前回の「会計検査」に続き、
今回は、設計業務にまつわる、「設計ミス」について、書いてみようと思います。
技術屋が試行錯誤して「ものを造る」ときには、ミスや失敗は付き物です。
原因はさまざまですが、大体、同じような要因であることが多いです。
以下に、設計する際に多い、ミスを引き起こす5大要因を挙げます。
1.無知・経験不足
2.思い込みによる判断ミス
3.慣れによる確認不足
4.打合せ・協議不足による設計思想の相違
5.調査不足による現場との不整合
これらについて、私見を具体的に列記します。
1.無知・経験不足
いくら高学歴な出来杉君でも、これはどうしようもありません。
2.思い込みによる判断ミス
「オレの経験上、これでOKだ」という、慢心からくるミス。
設計の根本が間違っている可能性があるため、大きな失敗につながります。
3.慣れによる確認不足
特に、構造計算ソフトなどの入力数値が変更されていなかったり、
図面、計算書、計算式のコピぺミスによる過ち。構造計算ミスのNO.1原因です。
4.打合せ・協議不足による設計思想の相違
いやなヤツと話をするのがイヤで勝手にどんどんやってしまい、
結果、「なんだこりゃー!」となってしまう、わかりやすいミス。
成果納品前に発覚する場合が多いので、設計段階で大きな手戻りとなりますが、
工事への影響は小さいと考えます。
5.調査不足による現場との不整合
現況・土地利用条件や用地境界、地下埋設、地下水位、土質・地形状況など、
現場にはさまざまな制約があります。
その制約(設計条件やコントロールポイント)が十分把握されないまま
(机上のみで)設計されると、いくら素晴らしい芸術的な設計でも工事発注時に大爆発・・・
「こんな設計で、工事なんかできねーよ!」と開店休業に・・・
土方のくせに現場と汗を嫌い、白魚のような手をしたスーツにネクタイ紳士、
机上大好き、建設コンサルタント技術者に多いミスNO.1です。
これらのミスを防ぐには、
定期的に「第3者技術者による照査を受ける」ことが最も効果的ですが、
経営難や技術者不足にあえぐ地場コンサルタントでは、
専属の熟練照査技術者を別室に据えることは困難です。
したがって、
経営難や技術者不足が深刻な中、いかに「品質を確保するか」が課題である。
どこのコンサルも技術者不足で経営難・・・
ひとり時間差、社内制手工業、独立採算制状態・・・
高い金だしてISO登録した会社でも、
内情は、どこもこんなもんかもしれません・・・