言葉の庭

徒然なるままに庭を眺めては、そこにある言葉を拾い集めている。

現実的なアナログ

2023年12月17日 | 音楽

現実的なアナログ

 

どうもアナログな時代に生まれ、アナログを謳歌した人間ですから、今のデジタルの世界についていくのに苦労します。今はパソコンもあって、関数もあって、ちゃちゃっと計算ができる。家で商売をしていましたが、両親はそろばんを使っていました。学校でもそろばんの授業があった。

 

今の情報の処理能力も、計算や伝達速度は、格段に速くなっている。アナログ時代の人間の五感に訴えるというものが少なくなって、もしかすると五感が衰えてしまったかもしれない。代わりに互換技術が発達して、すぐ取り換えができるような世の中になった。

 

一時期カメラに凝っていて、念願の一眼レフカメラを手に入れた。撮った写真が、写真館の撮影見本に選ばれたこともあった。それが今では、デジタルの一眼レフが登場して人気があるようだ。

 

子どもの頃の人気の遊びに、下駄隠しもあったが、かくれんぼうもあった。超アナログの遊びだ。今その遊びが、テレビで人気番組の一つになっている。アナログの遊びが、デジタルテレビから流れてくる。

 

ポケベル、PHSを経て、やっと大人になってスマホを持つようになった。今の子どもはスマホを持っていて、公衆電話が見つからない街から家に帰宅時間を連絡している。かくれんぼうをしても、GPSや着信ベルで相手を見つけてしまう。

 

スマホを持っていない子は、クリスマスのプレゼントにサンタさんに頼んでいる。サンタさんも、プレゼントを配り終えたら、奥さんにスマホで帰宅時間を連絡しているのかもしれない。街は機種変で忙しい。

 

こんなことを懐かしく思っても仕方ないのですが、アナログ時代の音楽は、デジタル時代に比べて、音の温かみや臨場感があるような気がします。これは、アナログレコードやカセットテープなどのアナログメディアが、デジタルメディアに比べて、音の微細なニュアンスを伝えるのに適しているからでしょう。

 

また、アナログ時代の映画や写真は、デジタル時代に比べて、独特の味わいがあるといわれています。これは、アナログカメラやフィルムが、デジタルカメラに比べて、光の明暗や色彩の変化を忠実に再現する能力に優れているためです。

 

近年、デジタル技術の進化に伴って、アナログ技術は徐々に衰退しつつあります。しかし、アナログ技術には、デジタル技術にはない魅力があり、現在でも根強い人気があります。レコードは全部売ってしまいましたが、代わりに聴いてくれている人もいるのでしょう。

 

先日、壁掛け時計が壊れてしまいました。前の時計は、秒針が1秒、2秒と時を刻んで動いていました。だから実際の時間も1秒、2秒と時を刻んでいる気がしていましたが、そのように時間が1秒、2秒と動いているはずもありません。

 

それなら秒針がなくて、分刻みの時計もあります。その時計の周りには、1分10秒や1分15秒という時間がありません。1分の次は2分です。間の60秒という時間がありません。秒針があっても、1.2秒や1.5秒という時間がありません。

 

実際には、1秒と2秒の間には、無数の時間が存在します。新しく購入した壁掛け時計は、秒針が秒ごとに動かず、連続した一定のスピードで動きます。同様に分針も一定のスピードで動いています。現実に則した時間の動きで、時が流れていく壁掛け時計でした。

 

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