MIT MBA留学日記 ~ その後

2009年6月の卒業後、西海岸で社会人生活を再開。新しいタイトルを思いつくまでこのままのタイトルで続行する日記。

帰省

2007年07月24日 | 未分類
渡米前に九州の実家に挨拶に行った。九州への帰省は弟の結婚式で帰った昨年八月以来一年ぶり。いつ来ても、のんびりした風景に心が落ち着く。

今回は空港で両親と合流し、実家に行く前に湯布院で一泊した。散策の際、子供たちを連れて幌馬車に乗車。

幌馬車は湯布院観光名物の一つで、由布院駅前を出発し、約一時間をかけてゆっくりと美しい町並みと自然の中を走る。この日は30℃を超える暑い午後なのに、馬車の程よいスピードが そよ風を送り、大変心地よく、いつまででも乗っていたいくらいの快適さだった。

途中に広がる田園風景に『合鴨農法』を採用する水田が広がっていた。

『合鴨農法』とは無農薬農法の一つで、除草剤を使わない代わりに放し飼いにした合鴨に雑草を啄ばませる手法を採るそうだ。幌馬車の運転手兼ガイドのお兄さんが解説してくれたところでは、地域の若者が集まって設立したNPO、『風のはらっぱ』が、地域活性化のために始めた取り組みとのこと。新しい取り組みに当初は苦労したこの新農業も、有機栽培人気が追い風となり、キログラム当たり600円で卸す高級食材として認知され始めているとか。通常農協に卸す米はキログラム当たり200円というから、街の若手の新しい取り組みがどれだけの付加価値・差別化を産んだのかがよく分かる。

 NPOという手法。

 農業という旧来産業に新たな農法(イノベーション)の導入。

 付加価値の源泉。

 若者の意志の力。

ゆらゆら馬車に揺られながら、とても面白い話を聞くことができた。