冬に旅立ったのに
今頃になると思い出す友というより人生の先輩
生きていたら90歳はとうに超えている
不言実行の素晴らしい人だった
一緒に詩吟を始めたころ彼女は70歳を過ぎていた
何かのきっかけで
重い口を開きポツンポツンと話したのは
自転車で北海道一周をしてきた話し
はじめは本気にできなかった
北海道一周すると約3000キロある
どんなルートで走ったか詳しく聞かなかったが
ひと月以上かかったそうである
息子さんと一緒に暮らしていたが
旅行するとだけ告げて出発したそうである
携帯電話もない頃
自転車に毛布と着替えを積んで
旭川を出発しまず日本海側の留萌へ
一番苦しくて疲れ
お尻の皮がむけたと笑っていた
日本海側を北上し稚内へ
稚内からオホーツク海側を南下し知床まで行ったが
バスの停留所のベンチに寝たり
野宿したこともあり
見知らぬ人に助けられたこともあったそうだ
花や木自然を愛で
庭の手入れしている時が一番安らぐと
我が家を新築した時
オンコ（一位）の実生50センチくらいのを
何本も植えて下さった
樺太から引揚げてきたが
ご主人とは二度と会えず
一人で子供を育て働きながら資格を取り
定年まで勤めた
黙々と働き愚痴は一切言わなかった
お酒が入ると朗らかになり
安来節を披露して笑わせたり
パチンコも好きだった
やっと自伝を書き上げたよと聞いたのが最後
黙って私たちが知らないうちに旅立って行ってしまった
今でもOさんを尊敬している
大先輩の中には素晴らしい方々がおられるのだとしみじみ拝読させて頂いております。
たった一度！！往復30キロ程度の自転車だけで自慢の種（こころ内）だったのに・・・
＞黙々と働き愚痴は一切言わなかった
私など若い時、なんで私がこんなことしなきゃいけないの？なんてグチグチ言いっぱなしでした(;^_^A
見習わねばいけないことばかりです。
このコメントは入るでしょうか。昨日のは消えてしまいました(;^_^A
素晴らしい先輩でしたし美しい人でした。。
70歳になってからの北海道一周でしたし、
60歳定年の後も10年間人のために働きました。
私は努力もしないし何もできないので
今でも尊敬の気持ちが強いです。