土曜日の仕事のテーマは台頭する中国と東アジア諸国への影響。おもしろかったのは比較的高齢の日本人の専門家が「ともにナレッジ経済を作らねば」といったスローガン的な話に終始しているのとは対照的に、海外の専門家や若手の日本人の専門家が計量経済学や統計の手法を用いて中国の貿易パターンを分解し、一般的に言われていることと現状にかなりの乖離があることを指摘していた点。
いわく、中国の輸出品目が高度化していることをとらえて中国の脅威を説くのは誤解、と。中国の輸入品目と輸出品目を分析すると、近隣の東アジア諸国からパーツやコンポーネントを輸入し、中国国内の豊富で安価な労働力を使って組み立てし、それを輸出しているとわかる。しかもそういった財の流れの主体は外資系企業である。よってMade in ChinaとMade in Japanは内容がまったく違うのだと。
Made in Chinaは外国企業が作ったパーツを国内で外資系企業が組み立てているので、中国の付加価値貢献部分(=帰属する利益)というのは労賃と地代くらいでしかない。一方Made in Japanはその部品の開発段階から全ての工程にわたって日本の付加価値貢献部分なので、その利益のほとんどが日本に帰属する。なので、表面的に中国の輸出品目がPCや半導体になったからといって、基幹部品を誰が作っているのか?をみないで「中国の工業化が進み、産業の高度化が起こっている」などと考えるのは激しく間違っている、というのだ。
だから、人民元切り上げを云々するのは意味がない。まったくおなじ品目を製造して競合関係にあるなら人民元切り上げを云々するのは正しいけど、そういう競合関係にあるのはたとえば繊維産業や衣類といったいわゆるローテク産業で日本国内では衰退産業と分類されるような産業である。安い人民元を使って中国で最終製品化して日本に再輸入するようなものを作っている企業は、元が切り上げされると利幅が薄くなるのでそれは望んでいない、しかもそういう企業のほうが高付加価値産業で日本が政策として守り育てていくべき産業ではないのか、というのが主張。
じゃぁ、守り育てるべき産業をどうやって日本にとどめるか?ある専門家の答えは「中国と自由貿易協定を結ぶことだ」。多くの人はそんなことしたら日本の産業が空洞化してしまうというけれど、そもそもそれは「中国の産業が日本のそれと同じレベルに達している」という仮定のもとの議論だから誤り。自由貿易圏ができて関税がなくなるわけだから純粋に生産コストを比較してメリットがあるものだけが中国で生産されるようになる。よって、高付加価値の企画や開発・デザイン・マーケティングといった部分だけを日本に残し労働集約的で付加価値の低い製造工程を中国dえ行うといったユニクロ型の生産移管や生産委託は行われるけれど、トータルとして日本で作ったほうが安くなるものは中国には出て行かない、と。
例えば、現状の超高関税率を回避するために中国に生産工場を移管しているハイテクのかたまりの自動車産業は、産業集積の度合いがはるかに進んでいる日本で車を作るほうが中国で最終組み立てをするより安いから、FTA後は日本で作るようになりその分の雇用が確保されるであろう、ということだった。
もちろん日本がたどったような経済発展と同じルートで中国が発展するのかどうかはわかんない、だって規模が大きすぎるし国内の格差だって日本のそれとは比較にならないから。でも、耳にする話全てが目からうろこ、な土曜日でした。今年最初の集中的知的エクササイズにkebaはぐったり、マロさんもくたくたぬいぐるみみたいになってます。
いわく、中国の輸出品目が高度化していることをとらえて中国の脅威を説くのは誤解、と。中国の輸入品目と輸出品目を分析すると、近隣の東アジア諸国からパーツやコンポーネントを輸入し、中国国内の豊富で安価な労働力を使って組み立てし、それを輸出しているとわかる。しかもそういった財の流れの主体は外資系企業である。よってMade in ChinaとMade in Japanは内容がまったく違うのだと。
Made in Chinaは外国企業が作ったパーツを国内で外資系企業が組み立てているので、中国の付加価値貢献部分(=帰属する利益)というのは労賃と地代くらいでしかない。一方Made in Japanはその部品の開発段階から全ての工程にわたって日本の付加価値貢献部分なので、その利益のほとんどが日本に帰属する。なので、表面的に中国の輸出品目がPCや半導体になったからといって、基幹部品を誰が作っているのか?をみないで「中国の工業化が進み、産業の高度化が起こっている」などと考えるのは激しく間違っている、というのだ。
だから、人民元切り上げを云々するのは意味がない。まったくおなじ品目を製造して競合関係にあるなら人民元切り上げを云々するのは正しいけど、そういう競合関係にあるのはたとえば繊維産業や衣類といったいわゆるローテク産業で日本国内では衰退産業と分類されるような産業である。安い人民元を使って中国で最終製品化して日本に再輸入するようなものを作っている企業は、元が切り上げされると利幅が薄くなるのでそれは望んでいない、しかもそういう企業のほうが高付加価値産業で日本が政策として守り育てていくべき産業ではないのか、というのが主張。
じゃぁ、守り育てるべき産業をどうやって日本にとどめるか?ある専門家の答えは「中国と自由貿易協定を結ぶことだ」。多くの人はそんなことしたら日本の産業が空洞化してしまうというけれど、そもそもそれは「中国の産業が日本のそれと同じレベルに達している」という仮定のもとの議論だから誤り。自由貿易圏ができて関税がなくなるわけだから純粋に生産コストを比較してメリットがあるものだけが中国で生産されるようになる。よって、高付加価値の企画や開発・デザイン・マーケティングといった部分だけを日本に残し労働集約的で付加価値の低い製造工程を中国dえ行うといったユニクロ型の生産移管や生産委託は行われるけれど、トータルとして日本で作ったほうが安くなるものは中国には出て行かない、と。
例えば、現状の超高関税率を回避するために中国に生産工場を移管しているハイテクのかたまりの自動車産業は、産業集積の度合いがはるかに進んでいる日本で車を作るほうが中国で最終組み立てをするより安いから、FTA後は日本で作るようになりその分の雇用が確保されるであろう、ということだった。
もちろん日本がたどったような経済発展と同じルートで中国が発展するのかどうかはわかんない、だって規模が大きすぎるし国内の格差だって日本のそれとは比較にならないから。でも、耳にする話全てが目からうろこ、な土曜日でした。今年最初の集中的知的エクササイズにkebaはぐったり、マロさんもくたくたぬいぐるみみたいになってます。
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