政府・自民党は「高齢者医療費の自己負担額増」(1割負担→2割負担)の決定を凍結しようとしています。
たしかに高齢者にとっては嬉しいニュースですね。しかし、それなのに私はある種の危惧を禁じえません。この法案は民主党など野党の反対を押し切って強硬採決されたばかりです。
先の参院選の大敗を受けて、安倍内閣は空中分解、衆議院の解散総選挙がささやかれる中、党勢の立て直しを図る必要に迫られていることは理解できますが、なぜにこうも方針が変わるのでしょうか。
どう見てもこれは衆院選を見据えた上での「票取り策」ではないでしょうか。いわゆる「手のひら返し」ですね。
こうも簡単に手のひらを返すところが信用できません。仮に衆院選で勝利を収めれば、今度はまたも簡単に手のひらを返し、「やはり財政再建が急務の課題」などと理屈にならない理屈を編み出して方針転換を断行するかも知れません。
過去にも選挙前には減税を持ち出し、選挙後に増税するなどを繰り返してきました。これまでは野党の力も弱かったし、万年野党などと揶揄されていましたが、現在の政治状況は過去のそれとは明らかに異なっています。
何でもあり、の自民党は戦い方を熟知しています。しかしそのような戦法は現在は通用しません。もう国民は騙されなくなっています。
ここに来て高齢者医療費の自己負担額増を見直すと言うのなら、あの強行採決は一体なんだったのでしょうか?
手のひらを返すより、踵(きびす)を返して退場願いたいものです。