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 ある世代以上の人にとっては金字塔ともいえるアニメ作品がついに実写化。懐かしさと、ネットで見たキムタクの古代進、ヤマトのCGクオリティに背中を押されて激込みの年の瀬に映画館に足を運んだ。

 結論から言うと裏切られなかったってとこでしょうか(^^)

 何せ今まで期待して観に行ったリメイク作品がひどすぎた。「新造人間キャ○ャーン」 思い出しても orz
 結局この映画のダメージがデカすぎ、これに懲りて慎重に事前インプレッションをリサーチした「デビルマン」は観に行かずに大正解!
 もう邦画のリメイクは観られない法則発動状態だったので、今回のヤマトは自分としてもうれしい一本。

 昔の作品のリメイクの難しさには、時代の空気と想い出の中で美化された作品に太刀打ちできないというハードルがあると思うんですよね、まず。そして、その作品のどこがファンのツボだったかを押さえた上で、どういう新奇性を持ち込むか。マーヴェルの「スパイダーマン」「Xメン」「ファンタスティック4」あたりは抜群のSFXと練られた脚本で成功したと思います。ヤマトも「邦画の壁」はクリアできたと思う。

 ストーリーはお馴染みのあれ、イスカンダルへの往復(爆)
 ただ、ハッピーエンドではないです。古代がみんなを救うために犠牲になる。このあたりにぐっと来た方も多いようです。私的には真田が「おまえのことを弟のように思っていた」と斉藤と敵基地に残り、古代を返すシーン。ここが一番ぐっと来ました。

 尺が短いため、がまんしてがまんしてがまんしてがまんしてがまんしてやっと地球に戻りました!っていうカタルシスは薄い(^^;

 この「がまんして」っていうのはヤマトを語る上で重要なキーワード。
 イスカンダルから波動エンジンの設計図が届けられヤマトに搭載されるまで、宇宙艦隊はガミラスにやられっぱなし。降り注ぐ遊星爆弾。がまん、がまん。
 波動砲なんて「がまんする」ために撃つようなものだし、そのかわり発射後の快感、破壊感といったら無い(^^;
 ひたすらガミラスの攻撃に耐えてがまん、ワープの準備中もがまん(^^; でも、その後の快感は(略

 この「がまん」感が相当減っている。いっそ3部作でもよかった気がする。

 とはいえ、原作のテイストを残したまま上手に工夫がされているのは、製作者たちの想いが伝わってくるよう。

 例えば、主役のひとり、森雪。おしとやかさ、はかなさで売っていた彼女ですが、今回はバリバリの肉食系パイロット(^^) これはありかな、と思わせてくれました。
 アナライザーもいい!これはぜひ見て欲しいキャラクターの一人(1台?)

 また、ガミラスは肌の青い異星人ではなく実態のない結晶生命体。青い肌、アバターに先を越された・・・わけではないでしょうが(^^; デスラーですらー出てこない(^^; 最後にそれらしい姿になったのが現われるんだけど。これは大英断。ま、尺が尺だけにデスラーの骨太の魅力を描写しきれないという事情もあったかもしれない。ファースト・ガンダムを2時間の映画にする時、敢えてシャアは出さないようなもの、か?

 山崎努扮する沖田艦長もアニメの雰囲気を伝えてなかなかよかった。沖田のすごさは「イスカンダルへコスモクリーナーを取りに来て」というスターシアのメッセージをでっちあげたところ。実は送られてきたのは「波動エンジンの設計図とイスカンダルの地図」だけなんですな。ダメ元で人類(日本人?)に希望を与えた、真実に勝るウソがここにあります。

 SFXもなかなかみせてくれました。アニメはともかく、チャチくない邦画は初めて観た(爆)
 ヤマトの雄姿、波動砲の発射、宇宙での空戦などなど、いいレベルに仕上がってました。また、キャスティングも古代(キムタク)、沖田艦長(山崎努)、真田(柳葉敏郎)、徳川機関長(西田敏行)、斉藤(池内博之)らがハマり役でいい味出してた。特に柳葉の真田は最高! 緒形直人の島大介は最後までなじめなかった。残念(^^;

 マイナス点としては、意味不明なキャラ変更かな。例えば、一升瓶片手の名医(迷医?)佐渡酒造センセイがなぜか女医(高島礼子)に。相原も女。なぜ? と書いてて思い出した。映画版『チーム・バチスタの栄光』のキャスティングはひどかったな。→【過去エントリ】『チーム・バチスタの栄光』
 原作ファンの神経を逆なでするだけの変更は止めていただきたいもの。

 あと「カンベン」って思ったのは、敵を撃破して「ヨッシャア」とか笑顔でガッツポーズ時にやられるとか・・・orz サッカーのゴール後じゃないんだからさ(日本代表、アジアカップ優勝おめでとう!)、戦場なんだから、そこ気を抜くとこじゃないでしょというツッコミ。これ、ホントに萎えるんだけど3回くらいあったよ。ギャグにも何にもなってない。こんな脚本許した監督は反省して下さい(キリッ
 コスチュームのダサさもねえ。原作のパンタロンとどっこいどっこいかな(^^;

 一方、良い意味で成熟を感じたのはパクリ上手になったこと。
 これだけ多くの作品が作られるようになった現在、オリジナリティ100%の作品は無理。必ず影響を受けた作品というのはある。だから上手にパクることはとても重要。とってつけたようなパクリじゃなくて。

 例えば、宇宙空間をウンカのごとく押し寄せてくるガミラス戦闘機や、宇宙空間だからこそできる、クルッと機体を回して後ろ向きに飛行しながらの銃撃は「バトルスター ギャラクティカ」。ワラワラ押し寄せるガミラス兵は「スターシップトルーパーズ」。ガミラスが意識の集合体で、アリやハチを彷彿とさせる社会性生命体として描かれているのはスタートレックの「ボーグ」。生命体的な外観を持つガミラス艦のデザインは「エイリアン」にルーツを持つもろもろ・・・

 昔むか~しの話ですが、その当時封切られた「スターウォーズ エピソードIV」を見たヤマトのスタッフが「パクられた」って言ってたのは、本当に遠い昔の物語、って感じです(^^;

 新旧どの世代にも受け入れられる作りは評価できると思います。観て損はない1本。

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