大麻は病気の治療だけでなく、アルコールやハードドラッグ等の依存症の治療にも役立つことが分かっています。
アマンダ・レイマン博士は、2009年、医療用大麻使用者350人を対象に他の薬物の状況についての調査を行いました。
その結果、大多数の回答者がアルコールや処方薬(オピオイド系鎮痛剤など)、違法薬物(ヘロイン、コカイン、メタンフェタミン等)等の代わりに医療用大麻を使用していることが分かりました。
つまり、他の薬物を止めたい、あるいは使用料を減らしたいと思って医療用大麻を使い始めたというのです。内訳は、処方薬の代わりに大麻を使用している人がもっとも多く全体の68%、次にアルコールが40%、違法薬物が26%でした。
大麻を使用することで他の薬物の使用料を減らすことを示す調査はその後、カナダの研究者によっても実施され、同様の結果が得られています。
2013年にバンクーバー大学依存症研究センターの研究チームが医療用大麻使用者400人を対象に行った調査では、処方薬の代わりに大麻を使用するようになった人が68%、アルコールが41%、ヘロインやコカイン等の違法薬物が36%でした。
これとは別に大麻が覚醒剤(メタンフェタミン)の依存症治療に役立つ可能性があることを示す調査結果も存在します。
レイマン博士はその後、仏教僧による6週間の瞑想プログラム(週2回、1回90分)に参加した覚醒剤依存症10人を対象に、大麻の使用が依存症治療にどう役立つかの調査を行いました。
参加者に毎日数回大麻を吸ってもらい、6週間のプログラム修了後にどんな効果があったかを尋ねました。
すると、10人全員が6週間の間覚醒剤を1度も使用しなかった(止めることができた)と答えました。
彼らが瞑想プログラムに参加したのは週2日の各90分だけで、それ以外の時間は自由にできました。
したがって覚醒剤を使おうと思えば使えたはずだが、そうしなかったのです。
レイマン博士によれば、大麻の成分が脳にどのように作用し、そのシグナルを送るのを止めさせるのかなどの研究も現在進んでいます。
これらの疑問が解明されれば、薬物依存症の治療のために大麻をより効果的に使うことができるようになるのではないでしょうか。
大麻が危険な薬物の依存症治療に役立つ可能性があることが期待できます。
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