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そこはかとなくかきつくれば

日々のとりとめのない気付きを結晶に

生涯未婚率

2012-01-21 | 社会

生涯未婚率とは、50歳時の未婚率のことを指すらしい。

2010年度統計で、女性の生涯未婚率が10.6%と、

5年前の7.3%から急増した。

次のページを参照していただきたい。

 

http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1540.html

 

男性はというと、2010年度で20.1%であり、

2000年度以降、女性の2倍前後の数字を出し続けている。

これは、男女比(男性が少し多い)によるものだけではない。

男女比だけでは、この2倍近い差をどうやっても吸収できない。

結婚・離婚を繰り返す人がそんなに多いわけでもないから、

これも男女の値の差の理由にはならない。

 

それではどういうことかというと、今後

「値の上昇の時期にズレはあっても、女性の生涯未婚率はいずれ

男性のそれに近い数字になる可能性が高い」

ということである。

男性が結婚しないということは、女性も結婚しないということだから。

30-34歳の時点での未婚率をみると、おおよそ女性は男性に15年遅れて

グラフが上昇してきている。

生涯未婚率も似た傾向をこれから示すものと思われる:

30-34歳の時点での未婚率が20%を超えると、

15年後には生涯未婚率が閾値を超えて10%から急上昇し始める、

というのが男性側のグラフから読み取れる。

 

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これまで「結婚できない『男性』が増えてきている。男性諸君、頑張りましょう」

という煽り方がマスコミを中心に多かったように思う。

それは、実際にこのグラフのように男性の生涯未婚率の方が

先に上昇したからである。

 

しかし、これは男女双方の問題なのだ。

うがった見方をすると、これは「女性が買い手市場」という印象操作を行おうにも

実態がごまかしきれる限界を超えてしまった、と言ってもいい。

上のセリフはそのままそっくり女性側にもあてはまる時代が来ているのである。

 

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男性が結婚しない(あるいはできない)というのは

女性が結婚しない(できない)ということと同義である。

現在の婚活事情を男性vs女性の二項対立と捉えて

煽る昨今の傾向は、いい加減止めた方がいいのではないだろうか。

 

参考:結婚しない男性3

http://blog.goo.ne.jp/kazuno_hatake/e/f2bbb6a4b49bc3dca6357e493d52915d

 


結婚しない男性3

2011-12-25 | 社会

随分間が空いたが、前回の続き。

折しもクリスマスだが、この記事はそれとは特に関係はない。

 

結婚生活は独身生活と比べると色々違いがある。

勿論そこには一長一短があるのだが、

昨今よく聞く「結婚しない理由」は必ずしも強い説得力を持たない。

結局のところ、結婚を「生活必需品」と思った場合には

これらは些末な理由である。

 

しかし、結婚を人生の「嗜好品」「アクセサリー」と思い始めると、

この「結婚しない理由」が強調され、悲劇を生むのである。

 

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結婚相手、あるいは交際相手が「アクセサリー」であるならば、

それは第三者に対して自慢できる、

あるいは最低限人並みのものでなければならない。

そうでなくては、アクセサリーとしての価値が無くなるからである。

そこには、「相手もまた自分を評価する、意思を持った存在」

という当たり前の事実を見つめる視点が欠落してしまうため、

必要以上に相手に対する評価が厳しくなる。

 

従って、交際を始める前の段階で躊躇してしまう人が多くなる。

これは特に女性に顕著な傾向なのではないだろうか。

 

それに対して男性は、その厳しい評価基準に耐えられず、

土俵から降りてしまっている人が多い。

 

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上はあくまで私の独断と偏見によるものだが、

結婚紹介所の集計によると東日本大震災後、成婚率が急増したという。

これは上の仮説を支持するものである。

震災によって、独身生活の心細さが強調され、

「結婚」の扱いが「アクセサリー」から「生活必需品」へと変化したのである。

外見や所得が震災によって変わったわけではない。

結婚は、その気になればするものなのだ。

 

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一方で気になる情報もある。

独身女性の貧困層が3割近くに上っているという。

男女雇用機会均等法が施行されてもう長いが、それでも所得格差はある。

「女性は結婚して家庭に入ることも、仕事でバリバリ活躍することもできる。

選択肢が増える」

と当時はバラ色の未来を謳われていたが、現実は

仕事も自分を養うので精いっぱい、結婚もできないという層が出現している。

 

並みの男性以上に仕事をこなすバリキャリの女性は勿論、いる。

しかし、当たり前だがそれは少数派であるし、現実的には

そのような女性像を追い求める情熱も能力も持たない人が多い。

いつの頃からか、「専業主婦」を若いうちから志望する女性も増えてきたが、

そうした彼女たちの声はフェミニストたちの大声にかき消されている。

 

…フェミニストの皆さんは何をどうしたいのだろうか。

今は、男性も女性も幸せになっているようには見えないのだ。

 

この現状は、個人にとっても、国家にとっても害が大きくなっている。

一人世帯が、世帯人数としてベストなわけがないのだ。


結婚しない男性2

2011-12-18 | 社会

前回は男女の「結婚しない理由」を列挙してみたが、

根底に共通する価値観としては次のようなものがある:

1、結婚は束縛である

2、子供を作ると金銭的負担がかかる

 

それではなぜ、昔は多くの人が結婚していたのだろうか。

a、社会的認知:所帯を持たなければ一人前と認められない

風潮があった。

b、昔は子供は「労働力」だったため、いた方が農作業などがはかどっていた。

c、「家系の維持」という観点から子供が必要だった。

 

今はaの社会的プレッシャーは弱まってきている。

子供の高学歴化により労働開始年齢が遅くなり、

bを期待するにはあまりにも気の長い話になってしまう。

cは「家制度」に関わる話だが、昨今の風潮では家制度そのものに

対する否定的見解が多くなってきている。

 

ということは、今は結婚は「する必要がない」ものなのだろうか。

答えはNoである。

 

一人暮らしの生活は、実はリスクが大きい。

怪我、病気、犯罪に巻き込まれるなど、

なにがしかのキッカケで動けなくなった場合に対応が効かなくなるのである。

人はそのリスクを軽減するために共同生活をしているのである。

今はインフラ整備が進んでいるために独居生活のデメリットが

表に出てこないだけであって、少し不便な地に住んでみれば、

一人暮らしはありえないほど危険なのが身に染みて分かる。

 

本来、結婚生活は共同生活の中でも最も基本的なパターンである。

 

所得についても、一人よりも二人の方がリスク管理が

しやすくなっているはずなのである。

結婚しても、子供が生まれない限りは、双方独身生活のときと比べて

二人合計の所得が減るわけでもなんでもないのである。

 

また、子供は金銭的負担が大きいというのは本当だろうか。

「お金がなければ子供は育てられない」というのであれば、

アフリカの貧しい国々や、戦後の日本において子だくさんになるのはおかしい、

ということになる。

今の方がインフラが充実している分、はるかに子育ては

しやすくなっているはずなのだが。

 

今、日本では子供の教育に相当な費用をかけているが、

一方で昔の子供と比べて優秀になっているか、

健全に育っているかどうかはよくわからないのである。

こう思うのは日頃、学問に貪欲でない大学生を見ているせいもあるのだが。

 

色々述べたが、要するに前回では「結婚しないもっともらしい理由」をひとしきり

並べたものの、そこには色々疑問符がつくのである。

もう少し続きます。


結婚しない男性1

2011-12-13 | 社会

若年層の未婚化が問題視されるようになってから既に久しい。

 

とりあえず、男性の立場から「結婚しない理由」をおおまかにまとめてみよう。

1、インフラや家電の発達による家事の省力化

昔なら時間と手間のかかった家事は家電に任せられるか、

業者に外部委託することができるようになった。

食事も(味を問わなければ)ファストフード店や

惣菜、コンビニ弁当がいつでも安価に利用できる。

2、結婚生活の費用

結婚すると自分が自由に利用できるお金が少なくなる。

子供ができた場合、育児・教育に費用が掛かる。

3、離婚のリスク

日本では子供がいる段階で離婚するとき、親権は大抵母親に渡る。

夫有責の離婚の場合、慰謝料をとられ、

子供に会えなくなるばかりか、その養育費まで請求される。

4、性欲充足商品の充実、恋愛の自由

風俗店や各種メディアの充実、性行為のオープン化により、以前なら

本来結婚しなければ、あるいはそれを覚悟の上でなければ

手に入りにくかったモノが今は容易に手に入るようになっている。

(ここらへんは言葉を濁すが、内容は伝わっているだろう)

またモテる男性の場合、結婚するよりも独身の方が

恋愛の選択肢が幅広くなる。

 

これらの要素はそれぞれに少しづつ誤謬を含むものであるが、

独身男性にとって結婚を躊躇させるのに十分な説得力を持つ。

ここには「家庭の安らぎ」などといった精神論が含まれていないことに注意されたい。

多くの男性はそもそも、そういった精神的なものを

定量的に評価するのが苦手、あるいはしないのである。

 

女性の側にとって「結婚しない理由」は何か。

1、キャリアを中断させたくない

何らかの専門的技能を有し、かつそれを活用している職務に就いている女性にとっては、

結婚・出産はキャリアを強制的に中断させてしまう要因になる。

2、結婚生活の費用(上と同様)

3、恋愛の自由(上と同様)

4、結婚生活に縛られたくない

結婚生活では、女性側に家事・育児の負担が重くなることが多い。

 

こうして並べて対比させてみると、「あれ?」と思うことがいくつかある。

長くなってきたので続きます。


大阪市長選の後

2011-12-08 | 社会

橋下徹氏が大阪市長選で勝利を収めてから

既に一週間以上経過している。

いささか旧聞に属するが、これまでのところをまとめておきたい。

 

対抗馬の平松氏の勝ち目が薄かったことは、

一市民の目から見ても明白だった。

決定的だったのは、彼がテレビでの公開討論をドタキャンしたことであったが、

既に過去の実績面でも橋下氏に及ばなくなっていたため、

彼を推すだけの理由が大阪市民には少なかったのだろう:

 

橋下氏は大阪府知事在任の短期間に、

府財政の健全化、透明化をはっきりと結果として出した。

厳密な意味では府財政の赤字解消までには至らなかったものの、

彼は決してただのアイドル人気だけでこの市長選に臨んだわけではなかった。

 

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ここで問題提起したいのは、マスコミが揃いも揃って

なぜこうまで勝ち目の薄い平松氏を擁護し、

橋下バッシングに回ったのかということである。

 

週刊誌までが大手マスコミにならって橋下氏批判に回った。

市長選終了後もトーンダウンしたとはいえ、

橋下氏に対する厳しい論調の新聞記事が今も散見される。

これは今までになく異常な事態である。

 

本来、マスメディアは選挙に関しては建前上、中立を維持するべきであるが、

そのことについては既に過去の記事で述べたことであるし、

私自身は彼らにそのような中立姿勢をもはや全く期待していないのでおいておく。

 

彼らは今回、自分たちがプロパガンダをしていることを隠そうともしなかった。

挙句の果てに、選挙敗北後も負け犬の遠吠えのように

まだ橋下氏批判を繰り返している。

彼らが中立の姿勢を失っているため、

選挙結果はマスコミ自身の敗北をも直接的に意味するものになっている。

 

しかし最初に述べたように、

平松氏の勝つ見込みが薄かったことは明白だった。

純粋にマスメディアが自分たちの立場、利益の追及に専念していれば

平松氏を神輿に担ぐという判断にはならなかったはずである。

 

彼らがそれを押してでも平松氏を支援したということは、

裏で莫大な利権、選挙資金が動いていたのだろうと推察できる。

その母体となっている巨大なものは何なのか。

正直なところ、私は断言しかねるが、

彼らが相当非民主的な権力を持っていることは確かである。

 

橋下氏が在任中に身の安全が脅かされないことを祈るばかりである。