kebaneco日記

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空海展を観に 二日目

2024年06月11日 | 携帯から(旅先からも)
ホテルをチェックアウトして、JR奈良駅の1階にある奈良の野菜を使った料理を出すお店で朝食セット。奈良に泊まった時はここで朝食、が決まりのようになっている。今回も美味しくいただいた。
 
 
9時に西口予約タクシー乗り場で待ち合わせをして、大和四寺をめぐる観光タクシーに。阿倍野文殊院、長谷寺、室生寺、岡寺の四寺を回るコースなのだけど、運転手さん曰く「かなり忙しいルートです、門の前で写真を撮って終わりでいいなら行けますけど」。マジか、それはいやじゃ〜、でも帰りの新幹線が決まってるのであまり延長はできない。「このお寺は諦めてもいい、っていうのはありますか?」と聞かれて、岡寺をギブアップ。バスが通れないような山道を行って少しでも早く着くようにします、行けなくなったお寺さんの代わりに、途中にいくつか見所をご案内します、といろんな提案をいただいて、もうお任せすることにした。
 
 
まずは室生寺を目指す。その途中で2箇所ほど立ち寄る。最初に行ったのが、室生寺の西の大門に位置する、宇陀川沿いに立つ大野寺、最初の写真。対岸の切り立った岩肌に弥勒磨崖仏が彫られている。本堂には、無実の娘を火炙りの刑から救ったという、重要文化財の地蔵菩薩立像「身代わり地蔵」が安置されている。本堂は、小さな事務所に連絡をして、上り口の結界を外してもらう。この日ドライバーさんから何度も言われた言葉は「地蔵菩薩は閻魔様の世を偲ぶ仮の姿、いろんな場所にお地蔵さんは置いてありますからね、いつも見られてますよ〜」。もう手遅れです〜と返しそうになる自分を何度思いとどまらせたことか(笑)。
 
 
その次にパワースポットとされる吉祥龍穴。比較的大きな道路沿いにある室生龍穴神社の奥宮は神社から山に向かい、天岩戸を通り過ぎると鳥居が現れる。そこから105段の階段を下って遥拝所へ。靴を脱いでお参りするその先に龍の穴とされる洞窟が。右手には一枚岩の巨岩と滝。ドライバーさんの説明だと龍とは水のことで、その巨岩が顔、そこから正面の壁が背骨、下流方向は尻尾、とうねっているとのこと。
 
 
いきなり100段もの階段を下ったので何が何だかわかんなくなっちゃったのと、なんとなく写真を撮っちゃいけないような気配だったこともあり、写真はない。室生寺との歴史的関係は、病魔に冒された山部親王の病気平癒の祈願をこの龍穴で行い、無事病を克服して天皇となった桓武天皇が作らせたのが室生寺、室生寺は奈良から平安時代にかけて雨乞いの神事が頻繁に行われた龍穴を守る、神宮寺として開かれたともいう。
 
 
 

室生寺に到着




女人高野、水の神がおいでの雨乞いの聖地にふさわしいのか小雨


 
青紅葉が息を呑むほど美しい
 
 
 
雨に濡れる五重塔
 



途中賽の河原で折り返したけど、階段はまだ続く
 
 
小雨だったせいもあり、参拝者も少なく静けさの中お参りができた。学生時代に一度来たことがあるはずなんだけど、ぼんやりと覚えているだけの景色、寺社仏閣を記憶に刻むにはある程度の年齢になってないとダメなのかも、と忘れてたことの言い訳(笑)。
 
 
では長谷寺へ向かいましょう、とお寺の縁起などを車中で聞きながら移動したのだけど、近づくと反対車線には大きな通りを長谷寺に向かう角を曲がるのを待つすごい車の列。ドライバーさんが「これは駐車場待ちの車ですね、ここまで並んでるのは見たことがありません。紫陽花が見頃、とかテレビでやったんでしょうかね」とおっしゃる。曲がり角を通り過ぎてからも延々待ち行列が続くので「駐車場に入るまでで1時間以上かかりますよ、どうしますか?」。うっかり列に加わると抜けられなくなる、途中で諦めるというより今判断して次の手を考えてもらおうと「じゃあ、長谷寺は次回来た時にします」と通り過ぎてもらった。
 
 
では、と阿倍野文殊院を目指す。ここの渡海文殊群像は絶対に見たかったのでね。境内には、西古墳という飛鳥時代の古墳がある。石舞台古墳、キトラ古墳、高松塚古墳などと同じ特別史跡の指定を受けている。花崗岩を加工した石組みは、中に入れる。
 
 
 
阿倍倉梯麻呂の墓と伝えられる
 
 
 
 
ここでは、安倍晴明が天体観測をした場所と安倍晴明の母を祀った稲荷神社はお参りしたものの、金閣浮御堂はスキップして本堂へ。私たちが入ったタイミングで読経が始まった。明治維新の神仏分離で談山神社となった多武峯妙楽寺にあった釈迦三尊像を引き取るなど、いくつかの他のお寺の仏像が安置してあった。そんななかでも渡海文殊群像は圧巻。獅子に乗った文殊菩薩を中心に、向かって右手に獅子の手綱を持つ優填王(うでんのう)像と駆け出そうとする善財童子(ぜんざいどうじ)像、左手に須菩提(すぼだい)像、と維摩居(ゆいまこじ)士像と並ぶ。文殊様のお顔にスポットライトが当たっているような雰囲気に、しばしドライバーさんも含めて三人でボ〜ッと過ごす。お経が聞こえる中、あたしたちだけで群像を独占。
 
 
みんな長谷寺に行っちゃったんですね〜、まだ並んでるかな〜、などと軽口を叩きながら車に戻った。その先のことについてドライバーさんから、もしもまだ柿の葉寿司を食べたことがないなら、近鉄奈良駅側の平宗で購入して移動の車の中で食べて、浄瑠璃寺へ案内したいのだがどうか?と提案を受けた。「そうしましょう」と即決(笑)。天理を通り過ぎて奈良市内へ向かう。
 
 
 
途中、卑弥呼の墓と言われる箸墓古墳を車窓から眺めた
 
 
平宗で柿の葉寿司を買い、車内で食べながら「そういえば奈良で柿の葉寿司を食べるのは初めてだね」というような会話をして、ドライバーさんから浄瑠璃寺の正しいお参りの仕方を伺っているうちに、あっという間に到着。浄瑠璃寺は九体寺ともよばれる、創建当時からの9体の阿弥陀仏が安置されている。ドライバーさん曰く、正しいお参りをすれば必ず浄土にいけるそうですよ。
 
 

入り口はとても小さいのだけど




入ってすぐ目の前に開けるお庭の素晴らしさに目を奪われる。極楽浄土を表した庭園、あの世にいってこんなところで毎日過ごせたら楽しいだろうな〜。お参りがかなってあの世に行けたら、ここでどうやって過ごそっかな〜、などと取らぬ狸の皮算用。ちなみに、これは、三重塔のお参りを済ませて本堂までぐるりとお庭を回ってきた時に撮ったもの。
 
 
本堂付近には猫がたくさんいて、本堂の入り口のドアに「猫が入りますから閉めてください」と張り紙。でも賑やかに走り回る猫たち、お寺の人も全く気にする様子もなく、のんびりしていい。

 
その、ドライバーさんのいう「正しいお参り」とはこんな感じ。まずは三重塔にお参りする。前で、祀られている薬師如来に「人間としてこの世に送り出してくださってありがとうございます」とお礼をし、そこから振り向いて池の向こうの本堂の阿弥陀如来の皆さんに向かって「ありがとうございます」とお参りするのだそうだ。これでオッケーなんだそうだ。ただ、「死んでみないとこれが正しい買ったかどうかはわからないのが難点ですわ」。確かに・・・。
 
 
本堂では、まず真ん中にある阿弥陀如来中尊像の前に座ってお参りをする。正面に座ってお顔を見上げて目を見ると、瞬きをしたり目玉が動いたりするように感じますよ、と言われて見上げると、あたしには寄り目にしてあたしを笑わせようとしているように見えた。それを話したら、ドライバーさんは「んなことあるかいな」的対応、そっか、やっぱり違ったか・・・。
 
 
そして周囲の阿弥陀如来像のお顔を見て回って、このお顔だ!と思う像の前に座って目を合わせてみてください、何かが起こるかもしれません、と言われた。偶然あたしは主人と同じ像を「これだ!」と思ったけど、主人は前に立った瞬間に「よく来たね」とにっこりとされたという。あたしはそこまで歓迎された感じはなかった、この差はなんだろう(苦笑)。というような話をしながらお寺を後にして、 奈良駅に向かい、京都駅で夕食を済ませてから新幹線に乗った。
 
 
奈良のお寺の仏像、まだまだ拝見したいものがたくさんあるなぁ〜、次はいつにしよっかなぁ〜と思った大和路であった。また仕事して、またお出かけしなきゃ。

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