goo blog サービス終了のお知らせ 

そこはかとなくかきつくれば

日々のとりとめのない気付きを結晶に

安倍、というより中国

2012-09-27 | 日本の政治

9/26、号外で安倍晋三氏が自民党新総裁に選ばれたとの

ニュースが流れていた。

 

ネットは大賑わいである。

早速一部メディアが安倍氏に対してネガティブキャンペーンを行なっているらしい。

いくら次期政権の最有力候補といっても、

現時点では自民党は野党の一政党に過ぎない。

その総裁がこれだけ注目を集めるというのも

報道のバランスが些か狂っているように思われる。

 

まずは外交、経済で問題が山積みなのだ。

そちらが最重要である。

 

--------------------------

 

タイミングをかなり外しているが、中国のことについてまとめておく。

中国の反日デモはまだくすぶっている模様だが、

少なくともニュースのネタとしてはもはや使えないレベルになっているらしい。

邦人の目立った被害報告は結局無かった。

(報道されていないだけで、実際は色々あったのかもしれないが)

ただし、これは日本政府の尖閣諸島国有化という一過性の問題ではない

―本質は中国国内の経済問題である―

ことは間違いがなく、その意味では状況が好転するまでは

相当時間がかかるだろうと思われる。

中国はバブルが弾けてハードランディングまっただ中である。

(野村證券は必死に中国株を売りつけようとしているが)

バブルの最中に乱発した公共事業の質が劣悪だと、

当然ながらバブル崩壊後の価値の下落が著しくなる。

日本もバブル期はひどかったが、中国の質の悪さは比べ物にならないだろう。

バブルの真の問題は、出資に見合わない低品質の生産物の量産が起こることだ。

 

世界各国がバブルが弾けて経済運営に苦慮しているところを見ると、

日本のバブルの後処理は、今になって見ればまだましだったのである。

 

ともあれ、これが中国国内の内政問題である以上、

日本はどうすることもできないし、何かをする必要もない。

 

せいぜい注意するべきは尖閣諸島を巡って中国が

武力行動を起こさないよう見張ることだが、

パネッタ米国防長官が少し前に習近平と対談した際に釘を指して

中国側が途端に主張をトーンダウンしたところを見ると、

中国も現時点では日米に喧嘩を売れる状態ではないのだろう。

 

米国にとって尖閣諸島は、中国包囲網を形成する上では

破られることがあってはならない一角である。

その点では、日韓で係争地域となっている竹島と価値が段違いである。

その海底に埋蔵されている莫大な化石燃料を中国の手に渡すのも好ましくない。

(太平洋戦争は日本の燃料物資確保が

目的の一部として始まったことは周知の事実である。

逆に言うと、日本はABCD包囲網でそれだけ干されていた。

包囲対象国が燃料を自給できるかどうかは包囲網の成否に重要な意味を持つ)

 

--------------------

 

世界規模で経済状況が悪化している今、

紛争の可能性は以前より高まっているかも知れないが、

おそらくまだしばらくは平穏が続くだろう。

ただ、いざというときに備えて日本は指針を考えておく必要はあるだろう。

 

その点では今回、中国に関する報道を見ている限り、

大手マスコミは思考停止しているかのように見える。

 

 


小沢氏、無罪

2012-04-28 | 日本の政治

4月26日、陸山会事件(水谷建設献金事件)で告発されていた小沢一郎氏は無罪となった。

 

陸山会は小沢氏の政治資金管理団体。

2009年11月に政治収支報告へ虚偽記載をした疑いで

秘書3名が告発される。

土地購入の原資4億円を隠蔽する目的があったとして、

2011年6月に秘書3名に対しては執行猶予付き有罪判決が下る。

 

小沢氏はこうした事実を知っていたかどうかが分かれ目だったが、

結局証拠不十分となってしまった。

検察側の調書も取り調べ方法に問題があるとして大部分が却下となった模様。

田代政弘検事が検察審査会に虚偽の捜査報告書を提出していたとされる

(ちなみに、こうした検察側の大失態は当時マスコミはあまり報道していない)。

そもそも検察審査会という制度そのものが

「検察官の公訴権行使に民意を反映させる」という建前の下、

ブラックボックスとなっている点が多すぎる

(検察審査官は本当に「公平に」選ばれているのか?)。

 

結局のところ、小沢氏自身に対する嫌疑は全く晴れていないが、それでも

上述のような検察側の減点もあって有罪とするには至らなかった。

刑事訴訟はそういうエアポケットが存在する。

 

彼は、ギリギリのところでしっぽだけは掴ませない

したたかさがあると言ってもよい。

もっとも、このまま生き延びても次の国民の審判を仰いだときどうなるか。

 

----------------------

 

この件の前には、西松建設献金事件というのもあった。

小沢氏は献金を受けていた一人である。

(当たり前だが、献金が違法かどうかはその受け取り方による。

ここでも虚偽記載により小沢氏の公設第一秘書が告訴された。)

経緯を見ていると、周囲がどうにも血なまぐさい。

 

2009年、1月21日西松建設社長が逮捕された同日、

嶋田武司氏(西松建設の元専務)が十二指腸がんで死亡。

同年2月24日、参考人聴取を受けていた右近謙一氏

(長野県知事の元秘書)が屋外で首つり自殺。

同年3月1日、吉岡吉典氏(衆議院議員。小沢を告発)、ソウルで急死。

心筋梗塞とされる。遺体は現地で火葬。

同年3月3日、小沢氏の公設第一秘書の大久保隆規を逮捕。

一説には自殺させないように当局が身柄を保護したとされる。

同年3月4日、民主党支部が全焼。第一報告者は民主党員秘書だったが、

これをなぜかTVは「通行人」と報道。

 

このときも小沢氏(当時民主党代表)自身は起訴には至らなかったが、

政治資金規正法改正をめぐる党内のすったもんだで結局

5月に代表を辞任した。

 

-------------------------

 

小沢氏が無罪となったことで民主党は運営が難しくなる。

消費税増税反対を主張する小沢氏が再び発言力を持つことで、

消費税増税法案が通りにくくなることを懸念し、判決当日は株価が値下がりした。

それでなくとも、今の民主党政権は小沢氏を仮想敵と見做すことで

かろうじて団結を保ってきた。

小沢氏が復帰することで民主党は亀裂が避けられなくなる。

 

-------------------------

 

マスコミの動きはどうか。

朝日新聞などは圧倒的なページ数をこの小沢氏の記事に充てていた。

起訴される前は確か、小沢氏のドス黒いイメージを強調していたと記憶しているのだが。

 

言うまでもないが、献金等に関しては小沢氏一人が黒いのではない。

民主党の中心メンバーは皆何がしかのスキャンダルが今までに報じられている。

 

小沢氏に関しては、マスコミが公平に事実を報道するとは思えない。

ただ、彼らが民主党を支持するにしても、あまりにも綻びが多すぎて

どうにもならないのだろう。

 


政治運動

2012-01-28 | 日本の政治

「あなたの一票で施政が変わる」

などと我々有権者は散々投票するよう言われるのだが、一方でどこまでいっても

「(数十万票のうちの)たかが一票」であるという現実に変わりはない。

 

「自分の一票では結果は何も変わらない」から

投票に行かないという理屈は全否定しきれるものではない。

 

では、我々は無力なのか。我々の一票に価値はないのか。

そうではない。

我々が選挙に際し、とる行動を「投票」だけに制限するから力が減ずるのである。

 

我々は、「政治運動」をする自由がある。

 

-----------------------

 

「政治運動」ときくと、談合やら過激派の暴力やらのイメージが強く、

日本人にはあまり好ましいものと思われていない風潮である。

 

しかし、本来はそういった悪いものではない。

むしろ、それがなければ選挙制度は正しく機能しない。

お互いに意見交換をし、賛同者を募り(圧力をかけるのではなく)、

最終的には個人個人が自由意思に基づいて投票することによって

初めて集合知が機能してくる。

 

政治運動と堅苦しい表現をしたが、

それは日常の雑談でも井戸端会議でも全然かまわないのである。

 

初等・中等教育の現場においても、学級会などで子供たちは

なんでもかんでも多数決で決めようとして、

結果的に意見が全然でなかったり、

票が全然まとまらず多数が納得する結論には程遠かったりすることが起こる。

 

多数決や投票はそれ自体、単独では機能しえないのだ。

その前段階として有権者同士の意見交換と議論が必要不可欠なのである。

そして、この手順を踏むことにより初めて、

個人は「数十万のうちの一票」よりも大きな意味を持つようになる。

 

逆にこうしたことをしないと、

選挙時に既得権益層の組織票がその強みを発揮してしまう。

それこそ、「黒い政治運動」をはびこらせてしまう温床となってしまうのだ。

 

もう一度言う。

選挙・投票前の意見交換や根回しは本来悪いものではない。

正常な民主制の運営にはむしろ欠かせないものである。


「わかりません」-TPP-

2011-11-12 | 日本の政治

今日、野田首相がTPP交渉参加を表明した。

 

TPPについては既に少し前に記事を書いた

概ね状況は変わっていない。変わったことがあるとすれば、

 

(1)アメリカ側が、

「日本が交渉参加表明したとしても、事務手続きの都合上、参加は半年以上先になる」

と言ってきたこと。

要するに、日本はTPPのルール策定の会議に出席することができない。

アメリカの都合のよいルールに翻弄されることになる。

(2)アメリカ側が、

「中途半端な気持ちで参加する国は迷惑だ」

と言ってきていること。

要するに、交渉のテーブルに着くと後戻りできないということ。

TPP交渉参加=TPP参加であると明言しているのである。

 

いずれも、国内の慎重論を説得する上では都合が悪い要素である。

TPP交渉参加賛成派は「急がないとルール作りに参加できない」

と言っているが、(1)のように、現時点で既に間に合わないのである。

また、賛成派は

「交渉参加=批准ではない。交渉して都合が悪ければ場から離れればよいではないか。」

と言っていたが(2)でこの詭弁は真っ向から否定された。

 

一方でこの間、賛成派に有利な材料はほとんど出ないままだった。

 

-------------------

 

野田首相は11/11の国会答弁で、佐藤ゆかり議員の質問に対し

「(TPPの)ISD条項は寡聞にして知らなかった」

と答えたという。

 

TPPのラチェット条項とISD条項がかなり問題のある条項だということは

素人の私でも知っている。

 

ISD条項は簡単に言うと、国内法や国益に基づいて

外国資本の経済活動を制限することができなくなるというものである。

詳しく言うと、例えば外国資本が日本国内で不利益を被った場合

「国際投資紛争解決センター」に訴えることができる。

ところが、この審査機関はその名の通り、その国の国益という視点からではなく、

投資という視点から審査し裁定を下す。

その裁定の強制力は国内法よりも上位にくる。

しかも、その審査過程は不明瞭かつ、上訴が難しいものとされている。

すなわち誤審が生じたとしても甘んじて受け入れなければならない。

 

以上は中野剛志氏の受け売りである。

これくらいのことは、Youtubeにも挙がっている。

 

細かいところは交渉次第で変更されるかもしれないし、

その結果、場合によっては日本に利する可能性もあるだろう。

しかし、仮にも一国の首相がその内容すら知らないのでは話にならない。

 

--------------------------

 

首相や閣僚が国会答弁、また記者会見で肝要なところを

「わかりません」「追って調べます」

と答える場面が最近とみに増えている。

本来、分かったうえで国会に臨まなければ議論がそもそもできない。

国会の意味がなくなるのだ。

 

それは根本的に議員としての責務を果たしていないということだ。

いい加減、「わかりません」と答えることに対し罰則を設けてはどうかと思ってしまう。

 

補足:TPPで大騒ぎしている裏で韓国が竹島にて音楽会を催したらしい。


鉢呂発言

2011-09-13 | 日本の政治

既にいささか旧聞に属するが、書き留めておく。

先週土曜日9/10に鉢呂経済産業相が辞任。

 

理由は「死の街」発言と「放射能つけてやろうか」発言。

 

ただし、後者については、前後のやりとりが次のようなものだった

との情報が一部で流れている:

記者:「大臣(作業服)着替えてないんですか」

(鉢呂)大臣:「今福島から戻ったばかりだ、そんな暇ないよ」

記者:「じゃ福島の放射能ついたままですか」

(大臣やや怒って、一歩近づいて)

「それがどうした?放射能つけてやろうか?」

 

裏がとれていないので、この情報も鵜呑みにしていいわけではない。

 

(ただ、こちらの方が毎日新聞が記事で述べているようなやり取りより、

会話の流れが自然であるのは間違いない。)

 

しかし、前後のやりとりがこのようであれば、随分印象が変わる。

この場合、記者の発言の方が問題ではないだろうか。

 

少し前後関係が補足されるだけで印象が変わるような事象であれば、

情報を切り取って加工する作業を担っている報道機関の責任が

問われるべきである。

事実はその切り取り方でいくらでも虚構に変わりうる。

 

社会の木鐸たる首相や大臣が、軽率な発言をしていいわけではない。

しかし、このような歪曲報道の危険性がある以上、

彼らの失言一つで辞任させるのは、あまりにも軽率な判断だと思う。

内閣は本来、その政策執行能力で評価されるべきなのであるから。

 

なお、9月5日に鉢呂元大臣は「基本的に原発はゼロになる」と明言していた。

その直後にこの辞任騒動が起きている。

 

関連性は、私には判断しかねる。