ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

造られた少女 【エンマ】・【蓬莱ガールズ】

2010年06月08日 01時08分58秒 | 自己カルト的

【エンマ】(原作:土屋計 画:ののやまさき)

【エンマ】が面白いのです。

エンマは冥府の閻魔さまの使い魔のようなもので、
物語の最後は閻魔さまへの報告で締めくくり。
あらゆる時代に現れて、死者を増やさない為にその元凶となる
人間の「骨を抜く」のがエンマの仕事。
その人間を想う人間の数だけ、骨は死体の中に残る。

人体の骨の数は約200本。つまりは、200人以上の想いがあれば
エンマといえども殺せないワケで。

楳図かずおの【おろち】というか、初期の【鋼の錬金術師】というか。
古くは、えんどコイチの【死神くん】のような。

あと、スプラッタ描写は少ないのに骨描写は大量な漫画でもあり。



【蓬莱ガールズ】(山田瑯 著)もこれからの展開しだいで面白く
なりそうな漫画。勇ましい少女と特殊能力を持った少女の二人旅。
(少し昔なら、ひかわ玲子の「エフェラ&ジリオラ」のシリーズとか)

父親の実験材料にされることを知り、幽閉されていた屋敷を逃げ出す姫?と
そのお世話役兼従者としてそばにいた人造人間の少女の逃亡冒険劇。
人造人間というか、フランケン少女というか。ゾンビ。
つぎはぎ人間の陽々は考えて行動の慎重派。単純で明るい鈴哥は猪突猛進派。
まだまだ始まったばかりですけど期待度は中の上。

普通だったら、フランケンなのは青年だったり少年だったりするのが
この物語では見た目同世代の少女だというトコロがツボ。

【凍る月】シリーズ

2010年06月08日 00時21分17秒 | おすすめBL




(【凍る月】【銀月夜】【花の慟哭】【花の残像】 夜光花 著)

「獣人」に変身する種族がいる。
その「餌」になる種類の人間がいる。

「契約」を交わして、「餌」と認めた人間と同化する。
「餌」の人間の身体にある「珠」に血を注いで身体に戻せば終了。
互いの痛みや居場所などが判るようになる。

最初のお話が出てから3年。登場人物が増え、
本によって、主人公になる獣人&人間も変化。
主要ストーリーでは、主人公側。
外伝ストーリーでは、敵の獣人組織側。

つい先月出た最新刊では、一つ前のお話に出てきたキャラが主役。
また別の獣人の視点から進む主要ストーリー。

平成特撮、特に【仮面ライダー】のように「変身する者」「戦う者」
の理由がそれぞれにあって、主人公側からでは敵になるけれど
敵側にも秩序があって戦う理由がある。それを「BL小説」として
括りたくない面白さを持つ要素にして取り込んでいるのがこの作品。

ルチル文庫の【犬としもべ】(玄上八絹 著)のシリーズ
…もとい「一水博士シリーズ」のように、このシリーズも
「BLっぽい濡れ場」を取り除いても充分面白い。


そういうシーンをすっ飛ばして読んでいる為、
BL小説の読み方としてはかなり邪道の横道外れ。