黄昏どき

老いていく日々のくらし 心の移ろいをありのままに

戦争のない平和な世界を

「熱源」を読み終えて

2020年02月05日 | つぶやき

第162回 直木賞受賞作 川越宗一氏の作品

 発表になる前から

 NHKのローカル放送で取り上げられていたので

 興味を持っていた作品である

 

主人公は

 

樺太アイヌの ヤヨマネクフ(山辺安之助)

 

1800年代樺太は日露混住の地だった

 

1905年樺太がロシアになり

 幼いヤヨマネクフは北海道に移住する

日本人の教育を受け 日本国籍となるが

最愛の妻を天然痘で亡くし

形見のトンコリと幼い子供を連れてサハリンに戻る

二つの国に翻弄されながらも

一人の人間として強く熱く生きた

 

 

ポーランド人の プロニスワフ・ピウスツキ

 

ポーランドがロシア領になった時代

大学生の時に皇帝の暗殺に連座したとされ

反逆罪で懲役15年の判決で樺太に流刑になる

過酷な労役だったが原住民との交流で生きる希望を見出し

識字教育やニブウ(ギリヤーク) アイヌと交流し

刑期を終えた後も研究を続け蝋管に録音した

博物館 日本だった1937年 豊原市に建てられた

展示物も日本領の時のものが多い

博物館に展示してあった(2011年7月)

   

 

二人が生涯を終えた後の1945年まで物語は続く

 

時代が違うが

今はサハリンとなった島 樺太

10歳から~12歳までの2年間暮らした

 私にとっての故郷で繰り広げられる 熱い物語

史実をもとにしたフィクションであると書いてあったが

沢山の史実を知っているだけに

一層興味をふくらませて小説の中へ入りこみ夢中になっった

 

樺太の冬のきびしい自然 

広い野原にたわわに実るフレップ(コケモモ)の甘酸っぱい味

子牛のように大きな からふと犬に

夏はリヤカー 冬は橇に引かせて走る小父さん

思い出と溶け合って 久しぶりに感動した小説である

 

しかし

実在の人物をフィクションを織り交ぜて描いたことが議論を呼んでいる

昨日から体調がすぐれず予定を休んだが

小説の最後を読み終えた

改めて最初からじっくり読み直している


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