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【映画感想・ア行】 エリザベス:ゴールデン・エイジ ★★☆

2008-02-18 | 【映画感想・ア行】
ストーリー:
25歳でイングランド女王に即位したエリザベス。
父王ヘンリー8世の遺志を継ぎプロテスタントの女王として即位したが、
国内にはカトリック信者が大勢おり、不安と憎悪が渦巻いていた。
その頃、ヨーロッパ列強はイングランドを占領すべく狙っており、
スペイン国王フェリペ2世はことあるごとに圧力をかけてきた。
さらにカトリック派のスコットランド女王
メアリー・スチュアートの存在も火種となっていた。
(goo映画より引用)

出演:
ケイト・ブランシェット、ジェフリー・ラッシュ、
クライヴ・オーウェン、アビー・コーニッシュ、サマンサ・モートン

監督:
シェカール・カプール

1998年に製作された『エリザベス』の続編。
中世の物語でありながら、陰謀・策略を中心にスリリングに描かれ、
様々な映画賞で高い評価を受けた作品であった。
今回は、前作のラストに字幕で紹介されていた
エリザベスが戴冠した後に迎える「黄金期」について描かれている。

兎にも角にも、ケイト・ブランシェットに尽きる。
彼女の存在は『エリザベス』で知ったのであるが、
美しさと冷徹さを兼ね備えたオーラ・演技力に圧倒され、
以降、最も好きな女優の1人になり、作品もチェックしてきた。

出世作となった前作同様、彼女から漂う雰囲気が凄い。
今作ではエリザベスの2つの顔がメインとして描かれるのだが、
その両極端の演技っぷりは感服する以外なかった。
第80回アカデミー賞のノミネートも当然であると思わされた。

描かれるのは、エリザベスが持つ2つの顔である。
1つは、女性としてのエリザベスである。
戴冠の際、国家(イギリス)と結婚したと語ったのだが、
冷徹なイメージを抱かされつつも、やはり女性なのである。
航海士のウォルター・ローリーへ芽生える恋心。
女として身を委ねたいという心があるはずだが、
彼女は女王である。その立場が恋を阻んでしまう。
踏み出したくても踏み出せず、もどかしいばかりだ。
まぁ、立場を考えれば至極当然であろう。

もう1つの顔は、女王としてのエリザベス。
カトリックとイギリス国教会との対立、
憤懣やる方ない連中が、エリザベスの暗殺計画を実行。
更に、メアリー・スチュアートを暗殺の首謀者として処刑したことから、
スペイン国王フェリペ2世がイギリスに宣戦布告。
無敵艦隊とエリザベスは一戦交えることとなってしまう。
冷静というか、国の安泰のためなら酷な判断も下す。

イギリスは、黄金時代と言われながら、内政・外政とも問題だらけ。
また、女王として生きるのか、それとも、一女性として進むのか。
エリザベスの内面に焦点を当てているのが本作の特徴だ。

前作にあったような陰謀を追求するパートが少ない。
確かにカトリックやスペインとの対立もあるのだが…。
個人的には、ウォルシンガムの暗躍する姿が見たかった。

今回は女性的な視点で描かれているので、
前作のような陰謀・諜報は押さえ気味になっているのが惜しいところ。
但し、女性的な悩みは、中世も現代も変わらないのが面白味を感じた。

(ミッドランドスクエアシネマ スクリーン5にて鑑賞)


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