kebaneco日記

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職業倫理

2024年03月24日 | 仕事&いろんなお道具

それぞれの職業には、守るべきルールがある。文書化されていなかったとしても、その場に身を置くものとして守るべき倫理もある。

 

水原氏のような場合は、通訳としての技術を磨き職業倫理を守るだけではなく、自分が専属通訳として継続的に役務を提供する大谷選手の、所属チームやMLBのルールや倫理にも精通して、それらを遵守しなければならなかった。通訳だけではなく、身の回りの世話的なことも含めて役務の一環としていたなら、本人達以外からは一蓮托生とみなされるだろうから尚更だ。あたし個人としては、水原氏は単に日本語と英語が堪能なだけで「通訳」という仕事をしているだけで、「通訳者」としてのトレーニングはおろか、通訳としての仕事が何たるかも考えたことがないのではないかと疑っている。

 

そして、そういう関係にある通訳がいることを知っていながら、大谷選手のエージェントが水原氏に対して、大谷選手を守るために法令遵守を含めて様々なことが重要だときちんと説明していなかったら、それはエージェントの懈怠だと思う。また、大谷選手が仮に「賭博の借金の肩代わりを」と依頼されて支払ったとしたら(そうでないことを心から願っているけれど)、自分が何年も住んでいるカリフォルニア州、在籍しているMLBのルール、を知っていなかったということにもなる。日本語で書かれていなかったとしたら、エージェントに和訳してもらって説明を受ければよかっただけの話だ。何の言い訳にもならない。

 

アメリカの多くの州では賭博は合法化されている、が、カリフォルニア州では違法。合法賭博のオペレーターはAIなどを使って賭けをする人が多額の負債を負わないように掛け金を減額させるなどの手法を用いて、ギャンブル依存症や賭博で身持を崩さないようにしているし、そもそもお金を借りて賭博をさせることはできないことになっている。だから水原氏が「合法だと思っていた」というのはかなり疑わしく、大谷選手の関与に関しても前日と全く違う発言をしていることなどから、最初のインタビューの直後から弁護士が間に入って想定問答で練習している可能性も否定できず(水原氏本人は数日前のインタビューで弁護士はつけていない、これから考えると答えていたけれど)、黙っていることで疑惑は深まるだけ。大谷選手本人が状況を説明する以外に、すっきりと開幕を迎える手段はないと思われる。

 

アメリカでは「グラウンドで野球少年でいたいなら、グラウンドの外では大人であるべきだ」という論調もある。あたしも同感だ。自分に投資をしてくれている球団、リーグ、スポンサー、ファン、に対して、「グランドで活躍してその恩を返す」的発想は日本でしか通用しない。同様に「野球のことしか知らない」といういわゆる「野球バカ」というのも全くもって日本的発想で、一歩日本を出たらまさにバカだと思われるだけだ。だから、アメリカで今後も野球をしたいなら、そのアメリカ人が納得し「やっぱりOhtaniだね」と思われるやり方で、大人として社会人らしくきちんと説明責任を果たすべきだと思う。潔白ならなおのこと。そこで水原氏に対する情けは無用だ。そしてもしも知りながら払っていたとしたら、それをきちんと認めて出場停止でも何でもルールに則った罰を受ければいいことだ。スポンサーに違約金を払わねばならなくなってもそれは自業自得だ。ルールや職業倫理に違反することは、厳しい結果を伴う。それを曖昧に切り抜けようとすることのほうがダメージは大きいと思う、少なくとも本人が賭博に関わっていないのなら。

 

無知は言い訳にはならない。ルールに則って社会が成立しているのだから。そしてそのルールを知り守るのが大人としての義務であり、ルールに守られるのが大人の権利、なのだから。

 

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4 コメント

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スポーツ選手あるある (みどり)
2024-03-24 15:28:55
大谷選手の場合、額も巨額だし有名だからニュースにもなっています。
ただ新体操関係のXを読んでいると、スポーツ選手あるあるみたいな話でもあるみたい。
選手は純朴な良い人なんだけど一般社会常識や金銭リテラシーがまるでない。
それまでスポーツ一筋で生きてきている。
おまけに先輩後輩の関係は一生ついてくる。
だから騙されやすい。
先輩が連れてきたグレーな人物のグレーな話に乗ってしまったりする💦
大谷選手、何ともなければ良いのですけどね。
みどりさま (keba)
2024-03-24 15:38:43
芸能人だってお金や貴金属をマネージャーに持ち逃げされた、みたいな記事たまに見ますもんね。

でもやっぱり、何年も住んでるのにいつまでも通訳に頼る「野球一筋」人生がよくなかったと思います。
赤ん坊だって5歳にもなれば一端のこと喋れますよね。
通訳以外の部分を徐々に水原氏以外のその道のプロに頼み、通訳だけを水原氏に頼む、
それも野球選手として必要な部分だけに徐々に減らしていく、
そういう努力を怠った大谷選手に全く非がなかったか?

山本選手が英語を勉強しているし、選手にかなり早く馴染んでいるいう話を聞き、
山本選手は韓国での成績はあまり良くなかったかもだけど、人間としてバランスが取れている気がしました。
そういう身近な人から刺激を受けて変わってほしいし、
結婚したことで大谷選手が大人になってくれることを期待しています。
その期待は、賭博にどう関係していたかいなかったかに関わらず。
だってまだこの人半世紀以上人生あるんですもん。、
Unknown (wada67miho)
2024-03-24 17:45:00
keba さま

昨日はぬか喜びさせました。思ったより深刻そうですね。アメリカではマフィアが暗躍してますから、1000億円も稼ぐ選手は狙われますよね。奴らは悪知恵が働くから、水原を狙って大谷マネーの強奪を企んだんでしょうね。
まあ、これが教訓になって、不幸中の幸いになったらいいのですが。
米紙も大人になりなさい、と言ってますが、その通りですね。
僕もショックで1日、気分が悪い。
wada67mihoさま (keba)
2024-03-24 18:25:11
大谷選手がどれだけ知っていたか、関係していたか、によって結果は変わってくるでしょうけど、
日本で言うところの、暴力団に何億円もお金を貢いだ形ですからね、無傷ではいられないと思います。
プロなんだから、自分が野球少年でいたいと思ったら、その環境づくりにお金も時間も費やすべきだったと思います。
トレーニング関係も野球に全く関係ない分野も、それぞれの分野にプロを雇って周りを固めるべきだったと思います。
あれだけ稼いでいてお金に無頓着はむしろ犯罪を誘発しますからね、財務税務アドバイザーは真っ先に雇うべきだったでしょうね。

あれだけ広報戦略がスマートだったので、その道の敏腕アドバイザーをそれぞれの分野で雇っているとばかり思ってましたけどね。。。
とにかく、不幸中の幸いで色んな教訓を学んだという経験になることを心から願っています。

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