-アラジンストーブ メンテナンスと販売- 暮しの道具とストーヴ『KEM-G』

芯上下式石油ストーブのメンテナンスと在庫ストーブのご紹介などなど
(石油機器技術管理士の資格を取得しています)

#0143 ハーベストカラーのパーフェクション 手に入れました の巻

2018年12月23日 | 日記
以前にお客様からメンテナンスでお預かりしたことのある、

ハーベストカラーのパーフェクション。


あの色を「ハーベスト」と名付けたセンスに感心。

そして、いつかは手に入れたいなぁ と密かに思っていました。



そのハーベストカラーのパーフェクションをとうとう手に入れました。


チムニーは全てホーローのタイプ。

とも箱もついて、クラッシックカーならば、コンクールコンディション。




埃はかぶっていたので、分解クリーニングは済ませました。



しみじみと見とれてしまう綺麗さです。


昨日の浦和の骨董市に初めて連れて行きましたが、

やはり目立つようで、多くのお客様が関心を持たれましたね。


もちろん、販売するために仕入れましたが、

いや、これは手元に置いておきたくなるなぁ。


でも、そういうストーブに限って、嫁入りが早いんだよな。

残念だけど。





さて、#16の「注意書きプレート」についてコメントいただいた布施さん。

お待たせしました。


#16の物はなかったのですが、#15の物ならばありました。




お気に召しましたら取り外しますが、いかがでしょうか?








#0142 Coffee Tangoさんの不思議なストーブ の巻

2018年12月19日 | 日記
我が家のカミさんと息子が大ファンの、

埼玉・入間市花ノ木で自家焙煎珈琲を販売している「Coffee Tango」さん。

このタンゴさんから不思議なストーブのメンテナンスを承りました。



国産のストーブのようですが、見たことがない。

チムニーには Golden Light と赤い文字。

漢字の「光」をデザインしたと思しきロゴマークも。





昔々の暮しの手帖を引っ張り出してきて、

ストーブ比較の特集記事には出ているだろうと探しましたが、

出ていない。


「ストーブ」、「Golden Light」で検索しても出てこない。

お手上げです。


正体不明の国産らしきストーブのメンテナンスが始まりました。



このストーブ、面白い特徴がありました。



古い国産のストーブは、ストーブとしての心臓部は

アラジンかパーフェクションのどちらかを真似て

設計されていることが多いのですが、

この Golden Light は、アラジンとパーフェクションの両方を真似してるんです。



詳しく言うと、

芯を上下させる機構はアラジン#15の真似。

燃焼のさせ方はパーフェクションの真似。

なんで、どちらかにしなかったのでしょう?


芯を上下させる機構はシーソー式でアラジンと同じですが、

芯をシーソーに取り付ける方法は、アラジンとはちょっと違います。




芯と金属の輪っかを少し長めのボルトとナットで固定して、

長く出っ張ったボルトをシーソーの片側に引っ掛ける方式。

シーソーの片側との接合の写真は後ほど。


次に、燃焼のさせ方はパーフェクションについてですが、

パーツの設計はパーフェクションと全く同じ。

つまり、これです。


設計を真似しているので、芯の直径もほぼ同じ。

だから、ニッセンの芯が流用できます。

もし直径が違っていたら、このストーブをもう一度使うことはできないところでした。


ここまで分かれば、あとは作業のみ。


ニッセンの芯に、先程の輪っかを取り付け、



シーソーの片側に取り付けて、



準備完了です。


部品を全てクリーニングし、再び組み上げて、さて着火です。





燃焼のさせ方はパーフェクションの真似なので、炎の色はオレンジ。





パンチングメタルの奥で燃える炎が、いい感じです。



でも、このストーブはパーフェクションの親戚なので、

芯をちょっとでも出し過ぎると、煤がモクモク。

使い方には気を使う、気難し屋さんのストーブです。




さて、タンゴさん。

随分と寒くなってきました。

ストーブの調子はいかがですか?









#0141 大阪のK様、ご相談です の巻

2018年12月15日 | 日記
今回はメンテナンスでお預かりした、アラジン#38のオーナー様とのご相談の巻です。

恐らく同じ症状でお悩みの方も多いと思い、プライバシーに注意しながら、

私からのご相談を公開します。



お預かりした#38はとても状態がよく、大事にお使いになっていることが、

伝わってきます。


いつも通りに分解して、パーツクリーニングを済ませました。





さて、組み上げていこうとしたところ、問題発生です。


ツマミにヒビが入っています。


また、芯を上下させる軸の切り欠きに対応する部分も摩耗しています。


軸の切り欠きとは、これです。


ツマミが空回りしないよう、この切り欠きで固定されるようになっています。


ちなみに、現行のシリーズ#39のツマミには摩耗対策の金属片が
埋め込まれ、改良されてます。




さて、ここからがご相談です。



お預かりした#38のツマミは切り欠きで引っかかりがない上に、

少し力がかかるとヒビ割れ部分が広がって、さらに空回りの原因になっています。



そこで解決策を2つご提案です。



同じ症状だったツマミを使えるように修理したリサイクル物を使う方法と、

シリーズ#39のツマミを流用する方法の2つです。

シリーズ#38の同色のツマミの在庫があれば良かったのですが、

残念ながら、今はありません。



リサイクル物の内側の写真です。


これを装着した状態がこちら。




シリーズ#39のツマミを装着した状態がこちらです。





シリーズ#39のツマミを装着した場合、見た目にはキッチリと収まっているように

見えるのですが、クラッチハンドル(赤の三角がいくつも書いてある部品)との隙間が

ほとんど無くなります。


この影響は、芯の高さを微調整したいときに出てきます。

微調整したい時には、ツマミを一旦外さないと操作できません。



芯の微調整はそれほど頻繁に行うことではありませんので、

気にならない方にとっては全く問題ナシですが、

ツマミを外すことに煩わしさを感じる場合は、#39のツマミはおススメできません。



このツマミの問題を除いては何も問題は無く、クリーニングも完了していますので、

どちらの方法がよろしいかをご判断いただければ、直ぐに仕上げます。


ご不明な点がありましたら、どうぞご遠慮なくお電話ください。


ご連絡お待ちいたしております。