実は有人？？“無人販売所”

野菜の無人販売所というものは、おそらくは日本全国
都会のど真ん中や街中以外のちょっとっした田舎なら、
どこにでも有るのでしょうね？？

これは、ウチの道路向かいに最近お目見えした、竹の子オンリーの無人販売所。


ちょこんと日傘が差して有り、コジャレていながらも
嫌味が無くてとてもいい。
見づらいかも知れませんが、“今朝掘りました！”の文句と、
値札の“奉仕品”と書かれて有るのが微笑ましいじゃござんせんか？
ちゃんと持帰り用の手提げ袋も用意してくれて有って、
この方の優しいお人柄が伝わってきます。

実はウチの界隈、こういった野菜の無人販売所がやたらと多い。
通り沿いに点々と、右左に並んでいる。
上の、竹の子オンリーの無人販売所の方のように、
額に汗して、自らが作られた採れたての新鮮な野菜を置いてる方もいらっしゃるけれど、近頃では、わざわざ何処からか仕入れて来たと思われる野菜を置いてる所も有り、それってどうなのよ？と言いたくなります・・。

中でも極め付けなのは、トラックに野菜を乗せて売り回る移動販売、
俗に言う“走る八百屋さん”のオヤジさんがお建てなすった無人販売所。
これはどうも怪しい・・。野菜の品質、鮮度など。
野菜を積んだトラックから、売れ残り品のような物を
この販売所に放り込んでいる姿を何度か見かけたことがあるからです。

おことわりしておきますが、“走る八百屋さん”自体を非難しているのでは
ありません。元々“走る八百屋さん”は新鮮な野菜を少しでも早く
消費者の方々の元へ届けようと考え、始められた商売でしょうから。
問題なのは、あくまでもこの“オヤジさん”個人の考え方に有るわけで・・。

無人販売所というのは、お客さんの方はその商品の品質を信頼し、
売り手の方は、「ちゃんとお金を置いて行ってくれるだろう。」と、
お客さんの良心を信じなければ成り立たない。
が、このオヤジさんの無人販売所には、そんな信頼関係さえも
見事にぶち壊してくれる、恐るべき仕掛けが施されています！

なんと、この販売所の前に立つと、センサーが働いて、自動的に
上から吊り下げられた裸電球がビカッ！とまばゆいばかりに光るんです。
これには大抵の人が驚く。ワシだって最初行った時には驚いたもんね。
田舎の野菜の無人販売所で、こんな近代的システム、セキュリティーを
用いてるところが有ったとは・・。
はじめは、「あ、これはきっとお客さんのためを思い、野菜が
よく見えるようにしてくれてるのだな。」と思ったのだけれど、
どうやらそうでは無いようで・・。

以前、ウチのカミさんがここで野菜を求め、車に乗り込もうとしたら、
その日は仕事が休みだったのか、背後から“走る八百屋さん”のオヤジさんが、
文字どおり凄い勢いで走って来て、「今、ちゃんとお金入れたか？上から見ていたんだぞ！」と言い掛かりをつけられた事が有る。もちろん、それは濡れ衣で、
後になり、カミさん以外にも同じような目に有ってる方が
他にも何人かいらっしゃるという事がわかった・・。

実はこのオヤジさんの家は、この販売所を見下ろせる場所に有り、
ヒマさえ有れば販売所の様子を伺っているのだそうな・・。
“裸電球自動点灯機（？）”も、そのために設置したもの。
お客さんのためでは無く、自分の監視用のためのようで・・。
誠にもって御苦労さん・・です。

お互いに信頼し合わねば成り立たないのが、無人販売所。
だからこそ、そこに無人販売所の良さが有るとも思うのだけれど・・。

“あなたの良心を信じて、お野菜を置かせて頂いております。
ありがとうございました”と言ったような文句が、板切れに書かれて有る
無人販売所を見たことが有ります。お金も皿の上にチャリンと置くだけになっていて・・。
大抵こういう方の無人販売所には、側にわざわざ綺麗な花が
ちょこんと飾られていたりして、野菜も品よく並べられています。
少なくとも、“裸電球自動点灯機セキュリティーシステム”の導入などは、
されてはおりませんなあ～。

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