映画のヒトコマ

思い出に残る映画のヒトコマ
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ハンニバル・ライジング

2007-05-19 | Weblog
HANNIBAL RISING 映倫R-15
トマス・ハリス原作の“ハンニバル・レクター”シリーズの4作目、ハンニバルに続き映倫R-15指定。

羊たちの沈黙 (1990) シリーズ1作目
ハンニバル (2001) シリーズ2作目
レッド・ドラゴン (2002) シリーズ3作目

レクター博士の幼少から青年期にスポットを当て、冷酷な殺人鬼へと変貌を遂げていく姿を描き出す。
1944年のリトアニア。戦禍で両親を亡くしたハンニバル少年は、幼い妹ミーシャと2人で山小屋に隠れ住んでいた。ある日、残忍な逃亡兵グループが山小屋を乗っ取り、か弱いミーシャは彼らに殺されてしまう。その後、心を閉ざしたまま孤児院で成長したハンニバルは、やがて脱走し唯一の親類を求めてパリの叔父のもとへと向かう。しかし、すでに叔父はこの世を去り、未亡人の日本人女性レディ・ムラサキが、ハンニバルを温かく迎える。

1作目は、ジョディ・フォスターがクラリス・スターリング を演じ、2作目は ジュリアン・ムーアが演じた。
ハンニバル・レクターのアンソニー・ホプキンスが出ない、 クラリスも出ない。
魅力は半減するのは止むを得ないか。



今回のハンニバル・レクターはギャスパー・ウリエル。

単なる復讐劇に終わってしまった。レクターとクラリスの間に醸し出されるような微妙な緊張感がない。
途中、ドキドキすることもなく終わったら疲労感だけが残る。
先に本を読んでたせいかも知れないが。

グルータスがあの時、ミーシャの肉の入ったスープはハンニバルも食べたという衝撃的告白。
それを聞いたハンニバルは半狂乱になる。ムラサキが「やめて。彼らを許すのよ」と止めるが、それでもハンニバルはグルータスに斬り付ける。

これで終わりかという顔つきで、ムラサキがその場を立ち去ろうとした時、ハンニバルは彼女に「愛してる」と言う。
しかし、彼女は「あなたに愛に値するものがあるの?」と言い、出ていく。

衝撃的な事実と、世の中で唯一信頼していたムラサキに見捨てられたということが重なって、ここからハンニバルは単なる怪物になっていくのだ。


この映画の訴えたかったことは、「戦争によって家族を奪われたレクターが、復讐を望み、それを果たすのだが、その過程で自分が持っていた人間性までも失ってしまうということ。」
ひょつとしたら、それは一人の愛情によって防げたのかもというのは、「蛇足」かな?



レディ・ムラサキは、コン・リー。42歳。中国の女優。


監督: ピーター・ウェーバー 「真珠の耳飾りの少女」

出演:
ギャスパー・ウリエル ハンニバル・レクター
コン・リー レディ・ムラサキ
リス・エヴァンス グルータス
ケヴィン・マクキッド コルナス
スティーヴン・ウォーターズ ミルコ