日本では、「大麻取締法」によって、大麻の所持、譲渡、譲受、栽培、輸入、輸出等の行為が禁止されています。
しかし戦前の日本では、産業用途としての大麻が全国的に広く栽培されていました。
大麻は非常に使い道が広い農作物で、葉の部分からは麻繊維が取れ、芯の部分は建設材料に使え、実からは油も取れます。
また、燃料としても、薬としても用いられていました。
しかも大麻は成長が非常に早く、害虫にも強く、栽培の手間がかからないこともあって、農家では重宝されていました。
そのため、大麻は「紅花」「藍」と並び「三草」に数えられていたほどです。その大麻をいきなり、GHQが禁止してきたのです。
なぜ、GHQ、つまり米国は、日本で大麻を禁止したのでしょうか?
それは、大麻が日本の文化、伝統と深く結びついていたことが関係していたようです。
大麻は神社、仏閣のお鈴さんに使われたり、注連縄に使われたりして、神事的に何かを結びつけるには、必ず大麻の繊維が使われていました。
このように大麻は日本の文化やアイデンティティーと深く結びつき、皇室や神社とも密接な関わりがありました。
日本を軍国主義に導き、米国に戦争を仕掛けるにいたった根底に神道等の精神文化を見出したGHQは、そうした精神文化を封印しようとしたが、その対象の一つが大麻だったと考えられています。
人類は古くから大麻の有益性を知っていて、それを利用して暮らしてきました。
欧州でも中国でも3000年も前から薬草として使われ、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスの著者「歴史」の中には、スキタイ人が麻の実を燃やして陶酔している様子が描かれています。
また後漢の時代に成立したとされる中国最古の薬物学書「神農本草経」にも薬草として大麻が使われていたことが記されています。
日本では十数年前に、薬学研究者や製薬会社等の間で大麻の治療効果についての関心が高まりました。
また、米国政府は、医療効果があるとされる大麻の主要成分の特許を取得しています。
さらに、緑内障、多発性硬化症等の重病患者に例外的に医療用大麻の使用を認め、政府が栽培して患者に無料で提供していたこともあります。
日本もそろそろ、大麻に関する本格的な議論を始めるべきでしょう。
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