物語はつづく
物語が僕を拒んだってのandropの「Koi」のように、運命に抗って真っすぐ突き進んでいくのが物語だ。そこに自分の意志があれば、より明確に物語は明日に続いていくようにできている。
物語を伝えることが仕事にもなり、生きがいにもなる。物語には、苦しく辛いこともあるけれど、涙が枯れてしまうこともあるけれど、うれしいこと楽しいことがあれば、また涙は作られ、嬉し涙となって感動を呼び覚ます。
Netflix配信の映画「この茫漠たる荒野で/News of the World」2021は、世界のさまざまなニュースを読み伝える仕事をしている主人公が、少女と出会うことで、また新しい物語を紡いでいく。
終わりに見えた人生の物語にはつづきがあって、簡単には死なせてくれない。なぜ生まれてきたのか、なぜ生きているのかと自問自答しても答えは見えないかもしれない。でも自分の物語にピリオドはなく、未来を夢見ている。
追い越してどんどんあなたは大人になっていく
私の足じゃいくら鍛えても、たかが知れている
あなたのスピードは時代に答えを見出していて
私の過ちもみんな許している
何だか怖い
好きすぎて同一視する
坂本竜馬が好きすぎて、まるで考え方も容姿も仕草も真似てしまう人がいる。歴史書を考察したわけでもないのに、小説やドラマ・映画を鵜呑みにして、竜馬像を勝手に自分の中に作ってしまう。竜馬の生まれ変わりだという人もいる。違うという証拠もないので反論できない。
今生きている芸能人にも感化されて、何から何までその人に似せようとする。持っているものや食べ物の好き嫌いも合わそうとする。まだ死んでいないのに、生まれ変わりだという始末。完全にその人と自分を同一視してしまっている。
阿部真央「ストーカーの唄 ~3丁目、貴方の家~」の歌詞の中にも、好きが度を越え勘違いして、相手の家をもう「ふたりの家」と言ってしまう。愛は盲目なんて言うが、好きすぎると冷静に周りが見えなくなってしまう。自分が中心に世界が回りだす。
あなたは普通の人
あなたは普通の人普通のままでいい
特別にならなくても私には特別な人
今のままではいけないとあなたは言う
何があなたを向上させようとしているの
お金も名誉も私にはいらないあなただけ
そうよ、あなたは普通の人普通のままでいい
消えちまった俺
どこにいるどこへ行っちまった
戻ってくるのだろうか消えちまった俺
酒を飲んでもグラスの下敷きになっている
タバコを吸ったら煙の中に幻が見えた
おまえといても何の慰めにもならない
孤独がまた淋しさを連れてくる
ただそれだけの人
あなたはいい人私にとっていい人
ただそれだけの人
好きかと聞かれたら好きと答えるけれど
ただ好きだけの人
悪いけど私ほかに本命の人ができたの
あなたを欺くのは私の望みじゃない
自分を欺くのはもっと望んではいない