レトロ

忘れてはいけない物は レトロな色合いで僕たちをみつめている

ただ穏やかなり

2023年09月28日 | ひとり言
バタバタと過ぎ行く夏の終わりを肌で感じつつ 大袈裟なことは特になくただ穏やかな朝が続く日々。思い返す時間が少しだけ訪れたなら、幼かった日の思い出を歩いてみたくなり、生まれた町へ車を走らせた。
そこそこ遠いので高速道路を走り田舎のインターで下りて暫く山間の道を走る。みんなとは違って追われるように出て行ったふるさとは年をとってもどこか後ろめたい気がする。何も人を傷つけたわけではないのに、小さな町への郷愁の中にが今もなお心のささくれを残している。
記憶は勝手なもので、その全てを美化しようとするが、心はそうはいかない。
泣きながら町を出た少年は、今もなお泣きながら生きている。
ただ、気持ちを抱きしめるすべを見つける事だけを人生の中で習得し、心の詩を謡い笑うことを母として歩んできた。
今はただただ穏やかなり。何も足さず何も引かず何もかけず、何も割らず。
久方のにおいに目を閉じる。