4月19日(金)曇
1960年の4月19日は韓国の学生革命が最高潮に達した日です。大統領選挙の不正に抗議するデモがやがて李承晩大統領を退陣に追い込み長く続いた独裁政治を終結させたのです。
先日Facebookで石丸次郎さんの短い文章を読みました。
Jiro Ishimaru
木曜日.スーチーさんの京都講演要旨。「ビルマでは半世紀に及ぶ軍事政権支配で独裁的な考え方が形成されたが、民主国家になるにはそうした思考法を変える必要がある。それを早くできるのは女性だ。女性は男性ほど軍事政権の影響を受けていない」。北朝鮮にも繋がる。独裁による思考や心の歪はあまりに深い。
スーチーさんの講演内容は詳しくはわかりませんが「独裁による思考や心の歪み」を是正する困難が指摘されていることに共感しました。
北朝鮮の場合は半世紀などという代物ではありません。李朝・日帝時代・ソ連時代・金王朝と「独裁政治」は連綿と続いており、人びとに「民主国家」の体験がありません。
国を固く閉ざした歴史が長いので民主主義の思想に触れることができた人もほとんどいないと思われます。儒教・天皇制イデオロギー・スターリン主義・金日成主義と人民を「奴隷」の地位におしとどめ、体制への忠誠心を煽り立てるイデオロギー教育が幅を利かせました。
北朝鮮の内側から独裁に立ち向かうのはほとんど不可能といわれるのは「思考や心の歪み」の深刻さからも理解できることです。
文字を持ち学問がある人ほど体制の思想を身に着ける運命にあり、「思想や心の歪み」が顕著になります。女性差別のゆえに学問から縁が遠く、体制の思想に毒される程度が低い女性に民主主義思想への変革の可能性が高いというスーチーさんの見立ては、当たっているかもしれません。
北朝鮮にもそうした指摘が当てはまるのでしょうか。
先日、脱北してきた女性の話を聞く機会がありました。
「朝鮮学校の女教員と話してびっくりしました」「日本で生まれて日本で育ったのに言っていることが北朝鮮の教員とまったく変わらないのです」「一体どういうことでしょう」
幼稚園から朝鮮大学校まで優等生で過ごしたら日本に生まれ育ってもきちんと体制の思想を身につけた金王朝の忠臣に錬成されるのでしょう、か。
僕はもう20年近く朝鮮学校の教員と話をしたこともないのでちょっと実態がわかりません。面従腹背で日々を送っている人も少なくないのではと思ったりするのです。罪の深さには変わりありませんが…。
それにしてもと思います。
金王朝の独裁は李承晩や朴正煕のそれと比較することができない徹底したものです。平時に300万人もの餓死者を出しても王朝を守るための核武装に狂奔する始末です。
どうしたら独裁を終わらせることができるか、在日コリアンも日本人も徹底した議論と行動を起こさなければなりません。70年代から80年代にかけて「韓国民主化」に青春をかけた人々はどこに行ってしまったのでしょう。
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