という話を聞いたことがある。お湯の中に入れるだけで食糧に
なる。現代風に言うならインスタント食品だったのだろう。
沖縄には、私の大好きな干物があまりない。
シーラーの干物や大神島のタコの干物が知られているが、一部の
人が食べていただけで、沖縄全体では干物は、ほとんど知られて
いない。カマスを釣りあげて、バケツに海水を汲み一握りの塩で
塩分をこくした水に開いたカマスを10分ほど漬け込んで船で干し
ながら港へ帰ってくるまでにカマスの干物が出来上がる。
なかなかいける味だが、地元の友達は気持ち悪がって食べなかった。
宮古島に冷蔵庫が普及したのが約30年ほど前で、それまでは市場が
冷蔵庫がわりであったそうだ。サトウキビの汁で漬けた漬物や
塩からなどはあるが、それだけを主食にするわけにはいかない。
亜熱帯気候だから、保存食を作る必要があまりなかったのかも
知れない。グルクンの干物を苦労して作ったときも、
「どうして、そんな面倒なことをするのか、刺身で食べたほうが
おいしいのに」とあきれられた。
確かに、手間暇かけて干物を作っているのが、おかしく思えた
のだろう。
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