山吹
杜若
卯の花
あふち センダンの花
藤
柘(つみ) 山法師
躑躅
引き続き万葉集の花を集めてみました。
山吹は山振の字が万葉集では用いられています。当時は「振る」と「吹く」が同意語であったのでそこから来ているようです。
杜若は万葉人にとって重要な染色植物でした。
卯の花の現代名はウツギです。卯の花の匂う垣根に時鳥早も来鳴きて……と歌う歌がありました。
「栴檀は双葉より芳し」ということわざにある栴檀は中国を原産とする樹木で、日本でセンダン(古名「あうち」)と呼ばれているのは同名異種の樹木です。
藤を詠んだ歌は多く万葉人はこの花を愛し庭にも植えていたそうです。
古代、柘(つみ)と呼ばれた木はクワ科の落葉高木でヤマグワ別名ヤマボウシだそうです。
万葉集に出てくる躑躅は全部で9種で石ツツジは山躑躅であろうと言われています。
山振の 立ち儀ひたる 山清水 汲みに行かめど 道の知らなく 高市皇子
杜若 衣に擦りつけ 大夫の きそひす獵する 月は来にけり 大伴家持
鶯の 通う垣根の 卯の花の うき事あれや 君が来まさぬ
妹が見し あふちの花は 散りぬべし わが泣く涙 いまだ干なくに 山上憶良
藤波の 花は盛りに なりにけり 平城の京を 思ほすや君 大伴四綱
この夕 柘のさ枝の流れ来ば 梁打たずて 取らずかもあらむ
山越えて 遠津の浜の 石つつじ わが来るまでに 含みてあり待て