さゆりのひとり言-多発性骨髄腫と共に-

多発性骨髄腫歴15年/'08年4月臍帯血移植/「病気は個性」時にコケながらも前向きに/はまっこ代表/看護師/NPO所属

多発性骨髄腫の同種移植について考える

2017年05月22日 22時51分11秒 | MM闘病記

先日、久しぶりに主治医と飲みに。

二人で飲むと、治療の時の話になったりするもので。
もともと飲み会があった後の2次会なので、普段飲まないお酒も必要以上に入っているので、半分以上はフィクションだと思って聞いてくださいね。
それに、あくまでも私個人の話ですから。

今でこそ、同種移植後9年経過し(あ、9年目の記念日なんてすっかり忘れていました…4/17でした(^^♪)
実はあの時、とお互いに笑って話せることが多くなりました。
自家移植を2回した後、おそらく外来で軽い化学療法をしていた時だったかと思いますが、
主治医と飲みに行き、美味しいマティーニを気分よく飲んでいたのに気づいたらBarの便座を抱えていた、とか(笑)

いやいや、そんなむしろ笑えない話ではなく、
結構、ガチでシビアな状況だったこと。
同種移植をする前は、急激に悪化し、放っておけば2週間と持たないという状況で、
当時、血液内科のナンバー2で医長だった主治医は、トップの部長の反対を押し切って私の同種移植に踏み切りました。

現在に至っても、骨髄腫に対しての治療において同種移植というのは確立したものではありません。
再発率の高さ、移植関連死の高さをクリアできないからです。
そんな中、私の治療の選択肢は同種移植のみとなり、身体の状況的に骨髄バンクのドナーコーディネートは待つことができず、臍帯血移植しか選択肢がありませんでした。

死なないギリギリの量の抗がん剤を投与し、
GVHD(移植片対宿主病)で死なない程度かつGVL効果を最大限引き出すために免疫抑制剤は移植後早々に切りました。
TBI(全身放射線照射)の量、発熱や下血時の対応など、常に主治医と担当医が対応してくれました。

同種移植をしました、と言っても病院によって、医師によって結果は大きく異なることを最近強く感じます。
そして、主治医はじめお世話になった医療関係者の皆様、病院に感謝の気持ちでいっぱいになります。

とある県では医療従事者の勤務時間の管理のために、受け持つ患者を直接診るのは8時間のみだと言います。
勤務時間を過ぎれば、あとはすべてその時の当直医の判断です。
専門外の、担当でもない患者の急変に十分に対応することも出来ず、
翌朝出勤した時には、その患者さんはいない、ということもあるそうです。
話を聞いただけでもゾッとします。
そう思うと、土日でも朝は必ず顔を出してくれたり、夜間に具合が悪いと遅くまで診ててくれた先生方には頭が下がりますが、にもかかわらず、海外出張でいないと言われると、やれお土産を買ってこいだの言っていた私は、なんと無礼な患者だったことか。。。

それから、今回、初めて聞かされたのが、数年前に私の事例を骨髄腫学会で発表してくれた先生のこと。
骨髄腫の同種移植に対しては消極的で、あまり冒険をしない先生が、私の症例を使いたいと主治医に申し出たようで、
それが主治医にとってはうれしかったと聞き、
実は、その発表は聴講していて、その時座長をされた部長先生とともに学会終了後に飲んだのですが、
東大卒の賢い先生なのに大人しく、あまり話してくれない印象だったのですが・・・

なんか、もう一度飲んでみたくなりました。

結局タイトルほど考えることはないのですが、
骨髄腫にしても白血病にしても、同種移植にかかわらずどんな治療でも言えることだと思いますが、
病院と主治医は選ばないといけないと思いました。
しかし、素人が選びきれるわけでもなく、単純に人と人との相性もあるわけですし、
一概には何とも言えませんが、
良いことも悪いことも、数多くの蓄積された経験がある病院は強い。
そして、医者なら休まず働け!とは言えませんが、入院している重症の患者さんでも24時間のたった1/3しか診ない病院では恐ろしくて身体を預けられない、という事だけは言えます。

弱めに作ってもらったパイナップルのフレッシュフルーツカクテルを飲みながら、
今も第一線の現場にいるフレッシュな話に耳を傾け、今ここに居る奇跡と感謝を感じた夜でした。


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2 コメント

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Unknown (ホタル)
2017-05-23 05:42:50
おはよ~
さゆりさんはいい主治医に恵まれてここまで来たんですね!? 同種移植が奇跡的に成功した数少ない症例だったんだと思います。確かに病院は、検討に検討を重ねた上で決定すべきですね。主治医に関しては運もあるのかなぁ.......
まぁ、楽しい夜を過ごされたようで良かったです! 遅ればせながら、Happy the nineth B-day!!!
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ホタルさん (さゆり)
2017-05-23 15:29:25
途中、途中で悩む事もありましたし、治療方針と私の思いとが噛み合わず辛い時もありましたが、そんなことも受け止めて見放さずにいて下さった事は、感謝以外ありません。
ヘビースモーカーのメタボな主治医なので、身体が心配ですが、今ではたま〜に飲みに行ける関係になった事が、嬉しいです。
なんだか、私が結婚して主治医としてスピーチしたいようなので、婚活再び、かなぁと(笑)
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