かわず菜々

たべものと土いじり

ちしゃもみ

2006-11-17 | ごはん
ふるさとは ちしゃもみがうまい ふるさとにゐる

漂泊の俳人種田山頭火がふるさと山口に戻ったときにしみじみ詠んでいる句です。
ちしゃもみは、ちしゃなますとも言い、かきチシャを酢みそなどで揉んで和えた和え物のこと。
ドレッシングで和えるサラダよりは、たくさんの量のチシャが食べられる。
(作り方は雪虫さんのレシピ集に載ってます。こちら
現在はサニーレタスなどで作るのが一般的だが、水分が多くて柔らかいサニーレタスと違って、
山頭火が食べていたであろう昔ながらのかきチシャはもっと風味が強く、歯ごたえがある。
(最近、伝統野菜として見直され、一部で栽培して市販されていたりもします。こちら

今回は畑のコスレタスを使って作ってみた。
胡麻を摺り、味噌、砂糖、醤油、酢、鰹節を混ぜて和え味噌にする。
気分によってには鰹節ではなく炒ったイリコやジャコを摺って使ったり、胡麻油をたらしたりもする。
コスレタスもチシャ(レタス)の一種だが、葉っぱは韓国のサンチュをもう少しごわっとさせた感じ。
半結球性のはずであるが、うちの畑ではぜんぜん結球する気配がない。
サニーレタスでちしゃもみを作ると、時間が経つとへにゃっとして水っぽくなってしまいがちだが、
コスレタスだとまだ歯ごたえが残った。ただ、葉っぱの凸凹が少ないので、味噌の絡みはいまひとつ。
それにサニーレタス同様、コスレタスにも苦みがほとんどないので、何か物足りない。
次回はトレビスを入れてみようかな。

コスレタス。なんだかぎゅうぎゅう。


トレビス。けっこう苦い。これから結球するのかな?



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ほうれん草と里芋のカレー

2006-11-16 | ごはん
昨夜の食卓から。

ミラ・メータさんの本に、ほうれん草とチキンのカレーというのが載っている。
畑のほうれん草が冷蔵庫の中でだぶつき気味なので作ろうと思った。
ただ、いつもだったら冷凍庫に1個くらい転がっているはずの鶏肉が、昨日はなかった。
鶏肉のほかに、カッテージチーズやじゃがいもでも美味しいと書いてある。
じゃがいもはとれたての新じゃがが少しあるのはあるが、
それよりたくさんいただき物の里芋があったので、こっちを使って作ることにする。
もっちりとした里芋に、ねっとりとほうれん草ソースが絡まった、一風変わったカレーができた。
素材の味がそのまま生きて美味しいけれど、材料が野菜だけなのでメインにはならないかもしれない。
次回は鶏肉とジャガイモを使って作ってみよう。

今回の作り方。
里芋は皮ごと圧力鍋などで蒸して皮をむき(つるっと取れる)、一口大に切っておく。
ほうれん草はざく切りにして、塩少々をふって鍋で火が通るまで蒸し煮にし、
フードプロセッサー(ミキサーや擂り鉢でも)でピュレにしておく。
鍋に油を熱してクミンシードを炒める。続いて、先の里芋、クミン、コリアンダー、
ターメリック、唐辛子などのカレースパイス(カレー粉でも)を加えて炒めたところに、
ほうれん草ピュレと水少々、塩を加え、一煮立ちさせてできあがり。
普通のカレーと違って煮込み時間が少なく手軽にできるのもいい。

ほうれん草は茹でたりせずに、そのまま蒸し煮にして使うところがポイントのようだ。
自家製の露地栽培なので、そこそこアクがあるのだが、
カレーにするとそのアクがコクに変わるようなとこが不思議。
何よりほうれん草を大量消費できるのが嬉しい。消化も良さそうだし。

インド料理の参考書。
はじめてのインド料理―HEALTHY WAY TO INDIAN COOKINGミラ メータ Mira Mehta 4579205367


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編みもの

2006-10-31 | 食べもの以外の手づくり
最近ガラにもなく編み物にはまってしまった。
きっかけは、先日の栗の渋皮煮の煮汁で生成の毛糸を染めたこと。
なんとも渋い桃色に染まったのが嬉しくて、糸にすっかり愛着が沸いてしまった。
押し入れの奥に眠っていた毛糸針を引っ張りだして、十数年ぶりにマフラーなどを編んでみたのであった。
糸は最初2玉だけ染めてみて、当然足りなかったので、10日後くらいに1玉買ってきて、
捨てずにとっておいた煮汁で同様に染めたところ、発色が変わって、より鮮やかな色に
染まったのは不思議だった。(マフラーはグラデーションになったけど・・・)

台ふきんで実験してみたところ、渋皮煮の煮汁には重曹が入ってるからか、それとも
渋皮のアク自体が作用しているのか、特に色止めを使わずとも思ったほど色落ちしない。
もちろん、ハイターにつけたら終わりだけど。

昔むかし、頑張って一着のセーターを編み上げたことがあった。
でもそれだけ手をかけて出来上がったセーターも、当然ながら市販品の美しさには到底及ばず。
こんな割の合わない仕事はないと思って、以来ずっと編み物から遠ざかっていた。
考えたら、市販品に匹敵するものを作ろうなんて思ったこと自体が間違いだったのですね。
手編みには手編みの、その不器用さ、不格好さゆえに醸し出される何かがあるのだ(と思う、思いたい)。

困ったことに、編み物は一旦やり始めるとなかなか止まらない。
でも手だけ動かしておけば、テレビを見ながら、音楽を聴きながらでもながら仕事でできる。
語学の録音教材なんか聴きながらやると、一度に二つの作業をやれるので、ものすごく充実感がある。
(ただ、疲れるので続きませんが。)

昔買い込んでいた毛糸玉のなかに、ジャコブという羊の原毛で作った、染色してないそのままの毛糸があった。
ちょっとごわっと堅めの糸だけど、羊の毛そのまんまっていうのがなんだか嬉しい。
これで自分用のベストを編んでみようと、ただいま制作中。
あと、自分のばかり編むのも悪いので、連れ合いのマフラーも。
今度はちゃんと最後まで編み上がりますでしょうか?

こんなことばかりやってるせいもありますが、それ以外にも今月前半は何かと雑事が多く、
このブログの更新も2週間ほどはお休みすることになると思います。
といっても、普段からせいぜい週に1度くらいしか更新してないので、言わなければ誰も不思議に思わないだろうなぁ。


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三五八漬け

2006-10-31 | 保存食


1年以上も前に作った三五八床がまだ少し残っていた。
夏を越して、色もずいぶん茶色くなり、もう食べられないだろうと思ったが、
嘗めてみるとこれがかえってコクが増して美味しくなっているほど。
(画像左:今年3月→右:今の状態)
三五八床とは、塩:麹:米の割合3:5:8でつくる、甘酒をしょっぱくしたようなペースト。
たとえば塩カップ1と1/2に、麹カップ2と1/2に、米(もち米の方が美味)カップ4。
米を炊いてあら熱が取れたところで、塩と麹を混ぜ合わせて、そのまま熟成させる。
暖かい季節なら常温で、寒い時期なら一日くらい保温して、床がゆるんだところで寝かせるといいと思う。
米焼酎を少し入れれば風味も良くなるし、腐敗防止にもなる。
最近では塩の割合を減らして、三五八ならぬ二五八なんて作り方も見かけるけれど、
これだと冷蔵庫に入れておかないと変質してしまう。冷蔵庫保存だと味が深まらないので、
昔ながらに塩をしっかり入れて作っておき、使うときに量を減らした方がいいと思う。

(昔撮った写真)

夏野菜にまぶせば甘みのある浅漬けができあがるけど、私が好きなのは鮭の三五八漬け。
旬の秋鮭を買ってきて、一切れ当たり大さじ1ほどまぶして一晩おく。



これを焼くと、味噌漬けや粕漬けとはまた違った優しい味。麹の作用で身も柔らかくなる。
やったことはないが、お肉を漬けてもよさげである。

手打ちパスタ

2006-10-23 | ごはん
じつはパスタマシンなんてのを持っている。
最後に使ったのは、一年以上は前だ。
買った当初は面白くてラビオリなんかも作ったりして遊んだものだが、ここんとこずっとお蔵入り・・・
この度、手打ちパスタの美味しさを思い出して、久々に箱から出して使ってみた。
セモリナ粉と、麺用の中力粉があったので、3:2くらいで混ぜてみる。
あと卵と水で生地を練ってしばらく寝かせ、パスタマシンで伸ばしていく。
手で一生懸命こねなくても、何度か折り込みながらマシンで伸していくうちに、
滑らかな腰のある生地になるのである。やっぱり便利なもんだ。
久々だったので感覚を忘れていて、生地がちょっと柔らかすぎたり、麺の長さもまちまちになったけれど、
最終的になんとかフェトチーネ状になっているのは、やっぱり偉大な道具のおかげ。



出来上がった麺を干しておくための特別な道具まで持っているのでした・・・

カルボナーラを作った。
セモリナ粉の手打ち麺はやっぱり腰がつよくて美味しい。
気の迷い(?)で買ったとはいえ、せっかくの道具なんだから、もっと日常的に活用したいもんです。



栗あんパン

2006-10-23 | おやつ
いただいた栗で、今回は栗あんを作ることにした。
ちょっとマイルドな感じにしたかったので、白いんげん豆で作った白あんも混ぜることにした。
栗を茹でて中身をスプーンで取り出す。
栗と白あんをフードプロセッサーにかけてなめらかにする。
あとは砂糖と水と牛乳を適当に加えて火にかけて練り合わす。
白あんを混ぜたとはいえ、栗の味の主張はかなり強い。
できあがった半分はラップにくるんで冷凍し、のこりの半分で栗あんぱんを作った。



天板ぎゅうぎゅうにつやつや焼き上がった栗あんパン。
一部渋皮煮入りも作った。切ったらこんな感じ。



一部はあんを包まずにパンだけで焼き、あとから栗あんと生クリームを挟んで食べた。
見た目はちょっとなんだけど、スウェーデン菓子セムラの栗バージョンのつもり。
ちなみに本場のセムラにはもっと甘くて濃厚なアーモンドペースト(マジパン)が挟んであり、
かなりハイカロリーであるが、栗あんセムラはずっと甘さ控えめで優しい味です。



茹でピーナッツ

2006-10-18 | 土いじり
茹でピー食べたい一心で植えた落花生。
郷里では子どものことからポピュラーなおやつだったが、他所ではなかなかお目にかからない。
生のピーナッツも殻付きのものは売ってないので自分で作るしかないのである。
去年も植えてみたが畑の水はけが悪く惨敗だった。今年は別の畑で順調に生育した。



今日は試しに一株抜いてみた。
お~~けっこう実がついてるついてる~♪
まだ未熟で小さい実がたくさんついていたので、本収穫はもう少し待った方がよさそう。



さっそく茹でてみた。
パスタを茹でるくらいの塩の量で、圧力鍋で圧力がかかってから7,8分。
ちょうどいい塩梅に茹で上がる。うまいよ~~♪
茹で上がったところに、殻の上からも塩をまぶしておく。冷めるといい感じの塩加減になる。
ひとつ問題なのは、これ食べ出すととまらなくなること。
炒ったものと違っていくらでもお腹に入っていくのが怖いです。



苺の苗も植えた。
タキイ種苗から買った露地栽培向きの赤鈴という品種。一緒に頼んだ宝交早生はまだ届かない。
本当は一昔前の酸味の強い品種を植えたかったのだけど、苗もなかなか売ってないようだ。
苺に限らず市販の果物は年々甘くなる傾向にある。酸味の強い品種はどんどん淘汰されていくのが淋しい。



白菜も無事に結球しつつあります。
早く白菜漬けが食べたいよ~。

それにしても、もう一ヶ月近くも雨の降らないカラカラ天気が続いている。
3日に一度は水やりに行かなければならない。
でも水をやったらやっただけの生育を見せてくれる。かわいい野菜たちです。

生姜と栗のケーキ

2006-10-16 | おやつ
この生地ではレモンケーキをよく作るけど、今回は先日作った生姜の砂糖煮と栗の渋皮煮を入れてつくってみた。

材料>>>
卵3個、砂糖120g、無塩発酵バター90g、サラダ油90g
小麦粉180g、ベーキングパウダー小さじ1、塩ひとつまみ
生姜の砂糖煮、栗の渋皮煮
シロップ(アイシング):粉砂糖60g、生姜汁大さじ1、洋酒大さじ1

パウンドケーキの基本は、粉、油脂、卵、砂糖が同分量だが、私は砂糖を減らして2/3くらいにする。その分ふくらみが悪いと思われるので、保険のためベーキングパウダーを入れる。
卵に砂糖を加えてもったりするまで泡立てる。溶かしバターとサラダ油、小麦粉にベーキングパウダーと塩を加えてふるったもの、生姜と栗のきざんだのを順に加えて、粉っぽさがなくなるまでさっくりヘラで混ぜる。
あとはバターを塗って小麦粉を振った型に入れ、170~180度のオーブンで火が通るまで、30~40分くらい焼く。
アツアツのうちに全体にシロップを塗る。冷めると乾いてちょっとシャリッとした食感になる。
生姜の風味は穏やかで優しい味です。砂糖をきび砂糖に変え、シナモンなどを入れてスパイシーにしてもいいかもしれない。
レモンケーキにする場合は、生地にレモンの皮のすり下ろし一個分を入れ、シロップにレモン汁を使う。

※バターとサラダ油を混ぜて使うのは経費節減の意味合いが大きいですが、バター単独よりもサラダ油を入れると柔らかい仕上がりになります。その日の気分や懐具合でケーキの食感も変わってきます。

中秋月餅

2006-10-04 | おやつ


日本人なら月見団子作れよって言われそうですが、月見団子は日持ちがしないのが難点。
よって焼き菓子の月餅を作るのであります。
あんは小豆あんを作ってクコの実と胡麻、ピーナッツ油を混ぜた。
センターには自家製の塩卵の黄身を入れたのと、栗の渋皮煮を入れたのと2種類。
型がないので、見た目は相変わらず不格好だが、それっぽい味になったのでは?
とはいえ本物の味をよく知らないので、ほとんど自分の好みなのである。

大胆にも中国語の教室に持ち込む(といってもその日メンバーは私を含め4人)。
老師には「わぁ中国の味がする。懐かしい。美味しいです~」と
(お世辞も入ってるだろうが)喜んでもらえたのでよかった。

 

こちらはその老師から先日お土産にいただいた、雲南省の月餅。あんに中国ハムが入っている。
皮はかなり油っぽい。ミートパイみたいな感じかなと思って食べると、
中は甘じょっぱい、未体験の味・・・でも美味しかった。癖になりそうな味ではある。

ちなみに今年の中秋は10月6日。さて、お天気はいかに?

ドライトマト入りフォカッチャ

2006-10-04 | ごはん
サンマルツァーノ・トマトのところで書き忘れたけれど、ドライトマトも試しに作ってみたのだった。輪切りにして少し塩を振り、天日に当てて乾かす。けれど、3度の実験中2回は予想外のにわか雨に降られて失敗・・・。(でも濡れたトマトも捨てはしません。洗って煮こみ料理に使いました。) わずかに出来上がったドライトマトは、そのままニンニク数切れと一緒にオリーブ油に漬け込む。小さな瓶に一個分。凝縮されたトマトの味に、ニンニク・オリーブ油の味がよく染みて美味しくなった。トマトの乾燥度が高かったので、そのまま食べるより何か料理に・・・と考えたところで、フォカッチャに入れてみることにした。



トマトは刻んで生地に入れ、漬け込んだオリーブ油もたっぷり表面に塗って焼く。
いい匂いがして、これは絶対美味しいはず・・・と思ったが、(写真でもわかるように)如何せん入れたトマトの量が少ないので、料理と一緒にず食べるとぜんぜんトマトの味がわからないのであった。
う~ん、来年はもっといっぱい入れられるように、やっぱりトマト増産するぞ!



ついでにフォカッチャにも合う超簡単南欧料理のご紹介。イカの墨炒め。
檀一雄の『檀流クッキング』に書いてあった料理。
イカの骨とトンビをとった残りを、ワタごと豪快に輪切り・ぶつ切りにして、ボールに入れて塩をまぶし、しばらく置いておく。あとは鍋にオリーブ油、ニンニク、唐辛子を入れて熱した中に、どばっと投入して炒めるだけ。ワインなんかを入れてもいいようだけど、あまり水っぽくせず、イカから出てきた水気が煮詰まったくらいで火を止めるのが個人的には好み。
地物の新鮮なアオリイカでこれを作ると最高。(といっても他のイカではまだ作ったことがない。イカじゃなくてタコでもいいらしい。)こんなに美味しいのに、手間いらず、調味料いらず、ゴミもほとんど出ず、いいことずくめ。ただワタごと使うので、刺身でも食べられる程度の素材の鮮度は必要。でも1パック200~300円くらいの小イカでも美味しく経済的なのが嬉しい。

檀流クッキング檀流クッキング檀 一雄

『檀流クッキング』は30年以上も前に書かれた本なのに、ぜんぜん内容が古くない。梅干しや柿の葉ずしの作り方から、こうした外国料理にいたるまで、各種家庭料理の作り方が独特の語り口で綴られている。明快で小気味よくて、説得力あり。いかにも美味しそう、作ってみようという気にさせる。



こちらは和風食材で。芋の茎炒め。
サツマイモの茎をお隣の畑の方からいただいた。美味しいのはわかっているが、皮をむくのが大変で・・・と思っていたら、細めのものは皮付きのまま炒めてもいいらしい。試しに、オリーブ油でニンニク、ジャコと一緒に炒め、最後に胡椒とお醤油を振る。思いの外皮が気にならず、シャキシャキとして美味しくいただけたのであった。