五箇山のもり

五箇山の豊かな自然・文化を桂湖ビジターセンターより紹介

心洗われる仙人の窟

2012年06月18日 | 日記
今日は五箇山の奥地、飛騨加須良側になるのでしょうか、
険しい山を歩き、「仙人の窟」を目指しました。

そういえば私がここに来た頃ちょうどこの岩屋を発見した直後、
訳も分からず、熱く語る山男たちに圧倒されたことを覚えています。
それから何度となくこの岩屋の話を耳にして・・・。
長年追い続けてきた山男たちのロマンは一体どんものなの?
これはこの目でぜひとも見てみたい!

そして今日ようやくそのチャンスがきました。

梅雨の晴れ間に恵まれて9時半に出発。
登山口付近はなかなかの急坂。
所々設置されたロープを使って登って行きます。



そしてひたすら登り続けます。
タモギダケ発見。





そして葉っぱの窓枠から望む山の風景があったり、



木に登って山の眺めを楽しむ展望台があったり。



昔この山で木を切り倒していた時代の滑車や水の管など、
人の営みの風景が見える一面も。



山が見渡せる場所でしばし小休憩。



朽ち果てた大きな木からはいろ~んな種類の新芽たち。



そしてここから険しい道の始まりです。



大きなヒノキのむき出しになった根元を下り。



道なき道を藪こぎし。



岩にへばりつきながら進んだ先には・・・。



これは言葉には表せないし、写真では伝わらない。
そんなミラクルな空間が広がっていました。





ひんやりした空間に腰を降ろし、望む笈ケ岳(1841メ-トル)。





その昔修験者もここから同じ景色を見ていたかと思うと、
ぐっと来るものがありました。
静かで心洗われるような空間。
こんな感覚ってそうそうあるものじゃない。

そしてこれは自然にできたものではなく、
山の存在を神々しいものとし、
暮らしを支えてきた命の山として信じていた、
昔の人々が自ら作ったものではないかと思わせるような空間でもありました。

それにしてもこの岩屋の足場はかなり悪いので、
ちょっとでも気を抜いたら、滑り落ちて行きそうです。
でも水もあるし、窟の中だし、
ここで何日か過ごすことはできそうな広い空間です。

大きな木がこの窟を守るかのように覆い被さり。



そして周辺には小さな窟。



帰り道ではノビネチドリが見送ってくれました。



登りは3時間あまり下りはあっという間。
ガイドなしでは絶対に行けない場所。
よくぞこの「仙人の窟」を見つけ出した、
五箇山の仙人ヤマトミさん。
そして道をつけた山男たち。
今日は男のロマンを感じた山になりました。

そしてちょっと今回は新しい試みをしました。
それは桂湖で夜を過ごして泊まっていただくということ。
桂湖にはコテージ、キャンプ場はありますが、
夜に食事提供をすることはありません。
でもステキな山に出会い、そのまま余韻に浸りながら、
桂湖で語り合う夜を過ごすそんな楽しみもありかと。
これは真照さんの熱い思いでもあります。

ならば桂湖で懇親会を行い、
「喫茶たいむ」を利用して夕食を出してみようということになりました。
どうせ食事を出すならここならではのメニューということで。
真照さんと西さんとあーでもないこーでもないとメニュー会議を開き、
メニューを決めて、材料など段取りを組んで。
当日山で疲れた体にムチ打って、3人で作りました。

キノシタのおひたしにはじまり、
山菜サラダ(ウド・クグミ・えびなど)
田楽豆腐(山椒みそ・行者にんにくみそ)

そしてメインは岩魚の山菜ホイル焼き。
岩魚の中にススタケ、ウドなどの山菜を入れて、
タイム・ミントのハーブバターをのせてホイル焼きします。
これは本当に絶品!



そして西さんが腕をふるった山菜パスタ。
ススタケ、ウド、イカ、ホタテの入ったトマトパスタもこれまた絶品!



みなさんもマスタケの炒め物やどじょうのかば焼きなど、
たくさん持ち寄ってくださいました。
今日の「仙人の窟」登山の写真を早速見ながら、
熱い山談義は遅くまで続きました。



今日はなかなかハードな一日でしたが、
仙人の窟に出会い、そこから眺める景色は心に響きました。
そして桂湖での新たな集い方も発見できました。
やっぱりみんなで作って、もてなすって楽しい~。
みなさんにありがとうございました。

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