こらっワールドカップ

Coração da copa do mundo - ワールドカップ期間限定感想文

やはりハゲと言われたのだろうか イタリア 1-1 (5PK3) フランス

2006-07-10 22:07:56 | 2006ドイツ大会
イタリア 1-1 (5PK3) フランス 7月9日

決勝にはがっかりした。
前半7分、マルダがもらったPKをジダンが決めて、フランス先制。同19分、PKを与えたイタリアのマテラッツィがヘディングで同点ゴール。試合はそのままスコアが動かず、PK戦でイタリアが勝利した。

今大会は何度も書いているように、積極的に攻め合う、内容がありかつ気持ちのいい大会だった。しかしこの日の両チームは極めて消極的だった。互いにリスクを冒さないやり方は決勝らしい試合運び、と評される向きもあるが、そんなものは誰が決めたのだろう。事実開幕戦は、ドイツが攻めに攻め勝って「開幕戦らしくない」試合をしたではないか。それに引き出されるように、積極的な試合が多かったのに。

イタリアは攻めなかった。終止8人はブロックをくずさず、フォワードとトップ下が「取ってくれたらもうけもの、逆襲は絶対に食わない」という試合を貫徹した。ジダンが退場してからもそうだった。一方フランスも違った意味で消極的だった。フランスは後半の攻勢の時間帯で、中盤の選手をはずして、アンリと並べるかたちでもう一人フォワードを投入すべきだった。そこで勝ちきる勇気が欲しかった。

しかしリッピ監督である。よくもここまで冷徹に守備的な試合をさせたものだ。イタリアは今大会比較的攻撃的であったが、最後の最後にして、鉄板な試合をした。半分手にかけたワールドカップはみずから手放すようなことだけはしたくない、ということだろう。リッピは「最悪のケース」を想定して、試合をさせた。このたとえでいえばジーコは「最良のケース」を夢想して試合をしていたし、オーストラリアのヒディング監督は「色々なこと」を考えて采配していたというところか。しかしリッピは最後のPKキッカーグロッソが蹴る直前に、泣いていたのだろうか。

2つの消極性が決勝戦をつまらなくした。充実した大会だっただけに残念であった。