with クロワッサン

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Nolde展 その2。(というか、ほぼPaula展のこと)

2008-05-06 07:23:39 | おでかけ~ちょっとそこまで

Bielefeld ビーレフェルトまでの景色を車窓から。
この平ら~な感じがすごく好き!


さて。ビーレフェルト美術館でのNolde展続きです。

ドイツ北部出身の画家 Emil Nolde エミール・ノルデはパリを訪れた際に、Paula Modersohn-Becker パウラ・モーダーゾーン・ベッカー とも知り合っているそうです。
Paulaはブレーメンから車で50分ほどの町 Worpswede ヴォルプスヴェーデで19世紀末から20世紀前半にかけて制作活動を行っていた女性画家で、去年2007年がちょうど没後100年にあたるので、ブレーメンでは去年の10月から今年の2月まで大規模な展覧会が行われていました。


その展覧会のテーマは、「Paula in Paris」 パリでのパウラ。

Paulaは23歳のときブレーメンで展覧会を開いたものの当時全く評価されず、その後4度にわたってパリに研修旅行に出かけました。そこでCézanne セザンヌやGauguin ゴーギャンと知り合ったり、Matisse マチスやPicasso ピカソ、Gogh ゴッホの作品にふれ、彼らから多大な影響を受けたそうです。
Kunsthalle Bremen クンストハレ(美術館)・ブレーメンで行なわれたこの展覧会 「Paula in Paris」 では、Paulaが学んだゴーギャンやゴッホといった巨匠の作品とPaula本人の作品がとなりに並べて展示され、彼女がいかに影響を受けていたかが手に取るように分かる、非常におもしろい企画でした。


Paulaはドイツ表現主義のさきがけと言われ、のちにNoldeはその表現主義を代表する画家となる。その2人がパリで会っていて、そしてお互い影響を受けあっていたなんて!
私は誰が何派、何主義とかあんまり興味もないし詳しくもないので、好きな絵画を好きなように観て、ああ好きだなあと感じる、ただそういう観方しかしてこなかったんだけど、ドイツに来てMunch、Paula、Noldeと「ああ好きだなあ」と感じた3人の画家が見事につながり合っていたことになんか運命的なものを感じてしまいました。



ところでPaulaは、エジプトのミイラのお棺に肖像(遺影みたいな感じ?ドイツ語では、「Mumienporträt ムーミン・ポートレート」ミイラの肖像と言います)を描く独特の画法も勉強し精力的に自分の画に試していて、ブレーメン美術館で「Paula in Paris」が行なわれている同じ期間中、旧市街にある Paula Modersohn-Becker美術館というまさにパウラのための美術館の方では、その特別展をしていました。

"どうしてPaulaはそんなに有名で評価されてるんだろう?
絵はそんなにうまいと思わないんだけど・・・。
彼女が女性画家だったから?31歳で子供を産んですぐに亡くなったから?"

と言う人がいるんだけど(Paulaの大規模な展覧会のスタートにあわせて、去年私の通っていたドイツ語クラスではPaulaの生涯を新しいドイツ語文法を交えつつ授業で勉強した。そのときほとんどのクラスメイトがこう言った)、
私はPaulaの展覧会を2つ一気に観に行ったときに思った。彼女の常に学び、試し、向上させようとしていた姿勢ってすごい。

ミイラの肖像の展覧会に、Paulaが自分のお姉さんをモデルにして全く同じ年に同じ角度で描いた作品が2つ並べて展示されていたんだけど、「画の構成」だけは同じくしてその色使いや筆のタッチ、描き方が全然違っていてびっくりさせられた。その他の画もそう。とても同じ人が描いたとは思えない画がならんでる。


これは画のことだけじゃなく、「自分のスタイルを変える」ってものすごく勇気のいることだと思うし、何が答えか、何がゴールか分からないものに向かってアプローチし続けるってなかなかできないこと。それを常にし続けたPaulaはやっぱりとても芯の強い女性だと思うし、そういうところがきっと評価されているんだと思う。そしてPaulaの作品を観て彼女の生き方を知って、自分もそうありたいな、と感化されました。



ちなみにNoldeは油彩・水彩画が有名だけど、もともとは木彫を学んでいて絵をはじめたのは31歳になってからだそうです。全く関係のないジャンルというわけではないけど、その転向も簡単ではなかったんじゃないかな。
Paulaに負けず、Noldeもまた学び続けた人でした。


私もこれから一からスタートして、一生ものになる分野、見つかるかな!


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1 コメント

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いいなー! (彩子)
2008-05-06 10:07:21
ドイツ生活満喫しているみたいやね!!
ノルウェー旅行も、今日、読んだよー(遅ればせながら)。
おんなじ北欧やしかな、写真見てたらスウェーデンを思い出したよ。(Hihi!って言うのもおんなじ!)
いろんなところに行って、いろんなモノを見て、貴重な経験をしているんやなーとうらやましくなります
人がどう言おうと、「ドイツが好きだからドイツに住んだ」、これで十分な理由だと思うよ。
その行動力はすごい!
Noldeのように、Kazueffさんにしかできないことを、ドイツで見つけられるといいね
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