フランス優勝で終わりました。フランスおめでとうですが、南ア大会・ブラジル大会を連続して制した美しいパスサッカーは過去のものになりました。
フランスはエムベパが話題をさらいましたが基本は守備的なチームで、イタリアのような試合をしていたと思います(カテナチオ+ときどきファンタジー)。ジダンを支えていたデシャンが監督となりこんなしっかりとした組織的な守備を作り上げたわけです。
全体の印象ですが、各国のサッカーが均質化してきたと感じています。守備では中を固めプレイヤーを外に押し出していく、結果攻撃はサイドアタックの質(およびセットプレー)が重要になるという同じサッカーをみなする。しかも各国の予習能力もあがって、対策も十分にできていた。データ分析力の世界です。グループリーグで強豪の強さが発揮できなかったのはそれが理由です。
印象に残ったのは、クロアチアとベルギー。終始柔軟で前向きな攻撃をしていました。日本も彼らと同種のサッカーだったと思いましたが、その差は個人技やチーム経験など歴然としていました。
最後に日本代表について。
ベルギー戦の逆転カウンターについて色々論じられています。とくに本田のCKがカウンターを誘発するものだったこと、それが経験だなんぞと言われています。しかし私は「あそこまで行った。ベルギーを追い詰めたので、ようやく見えたものがあった」んじゃないかなと思っています。その直前、相当距離があったFKを本田は狙いに行きました。そして、キーパークルトワに弾かれるもぎりぎりの勝負を挑んだのが本田らしかった。それこそハリル監督をクビにさせたのでは?と思われた彼からの立派な最終回答でした。その最終回答の流れで(やや無策な)CKを蹴ってしまい、それがカウンターになりました。勝ち負けもありますが、あそこのFKで勝負ができたポイントが今回の日本代表の最高到達地点だったと思います。過去2度ベスト16に行ったのですが、初めて「その先」が見えたワールドカップでした。