あさねぼう

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新井 紀子

2020-06-10 19:58:20 | 日記
新井 紀子(1962年10月22日- )は、日本の数学者。専門は数理論理学、遠隔教育。 国立情報学研究所社会共有知研究センター長・教授。
東京都出身。東京都立国立高等学校を経て、一橋大学法学部に入学。高校までは数学が嫌いだったが、大学の数学の授業で、数学の面白さに目覚め、松坂和夫教授に師事。大学4年時に、数学基礎論の研究が盛んだったイリノイ大学数学科に留学し、竹内外史教授に師事。1年でイリノイ大学数学科を優等(magna cum laude)で卒業した後、奨学金を受けて、イリノイ大学大学院5年一貫制博士課程 数学研究科に進学。1990年に修士号を取得。

イリノイ大学在学中に数学者の新井敏康と結婚。1990年に帰国し、長女の出産後、1994年に一橋大学法学部を卒業。その後名古屋市で専業主婦をしていたが、数学者になることを志し、夫の赴任先にあった広島市の広島市立大学情報科学部助手に着任。1997年東京工業大学博士(理学)。高橋正子教授主査による論文の題は「On Lengths of Proofs in Propositional Calculi(命題論理における証明の長さの研究)」。 2006年から国立情報学研究所教授。また2004年から母校一橋大学で教養の集合と位相や、数理論理学を講じる。

2009年度日本OSS奨励賞受賞。2010年文部科学大臣表彰。2018年日本エッセイスト・クラブ賞、石橋湛山賞、山本七平賞、大川出版賞、TOPPOINT大賞受賞。2019年、ビジネス書大賞受賞。内閣府総合科学技術会議ICTワーキンググループ委員、文部科学省科学技術・学術審議会総合政策特別委員会委員、日本学術会議連携会員、国立大学法人一橋大学経営協議会委員、独立行政法人大学評価・学位授与機構運営委員なども務める。

2001年からNetCommonsを開発、2009年からResearchmapを開発。2011年からは人工知能「東ロボくん」研究開発プロジェクトのプロジェクトディレクタを務めている。
2011年より東大合格を目指すAI「東ロボくん」の開発に携わる。東ロボくんは2015年には5科目8教科全体の偏差値が57.1となるなど、人間の受験生の上位2割に入るそこそこの成績向上を収めたが、一方で国語の偏差値は49.7となるなど読解力が低く、AIは「問題文が読めない」「文脈を理解できない」ことが課題となった。問題文の意味が分からないままビッグデータを学習して計算力と暗記力によって統計的にそれらしい回答を導き出す、という現在のAIでは、東大に合格できる程度の読解力を身に着けることは不可能と判断され、東ロボくんの開発は2016年に凍結された。

東ロボくんの開発に携わる中で、文脈を理解できないAIよりも成績が低い人間の受験生が8割もいることに気付く。2015年の調査では、多くの中高生も、AIと同様に文脈を理解しないまま計算や暗記によって問題を解いていることが判明した。これからAIが進歩して社会に浸透していくなかで、計算や暗記では人間はAIに対抗できないため、人間は人間らしい読解力や意味理解を深めることが重要になるとの観点から、AIの性能を上げるよりも、中高生の読解力向上が直近の課題と考えるようになる。そのため、2016年より「教育のための科学研究所」を設置し、中高生の読解力を調査する「リーディングスキルテスト」を実施している。