 ヘッドホン航海
(4)ATH-OR7のレビュー
(5)audio-technica ATH-OR7のレビュー
(6)なぜ6kHzに強烈な音圧のピークを生じるのか?
(7)管楽器-Wikipedia
(8)バイノーラル録音-Wikipedia

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