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警視の不信

講談社

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 ご存知、「警視キンケイド」シリーズの8作目。
 年末の楽しみ、「検視官シリーズ」の最新刊を探しに書店に寄ったところ未入荷で、代わりに見つけたこちらを即買い。いやあ、面白かった。
 「検視官シリーズ」もそうだが、登場人物の背景まできちんと掘り下げてあるので、「謎解き+人間ドラマ」という一石二鳥の楽しみがある。そして、小説としても含蓄のある、それでいて陳腐ではない表現が魅力だ。訳もよい。
 今回は、過去と現在を交互に描き、最後に現在でパズルのピースがぴたりと合うというクロンビー流表現の真骨頂。みごとな収まりを見せてくれる。また、いつものようにさりげない描写が伏線となり、あとで説得力を持って効いてくるのも読んでいて気持ちがいいが、今回は特に冴えている気がする。
 本編はジェマが大活躍でキンケイドは影が薄い(今回の活躍は新居を見つけてきたくらい(^^;))が、ふたりの関係が一歩前進して、長年のファンとしてはうれしい。が悲劇も・・・。
 本シリーズ未読の方は、この正月一気読みされてはいかがだろうか。
 最後にタイトルに苦情を・・・。このシリーズ、『警視の○○』というタイトルでずっと来ているのだが、今回のタイトル『警視の不信』はまったく内容と無関係。分かりやすいって言えば分かりやすいんだけどね。
 和訳した時におかしなタイトルになるのは本だけでなく映画もそうだが、なんとかならないものか。ちなみに原題は「AND JUSTICE THERE IS NONE」。名より実。本文のテイストを伝えるドンピシャなタイトルにした方がいいと思うのは自分だけだろうか。

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