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そこはかとなくかきつくれば

日々のとりとめのない気付きを結晶に

選挙の争点のミスリード

2012-11-28 | 日本の政治

手短に書き留めておく。

 

この選挙の争点が

「原発に反対か、賛成か」や「TPPに反対か、賛成か」

などと個別の案件であるかのようにマスコミは報道しているが、

 

今回の解散の理由はそこだったのか?

 

という問いをもう一度考え直せば、

これは明らかにマスコミのミスリードだということが分かる。

 

原発やらTPPやらは問題が複雑で

賛否を簡単に結論が出せるシロモノではない。

 

ただ、民主党はそれ以前の遥かに基本的な所で

国家の運営に失敗している。

政府が果たすべき役割、というものを根本的に履き違えていた。

だからこそ数々の失政をやらかし、支持を失って解散となったのだ。

民主党はその点を今になっても是正していないし、

反省している様子もない。

(そもそも問題として認識できていないのかも知れない)

 

今耳目を集めている第三極も、

その点で信頼に足る理念をまだ発信していない。

民主党離脱組も合流してしまっており、

少なくとも私から見ると民主党と同じ穴の狢にしか見えない。

 

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小沢氏が反原発連合を作ろうとしているらしいが、

上記のことを踏まえると

彼の動きは根本的なところでピントがずれている。

 

皆、一体何がしたいのだろう。


民主党とは何だったのか

2012-11-20 | 日本の政治

やっと民主党政権を総括できるときがやってきた。

 

日本の左翼が元々の意味の左翼ではなくなっている、

という話は以前にも書いたことがある。

 

本来、「保守」の対義語としての「革新」を掲げる側が

左翼のはずなのだが、右翼、左翼いずれにも共通するのは

手段は違えど「その国のために」政治を運営していく点にある。

 

日本の左翼は、「日本国(国民)に」尽くすのではなく、

「自らのイデオロギーに」「反日特亜三国に」「自分自身に」尽くすという点で、

上の分類から本質的に外れているのである。

(なぜこうなったのかはよく分からないが、

日本がかつて極東における資本主義圏と共産圏の接点であったことが

今でも尾を引いているのではないかと思う。

日本の左翼は、日本を共産圏に呑み込むことを目的に進化した?)

 

それが端的に表れたのがこの民主党政権だった。

3年前に民主党に投票した国民も、

景気のいいマニフェストには半信半疑で

「大したことはできなくていい。自民党にお灸をすえることができれば」

と思っていた部分はあると思う。

 

彼らが国家の利益を損ねる方向に

積極的に政治をするとは誰が予想していただろう。(注)

 

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民主党は、野合であった。

水と油のように利益や視点が真逆を向いている支持団体の

票が一つの党に集約されたものである。

 

彼ら支持団体の多くの意見は、自民党政権時代には

政策に反映されなかった。

では、民主党政権に変わったときは反映されたのか。

彼らの多くにとっては期待はずれに終わっているだろう。

民主党は、ほとんど何もできなかった。

 

彼らが自民党時代に不遇をかこっていたのは、

自民党のせいではなかったからである。

彼らの追求する利益や理念は、自分たちだけに関わるごく局所的なもので、

周囲から普遍的な支持を得られないものなのだ。

従って、自民党だろうが民主党だろうが党内の

多数の支持を受けるまでに至らない。

法案提出までこぎつけられないのである。

 

通常の神経を持ち合わせていれば、法案成立のために

苦心して周囲と意見の摺り合わせを行い

少しでも多くの人の賛同を得るよう

党内からまず議論をするだろう。

 

それができないのが日本の左翼の悲しいところであった。

彼らは「革命」という言葉のもと、

「議会制民主主義の否定」「暴力(ゲバルト)の肯定」

という考え方が思考の根底に潜んでいるため、

議論が下手、もとい軽視する部分があった。

(これは民主党の各種会議の進行の強引さによく表れている)

 

議論や摺り合わせを行うと、少なからず

自分たちの意見や提案が修正を迫られる。

自らのイデオロギーを絶対普遍的とみなす

(そしてそのことに関して疑問をもつことや吟味することは

はなから許されない)

彼らにとっては、そうした修正作業は耐えられないのだろう。

 

従って、当然ながら彼ら、およびその代表である議員たちは

世論から意見を汲み上げるということができない。

というよりそうした手段を考えるという思考回路を持ち合わせていない。

 

民主党の支持率が下落の一途をたどったときも、

彼らの思考回路は

「議席を保つため、一日でも長く解散を先延ばししよう」

というものだった。

そこには、「周囲が求めている善政を行なって支持率を回復させる」

という普通ならば浮かぶはずの考え方が全く見えて来なかった。

 

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政権奪取前のマニフェストには、

税率の低減や高速道路無償化など、一般国民の

耳に心地よい文言が並び立てられていた。

ほとんどが嘘で終わってしまった。

民主党が当初のマニフェストを誠実に実行しようと

考えていたかどうかは疑わしい。

 

左翼の言う「革命」は、手段を選ばない。

大嘘をつくことも、政権奪取のためには厭わない。

このマニフェストが表しているのは、そういうことなのだろう。

 

そしてこの嘘に加担したのが大手マスメディアたちである。

今となっては瑣末な自民党政権の瑕疵

(ただしそれは民主党政権と比較すれば、であって改善すべき部分は多い)

を大々的にあげつらって、

それよりも遥かに深刻な民主党の失政、汚職、疑惑などに対しては

「報道しない自由」を行使した。

 

マスメディアが民主党とどのような利益を共有しているのかは分からない。

ただ、その民主党に対する支持の仕方には尋常ならぬものを感じさせる。

 

マスメディアはその二枚舌が露呈してしまった。

それにも関わらず、この期に及んでまだ偏向報道を続けようとしている。

反省する気も、修正する気もないのだろう。

新聞は売上部数が落ちているらしいが、自業自得である。

 

前回の記事でも述べたが、彼らは自らのイデオロギーと

心中しようとしているだろう。

 

(注)政策云々以前に、政府には

「国民の生命と財産」「領土」「主権」を守る責務がある。

そして、ご存知の通り民主党はこれらを守る意識が

根本的に欠如している。

 

【誘導】民主党のマニフェスト検証動画に罠が仕掛けられている件

http://www.nicovideo.jp/watch/sm19374283?mypage_nicorepo

 

 

 


解散総選挙

2012-11-18 | 日本の政治

11/14日の党首討論で野田首相が突然

「12/16に総選挙」という具体的な日時を持ちだした。

 

これを鵜呑みにして糠喜びの記事を書いた挙句、

また民主党の茶番に騙されるという展開だけは避けたかったので

しばらく様子を見ていたが、

実際に11/16に衆議院は解散した。

個人的には、人権擁護法案が立ち消えになったことで

ほっとしている。 

 

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自民党安倍氏と野田首相の党首討論の放送は見ていない。

新聞でやりとりの内容を確認しただけだが、

単に話が噛み合っていない印象だった。

 

自民党は討論後、ハイタッチをしていたという。

対照的に、民主党側では輿石幹事長を含め大多数の議員にとって

解散宣言は寝耳に水の出来事で、討論後は

お通夜の状態だったという。

 

この日のことはほとんどの人にとってサプライズだったのだろうが、

おそらく自民党側は既に知っていたのではないだろうか。

討論自体は下手な茶番劇だろう。

 

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素人の票読みはしてもしょうがない。

既に週刊誌などで色々な数字が踊っているが、

正確なところは選挙が終わってみないと誰も分からない。

 

ただ自民党が中心となる新内閣になることは間違いないだろう。

自民党は3年間、野党としてはまっとうな仕事を果たしてきた。

(単に与党があまりに突っ込みどころが多かっただけかも知れない)

とはいえ自民党がこの3年間で浄化されたとは思わない。

与党に返り咲いても、おそらく以前と同じ諸問題が再現される

可能性は否定出来ない。

今回もし自民党が大勝して水膨れすれば、

新人・無名議員の増加で規律が保たれなくなり、

状況が悪化する危険性はある。

 

とはいえ、民主党政権を経験して得た教訓は、

政治家もある程度仕事内容を心得た「プロ」でないと

まともに国家運営ができないということである。

残念ながら、運営のノウハウの蓄積がある政党は今も自民党しかない。

 

今、総選挙に向けて第三極の合従連衡が喧しいが、

上の教訓によって一番割を食っているのはこの第三極である。

(民主党は、自業自得であるから勘定に入れない)

彼らがたとえ今のところ減点となるような言動をしていなくとも、

指針や理念などに共感できる部分があったとしても(注1)、

国家運営に関しては素人であることだけは間違いないため、

前回総選挙の二の舞を演じたくない有権者は

彼らに票を投ずるのに慎重にならざるを得ない。

彼ら第三極の能力を見極めるのには、まだ数年はかかる。

 

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さて。

前回総選挙で民主党を推してきた各マスメディアは

今回どのように報道していくだろう。

(彼らはもはやマスメディアというよりも党の広報誌に

自ら成り下がっているのだが、それはさておくとする。)

 

民主党の政権運営がかばいようがないほど悲惨だったので(注2)、

残る民主党支援方法は他の政党のネガティブ・キャンペーンしかない。

あるいは、見切りをつけて別の政党の応援に鞍替えするか? 

 

朝日新聞などは大変だろうとは思う。

話題に上るのが、全て彼の敵である

橋下氏や石原氏、自民党(の安倍氏)ばかりなのだから。

 

朝日新聞は、発行部数をどんどん減少させている理由そのものである

自らのイデオロギーと、このまま心中するつもりなのだろうか。

 

今回の選挙で否定されるのは民主党だけでない。

民主党を支援し、庇ってきたメディアもそうである。

 

注1:こう書いたが、私は彼らの理念に賛同しているわけでもないし、

彼らが失態を演じていないということを主張しているわけでもない。

 

注2: ネットで拾ったものを貼っておく。

11/15 衆議院本会議 自民党齋藤健議員の演説

http://www.youtube.com/watch?v=QwkSbzWA_mk

民主党政権の総括はこれで十分かもしれない。


一票の格差

2012-10-31 | 日本の政治

一票の格差について違憲判決が10/17にでてから、

マスコミは

「違憲状態で参院選・衆院選を行うのはいかがなものか」

 

という論調が続いている。

現在の民主党を壊滅から守る方法がもはやこれくらいしかないらしい。

 

ここらへん、私にはよく分からない。

定数是正が行われないと選挙は無効になるのだろうか。

そもそも、こうした議員定数是正は各党の利害が絡むため、

折り合いをつけるのが非常に難しいはずである。

 

参議院で所信表明さえ拒否された野田首相に、

このような調整はできるのか?

 

もう一つ、注意しておくべきは2011年3月にも

衆議院格差が違憲という判決がでていることだ。

今回もそうだが、過去にはより格差が大きい状態で

合憲という判断を最高裁で下している例もあり、

直近の2つの判決が両方とも違憲とでたのは目立つ。

 

断定は控えるが、政治的事情による

恣意的な判決がでていないかどうか疑っておいてもよいかと思う。

 

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少々の定数是正をしようがしまいが、

選挙を今しようがしまいが、次の結果だけは確実だろう。

 

民主党は壊滅する。

 

定数是正も、首相の座を次の政権に早く譲って、

その人に任せたほうがよほど迅速に進むのではないか。

 

「一票の格差はもうどうでもいい(期待してない)から、さっさと解散してくれ」

これは私の個人的な希望だが、

同じように考えている日本国民は多いのではないだろうか。

 


田中眞紀子再び

2012-10-01 | 日本の政治

9/30 田中眞紀子の第3次野田内閣入閣が決定。

文科相だという。

 

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とりあえず田中女史の外務大臣以降の経歴をまとめておく。

 

2001年、自民党小泉内閣において外務大臣に就任。

外務省との軋轢を含め数々の問題を引き起こし、

翌年更迭。

2002年、秘書給与横領で自民党党員資格停止、議員辞職。

翌年、衆院選で無所属として再選、復帰。

2009年に民主党入党。

 

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今にして思うと、外務大臣の頃の眞紀子ブームは

一体何だったのだろうと思う。

確かに舌鋒は鋭く、

鵺のように考えが読めない政治家をバサバサ切って落とす発言は

その瞬間瞬間は見ていて痛快だったかも知れない。

しかし、結局のところそれは言われた相手を不愉快にさせるだけであって、

それ以上は何も産まなかった。

政治家にあだ名を付けて揶揄しても、国政にはなんら益するところがない。

 

彼女の語録を見る限り、

その場その場の思いつきで発言しているのではないかと

思わせる部分が多い。

その言葉が政治、世論、外交にどのような影響を及ぼすか、

(そもそも発言をしていい内容なのかどうか)が吟味されていない。

 

外務大臣としては最も不適格なタイプとも言える。

今の日本を取り巻くアジア情勢は色々デリケートな部分があり、

単純な思考回路で捌けるものでは到底ありえない。

 

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その頃は小泉首相の「ワンフレーズ」が持て囃された時期だった。

それまでの政治家の曖昧なまどろっこしい物言いに辟易していた大衆に、

小泉首相の口調は新鮮に映った。

 

これについては、その頃支持した私も含め反省しなければならないのだろう。

本当は官僚や閣僚の少々長ったらしく複雑な説明でも

ある程度大衆側が理解することに努めなければ

政治を正しく評価することはできない。

 

曖昧でよく分からない日本語が言葉としての価値がないのは確かにそうだが、

一方で政治をワンフレーズで表現するのはあまりに危うい。

捨象されてしまう周辺事情が多すぎると、それは虚偽と変わらなくなる。

実際、小泉首相が正直だったとも思わない。

彼が黙して語らず、を貫いたことは多かったし、

そこに政治の本質の大部分が隠されているのだろう。

 

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田中眞紀子は、その「ワンフレーズ」ブームに乗っかり、

かつ「女性という立場の代弁者」としての人気があった。

「庶民的な思考の女性」でも政治ができる、かのように思わせた。

フェミニズムが今より幅を利かせていた時代でもあった。

小泉が彼女を入閣させたのもそういう看板を重視したからだ。

 

しかし結論としては、彼女は大臣として仕事はできなかった。

 

これは「女性は政治ができない」ことを意味するものではない。

田中女史と比べるのも失礼なくらい優秀な女性は

世の中ごまんといる。

彼女を女性の代表とすること自体が間違っていたのである。

ついでに言うなら、庶民的な思考だけでは政治はできない。

 

今回、田中女史は再び入閣を果たしたわけだが、

もはや小泉政権の頃と状況は様変わりしている。

彼女がこの今にも沈没しそうな内閣において、

何がしかの成果を挙げると期待している人は

今回どれほどいるのだろうか。

 

不用意な発言で、

日中関係に重大な(悪)影響を及ぼす可能性はありそうだが。

 

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真の意味で優秀な女性が政治の表舞台に登場して欲しいと願う。

ただし、仕事ができる女性はなぜか同性に支持されにくいという

悲劇的現実がこの希望の実現を阻害している。