ベルリオーズの「幻想交響曲」まさかのお客様

例によってNHK-FMを聞いていると、ベルリオーズの「幻想交響曲」が流れてきました。
社会人になったばかりのころ、とある女性と別れてしまったのですが、
そんなスランプな時期によく聞いた音楽でした。
(この曲自体、とある女性にフラれたことがきっかけで
阿片自殺を計ろうとした若き芸術家が、至死量に満たなかったが故に、
一連の幻想を見て、それを曲にしたのです。)
因みに普通、交響曲はピアノを使って作曲することが多いようですが、
この作曲家のこの曲は、ギターを使って作曲されたそうです。
(私は阿片自殺を計る程繊細な男ではありません。あしからず。音楽も作れないけど…)

以前、初心者故に知らない道があり、
お客様の機嫌を損ねてしまったと感じた事がありました。
きっとそのお客様は２度と私の車両を呼んでくれる事はないだろうと感じていたのですが、
どう考えてもそのお客様の所と思われる場所へお迎えに上がるように無線が入りました。

半信半疑ながら車を進めると、案の定そのお客様の所でした。
ドキドキしながら待っていると、やはりそのお客様が現れ、御乗車頂きました。
前回とは打って変わってにこやかな御様子。
今回は道も誤らず、素直に目的地に着くことができました。

ボリュームを絞っていたとはいえ、かすかながら「幻想」は鳴り続けました。
お客様がお降りになるときは「ありがとう」とまで言って頂きました。
いいえ、こちらこそ…なんだか狐につままれたような気がしてなりませんでした。
これじゃまるで「幻想…」