-アラジンストーブ メンテナンスと販売- 暮しの道具とストーヴ『KEM-G』

芯上下式石油ストーブのメンテナンスと在庫ストーブのご紹介などなど
(石油機器技術管理士の資格を取得しています)

#0168 シリーズ16のメンテナンス Before & After の巻

2023年01月26日 | 日記
久しぶりにメンテナンス前後をご紹介する写真たくさん記事です。

昨年末に少々、薄汚れたシリーズ16を入手しました。

どんな状態かをご紹介すると、




遠目ではあまりヒドイところは無さそうです。








各部分にも決定的なダメージはありません。
肝心な心臓部はどうでしょうか?





こちらも年式相応の汚れ方で、どうやら大丈夫そうです。

なんだか楽なメンテナンスになりそうだなと、
気を緩めた途端、強烈に芯が固着していることが判明。


芯固着は軽症から重症までいろんな状態がありますが、
このアラジンはかなりの重症で、軽症時の対応をしても
ウンともスンとも動きません。

格闘すること約2時間。


ようやく外れました。

固着の理由にはいくつかの原因がありますが、
今回の固着の原因がコレ。



灯油が変質してネバネバ、ドロドロになってからも
さらに放置していたために、灯油が接着剤のようになってしまい
タンク本体とガッチリくっ付いていました。

グルっと一周全てがタンクとくっ付いているので、
一部分が剥がせても、まだくっ付いている所が邪魔をして
なかなか外せないというイヤな症状でした。


とはいえ、これでなんとか全て分解できましたので、
ようやく洗浄工程に入っていきます。

いつも写真を撮り忘れてしまう、タンク本体の洗浄前後は
こんな感じです。





「ひとっ風呂浴びてサッパリしたよ」と言っているように
聞こえたような、聞こえないような。

さてさて、どんどん洗って磨いて、最終工程まで一気に仕上げます。






いつもピカピカにしないと気が済まない燃焼系周りも
いい感じになってます。







各部分の仕上がりも、納得のレベルに。

さて、全景です。




芯固着以外は大きなダメージも無く、
お陰様で綺麗に仕上げることができました。

これでまた一台、ストーブとして復活しました。
このアラジンはどちらのお宅で活躍するのでしょうか。



お宅の物置きのずっと奥の方に、仕舞い込んだままになっている
アラジンを、「もう一度使ってみたい」とお考えの方、
是非、KEM-Gにご相談ください。

丁寧に分解、洗浄して、磨き上げて、もう一度使える状態に
復活させます。

メールは、stovekemg@gmail.com
電話は、090-9380-0821
お問い合わせ、お待ちいたしております。





#0167 お陰様で手がけたストーブが300台を超えましたの巻

2022年12月08日 | 日記

コツコツと手がけてきたストーブのメンテナンス。

お陰様で手がけたストーブの台数が300台を超えました。


始めた頃は、いろんな症状に戸惑い、解決策に悩み、

苦戦したこともたくさん。


既製品の工具では上手く処置できない時などは、

工具を自作して対応しました。

今でもその工具は使い続けていて、もう手放せません。



300台を超えたことをキッカケに、

以前から考えていたことの実現に向けて準備を始めました。


それは、ストーブに取り付ける「KEM-G」の銘板。

私が責任を持ってメンテナンスしたストーブであることを

証する印です。




金属プレートは用意できましたので、今は刻印の手配中。


手がけたストーブの目立たない所に、このプレートを取り付けて

お客様にお返しできる日ももうすぐ。


既にお手元にお返ししたストーブ達のプレートはどうしようかと

考えているところです。



これからもたくさんのストーブを復活させ、喜んでもらえるよう

まだまだ頑張っていくことにしましょうか。


年内にお手元にお返しする約束のストーブが5台。

今日も分解、洗浄、磨きの作業に勤しみます。








ここまでやってこられたことに感謝

#0166 アラジンの原点#IRのフルメンテナンスの巻

2022年11月30日 | 日記
横浜にお住まいのM様から、IRのメンテナンスを承りました。





IRはアラジンの原点となるストーブで、歴史はここから始まっています。

芯の固着や汚れはあるものの、タンク、チムニー、フレームともに状態は良好で

とても70年以上経っているストーブには見えません。





ただし、外観の見た目の良さでは分からない、IRや#15の致命傷があるかどうかが心配。


以前にご紹介した、タンクから垂直に芯を上下させるツマミが出ているタイプの

機構をもう一度ご紹介すると、



コレは壊れた#15から取り出した芯を上下させる部品です。

左上のツマミ部分以外はタンクの中に隠れてしまっているので普段は見えません。

次に挙げるもう一枚と比べてください。



ツマミの下の方に「ネジ」のようなものが出てきているのが分かります。

ツマミ直下の円筒形の部分の中にネジが切ってあり、ツマミを回すことで

ネジが出たり入ったりして、その動きをシーソーの原理を使って芯を

上げ下げさせるのが、このタイプのアラジンの特徴。


先ほど「致命傷」と言ったのは、ネジ山が摩耗していることが原因で

ツマミを回していると、持ち上げてきたネジ棒がストンと落ちてしまう

ことがあるんです。


この部品はタンクの中に隠れており、普段は見ることも手を入れることも

できないので、もしこの症状があった場合は残念ながら直せません。


ただ、新兵器を使って見ることはできるようになりました。



スネークカメラです。

給油口からカメラレンズになっている先端を差し込み、

タンク内のネジ棒部品のある所まで送り込んでいくと見られるんです。

カメラにはメモリーカードが付いているので、写真も撮ったのですが、

撮影した写真をこのブログに載せる方法が分からず、今回は諦め。


このスネークカメラで確認したところ、ネジ山はしっかりとしており、

まだまだ十分に使用できることが確認できました。


さて、一番の心配事が解決できましたので、あとはいつも通りに

磨いていきます。


タンクの裏には、こんなスタンプが。



Made in Englandじゃなくて、「GREAT BRITAIN」

GREAT BRITAINという言い方はいつまでされていたのかを

調べてみたくなりました。




この時代のアラジンは、上部リングという部品までキチンとホーロー処理

されていて丁寧なモノづくりだったことが偲ばれます。


マイカを交換し、燃焼系回しの部品を磨き上げて完成。

窓枠のネジは可能な限りオリジナルのマイナスネジを使うことにこだわります。



また一台、眠っていた往年の名機を復活させることができました。




なんとか年内の仕上げに間に合いました。

Mさん、IRと過ごす暖かい冬をお楽しみください!













#0165 変わり種ストーブ2種の巻

2022年11月03日 | 日記
お馴染みのスタイルのストーブの他に、ちょっと変わった形のストーブが

2台あります。  

今回はそのストーブをご紹介しましょう。


まず最初は、あのアラジンなのですが、形が全く違うアラジン。


四角いんです。高さは68cm。

写真では直方体のように写っていますが、実物はかすかに台型です。

中はこんな感じ。



燃焼系部品の大きさは、いつものアラジンの約半分ぐらいでしようか。



芯の直径も45ミリで、いつものアラジンの74ミリと比べると、

かなり細くて小さい感じです。



タンクのサイズは22cm×17cm×高さ7cm程度なので、

容量は2.5ℓぐらいでしょうか。

芯が細い分、炎も小さいので、直ぐにタンクが空になることは無いでしょうが

それにしても随分とコンパクトなアラジン。

パッと見ただけでは、ストーブとは分かりません。



さて、続いては、こちらもストーブらしからぬデザイン。



イギリスのVALORというメーカーのストーブ。高さは63cm。

このストーブを陳列していると、「コレはなんですか?」とよく聞かれます。

先ほどのアラジンもそうですが、このVALORもおよそストーブらしくない。

中はこんな感じです。




こちらのタンクもコンパクト。



芯も細いタイプのものを使用します。



昭和の時代に「バックシャン」という言葉がありましたが、

このVALORは、私に言わせれば「英国生まれのバックシャン」

上に行くほどすぼんでいく三角錐デザイン。

とてもスッキリしてます。



正面左下には、擦れて塗装が剥げてしまった部分がありますが、

それ以外は大きなダメージはありません。



元々貼ってあったステッカーはすっかり文字が読めなくなってしまっていますが、

それもこのストーブが経てきた年月を思い起こさせます。


底板が入っている梱包段ボールはヨレヨレですが頑張ってます。




芯はこの箱に入っているモノを使います。

手に入りにくくなってきてはいますが、まだなんとか手に入ります。


今回ご紹介した2台のストーブ。

奇抜なデザインで、ストーブらしからぬところが魅力的。


いずれ嫁入りするこれらのストーブ。

いったいどんな空間で活躍するのか、とても楽しみです。


どうにも気になる方、お問い合わせをお待ちしております。










#0164 メンテナンスお預かり時の“代ストーブ“ありますの巻

2022年10月11日 | 日記
秋になりました。
我が家はもうアラジンに火をつけてます。

秋は一年のうちで一番メンテナンスのご依頼が多い時期です。

当初、この仕事を始めた頃は、メンテナンスは春から夏の
ご依頼が多いだろうと考えてました。
ところが実際に始めてみると、意外にも秋が一番多いんです。

春が来て、ストーブを使わなくなって、
直ぐにお掃除しなきゃと思いつつ、
急がなくてもいいかと仕舞い込んでしまった結果、
気がついたら秋風が吹いてきて、
うぅ寒いとストーブを出してきてみたら、
あれまぁ汚れたまんまだ。

とまぁ、皆さんこんな感じなんでしょうか。

というわけで、この時期はご依頼が多いのですが、
既に気温はどんどん下がってきていますので、
ストーブを預けてしまうと他に暖房器具が無い!
寒い!という方もいらっしゃることでしょう。

そんな方のために、「代ストーブ」をご用意しました。

クルマを車検に出した時に、ほんの数日の間お世話になる
あの「台車」のストーブ版です。

代ストーブをお送りする宅急便代などはご負担いただくことに
なりますが、寒い思いはしなくても済むようにしました。

台数に限りはありますが、数台のご用意はありますので
詳しくはメンテナンスご依頼時にお尋ねください。


さて、現在のメンテナンス作業料金表です。




年内仕上げがご希望の方も、
まだ少し余裕はありますので、
「しまった!汚れたままだ。」という方、
どうぞご検討ください。