ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

少年たちは夢をみる ~「爆球連発!スーパービーダマン」~

2005年10月25日 03時56分29秒 | 自己カルト的
珠をめぐるお話っていうか、ビーダマなんですが。
ビーダマを発射して遊ぶ「ビーダマン」がテーマのホビー漫画。
コロコロ連載。単行本は全14巻・・・だったと思う。

何の気なしに古本屋で、1巻を購入。
・・・すぐに本屋で当時の新刊だった3巻までを購入。
つまり、非常に好みのツボに入ったというか。
キャラクターが非常に楽しくて面白かったというか。

「ビーダマン」というのは、ビーダマをはめ込んで発射する玩具のこと。
的に当てたり、互いに打ち合ったりする拳銃みたいな扱いかな。
人形の型をしていて、それぞれがオリジナルのビーダマンを持ってたり。

物語は、ビーダマン好きのタマゴ(戸坂玉悟)の町に「西の連射王」こと
西部丸馬がやってくるところからが始まり。最初は眼つき悪し口悪しの
悪役キャラと思われたガンマ。ビーダマン好きのタマゴに勝負を
挑まれて懐かれて、タマゴのビーダマンを直したりしているうちに
すっかり仲良しさんに。

このガンマがなんというか、よい意味での関西人キャラ。
口悪しのくせしてとっても世話好き。本人は無意識かもしれんけど。

で、この二人がつるむようになってまもなく3人目の主要キャラ登場。
サラー・ウィザード。アラブ富豪の息子でワガママやりたい放題のいやなヤツ。
アラブ系の金髪青眼白肌で某ガンダムの4番目みたいだなと思ってもみたり。
過去に凄惨なイジメにあったのが原因で心が壊れていたという設定の美少年。
こちらもタマゴと本気勝負して性格も素直になり親友に。

チームを組んで3人で出た大会で、サラーは前の学校で自分を苛めた
伊集院圧政と再会。そして対決。イジメの恐怖を乗り越えて勝利。
伊集院もサラーのとったある行動で精神不安定になって性格が
ねじれてしまったという事実が判明。
サラーを苛め抜いたのもそれが原因。

・・・「好きな子をいじめる」原理ってやつにも似てませんか?

「サラー」のことばかり考えている伊集院に、彼の幼馴染(女)はサラー
に逆恨みの憎悪びしばし。

和解後に、伊集院は自機「ケーニッヒケルベロス」をサラーに託すという
ホビー漫画ではありえない展開に驚き。
だって、ホビー漫画ってのは、「キャラ+それぞれのホビーグッズ」が王道。
「自分の半身!」とまで言っちゃうキャラが普通なホビー漫画。
それをあげるんか!? 伊集院!! 
マジに当時は驚いた。サラーと伊集院の友情はいろんなイミで奥が深い。

そしてサラーは、この後もビーダマンを研究する博士から異常に
気に入られてしまってセクハラもどきを受けたりもする。
小学生向け漫画での「美少年」ってのはなるほどこーゆー扱いか。

で、この後は「西の連射王」のガンマを追って「東の連射王」こと
「風のビリー」風間美利がやってきて、タマゴたちの仲間になりたい
妖怪猫少年・飛田猫丸がやってきて、チームガッツは5人に。
そんでもって今度は全国大会。
強豪チームと戦って勝ち進んでゆく。

一応、ホビー漫画なので、主人公達のビーダマンも個性的にいろいろ。
タマゴの「ファイティングフェニックス」、ガンマの「ワイルドワイバーン」
サラーの「スタッグスフィンクス」ビリーの「ブラストグリフォン」
(ライトイーグル&レフトレオンの二機)猫丸の「ハンティングリンクス」
などなど。

主人公チーム以外だと。
トキオの「バーニングアトラス」、伊集院の「ケーニッヒケルベロス」
村上海人&真鈴の「ノーチラスポセイドン」北条明の「ユンカーユニコーン」
などなど。

全体的には神話の中からって感じ。つか、イメージ。
猫丸の「リンクス」はそのまんまだけど。

1巻にして複線張りまくり。
なんせタマゴがビーダーとして強くなろうとしたきっかけになったキャラが、
次の再登場までコミックス10巻分。連載年数で3年ちょいか? 

ここまで重要なキャラだとは思わなかったよ。円大作。
ドクターマシリトが作るロボットみたいな頭しくさって。
だから、ラスト近くのクライマックスでは驚いたというか。

でもって、ちゃんと完結したのが偉い。
子供の世界での子供達の戦い。そしてハッピーエンド。

単純で、でも一生懸命な子供達の漫画が読みたいという人におすすめです。