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風来坊主

ハーフマラソン完走の感想

やりました。やってやりました

ハーフマラソン制限時間ギリギリの

2時間55分49秒で走りきりました

心も身体も脳も完全に空っぽになり
全エネルギーを使い果たしました
普通に生きてたら感じる事のできない
爽快感や達成感を体験する事ができました

今はハーフマラソンを完走して
1週間程が経ちますが
まるで幻のような体験だったように
フワフワした記憶だけが残ってます

✳︎

大会3週間前からヒザの痛みがあったので
今回は参加をやめようかと悩んでました
しかしマラソン大会の雰囲気だけでも
感じられたらと思い気楽に参加する事にした

当日、会場である昭和記念公園には
ちびっ子からお爺ちゃんお婆ちゃんまで
沢山のマラソンランナーが集まっていた

こんなに多くの人や幅広い年代の人達が
マラソンをしてるのかと思い
喜びのような感覚を覚えてしまった

そして、いざマラソンのスタート地点に立つと
参加するだけではダメだ!
完走したい!やってせるぜ!
という情熱的な気持ちになり
眠っていたサムライ魂に火がついてしまった

そしてスタート10秒前の
カウントダウンの掛け声が始まり
ゼロの合図と共に
ピストルの空砲が青空に響き渡った

✳︎

沿道から「頑張れ!あと21キロだぞ!」
というお決まりであろう《声援ボケ》は
空砲のようにランナー達にスルーされていた

1km毎に音声でタイムを知らせてくれる
便利なスマホのアプリを使い
1km8分のペースで走ろうと決めてました
そのペースで走ると制限時間3時間の
ハーフマラソンを2時間48分で走れるからです

しかし、緊張感や皆んなのハイペースな
スタートダッシュにつられてしまい
初の1kmは7分のハイペースの興奮状態だった

このペースでは絶対に完走できないと思い
皆んなの集団から離れペースを落として
自分自身と向き合って走ることに集中した

今回参加したマラソンコースは
5kmを4周するコースでした
そしてスタート地点と2.5km地点で
給水ポイントがありました

給水ポイントには水とスポーツドリンクと
カットした裸のバナナが置いてありました
(衛生的にバナナには拒否反応を感じた)

そして、ようやく一周した5km地点に到達
体力は半分くらいしか残っていなかった
普段の練習不足と最初のハイペースが
効いたみたいで完走は難しいと思ってしまった

✳︎

今回参加したマラソン大会には
フルマラソンの本気の人も多くいたので
周回遅れで何度も何度も追い抜かされた

とても頑張って走っていても
とてつもないスピードで抜かれていき
何だか自分が無力で情けなく思えてきた

何の能力もなく社会や他人と
上手く関わり合う事のできない
自分の人生のように思えてきてしまった

そんな事をしみじみと感じ走っていたら
絶対にわざとだと思いますが
後ろからドン!とランナーにぶつかられた

もちろん自分はマナーとして
道のいちばん端を走っていましたが
そのゆっくり走る背中を目掛けて
ズドン!とぶつかってきたのだ

一瞬、何が起きたのか訳が分からなかった
そして次第に腹が立ってきた
あきらかに悪意のあるぶつかり方だったので
めちゃくちゃ腹が立ってしまった

しかし、そのランナーに追いつける訳でもなく
ただただ遠い目で諦めるしかなかった

そいつに腹を立てていても
自分の目標達成は1ミリも変わらない
いま自分がやるべき事は
自分のペースで進むだけだと強引に言い聞かせ
この怒りのエネルギーをガソリンに変えて
全力で集中して走ることにした

✳︎

ようやく10km走ったところで
「あと半分!頑張れ!」という声援が聞こえた
『えっ?あと半分もあるの?』と
その声援を聞き絶望的な気分になり
とても気が遠くなってしまった
(この時がいちばん精神的に辛かったです)

10kmを過ぎると体内である変化が生まれた
それは「空腹感」でした

腹減った。腹減った。腹減った。
腹減った。腹減った。腹減った。
脳内では、この言葉がずっとループしていた

そして、あれだけ衛生面が気になっていた
給水ポイントに置かれていた
むき出しのバナナを口に入れると
全身に衝撃が走る美味しさに
驚いて驚いて驚いてしまい
まるで原始人のようにバナナを
頬張って食べる自分自身がいた

『バナナ!うんめー!!!!』
その後はどんなに走ってても頭の中は

バナナ。バナナ。バナナ。バナナ。バナナ。
バナナ。バナナ。バナナ。バナナ。バナナ。
バナナ。バナナ。バナナ。バナナ。バナナ。

ずっとバナナの事しか考えられなかった
それだけ野生的にバナナに飢えてしまった

その後はバナナポイントに到着すると
汚い手で掴めるだけバナナを掴み
飲み込むようにしてバナナを胃袋へ入れた

もしも係の人にバナナを取り上げられたら
たぶん襲いかかってしまうだろうという
危険性がその時の自分にはあったと思う

《結論》
人間は極限まで疲労感に達すると
原始人になり、そしてサルに戻っていきます

✳︎

そして、ようやく15kmが過ぎ
少しだけゴールの光が見えてきた
希望という概念は人間に生きる活力を
与えてくれるもとだと感じられパワーが湧いた

今回のハーフマラソンを走る上で
一つだけ決めていた事がありました
それは“絶対に止まらない“という事でした

どんなにゆっくりでもいいから
どんなに歩いてでもいいから
止まらず前に進み続ける》という
自分ルールを決めて走りました

一歩一歩、踏み出して進めば
必ずゴールに辿り着く
そう自分に言い聞かせ着実に前進した

✳︎

そして20km達成の通知の音声が
イヤホンから流れてきた
しばらく無心で走っていたので
20kmという数字が飛び込んできた事が
いまいち信じられなかった

その時はヒザの痛みはピークとなり
股関節まで痛くなってしまった
ラスト1kmは走る事ができなくなってしまい
歩いてゴールを目指しかできなかった

そして大きなカーブを曲がり
ゴール地点が目の前に現れた
人集りができたゴール地点は
とてもキラキラと輝いて見えた

そして足を引きずりながら
ブサイクな姿でゴールテープ切った
完走
21.0975kmを走りきった

ボロボロでブサイクな姿の完走は
なんだか自分らしく感じてしまい
とても誇らしい気分になれた

できた。最高だ。挑戦して良かった。
綺麗な青空だ。世界は素晴らしい。
ありがとう。ありがとう。ありがとう。

完走してみると脳内では
ポジティブな言葉や感謝の気持ちで溢れた

✳︎

マラソン大会という環境がなかったら
絶対に完走できなかったと思う

同じように走るランナーがいなかったら
絶対に完走できなかったと思う

途中で声援をくれる人がいなかったら
絶対に完走できなかったと思う

それだけ環境や人のチカラは偉大で
挑戦という行為には必要不可能だと
あらためて感じることができました

そしてこのブログを読んでくれてる人が
存在しているというパワーもあり
なんとか完走できました
皆さんありがとうございました





それではまたCiao!

コメント一覧

ken
@yozanema-126 素敵言葉ありがとうございます♪
約3時間も走ってると色々なことを考えたり色々な出来事に遭遇するものですね
全てとは思いませんが多くの事柄は、自分次第で乗り越えられるのかなと感じられました。
挑戦は学べることが沢山ありますね!充実したハーフマラソンでした❤︎
yozanema-126
こんばんは。
ドキドキしながら記事を拝読しました。
挑戦する前向きな気持ち、そのための準備、実際の痛み、迷い、
参加の意志、ぶつかる試練、
折れそうな心、気持ちの変化、負けない心、やりとげる気持ちと力、、、、
とても感動しました。
感動をありがとうございます!
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