珈琲ひらり

熱い珈琲、もしくは冷珈なんかを飲む片手間に読めるようなそんな文章をお楽しみください。

例えば、

2008年11月13日 | 短編



 例えば、
 今日が素敵だったら、
 明日のぼくは笑っていられるのかなー?
 そうしたら、明日のきみは、ぼくのことを好いてくれるのかなー?
 そうしたら今日をがんばれるのに。


 例えば、
 昨日が素敵だったら、
 今日も素敵で、
 明日も素敵なのかなー?




 例えば、
 昨日がどん底でも、
 今日がどん底でも、
 明日が素敵だと本を読むようにわかったら、
 どん底の今日を頑張れるのかなー?





 昨日がどん底で、
 明日も希望溢れる自分をイメージする事なんてできない今日を、
 ぼくはどうやって、
 がんばればいいのかなー?




 例えば、
 明日、
 ぼくが死ぬと判っていたら、
 今日はばら色の今日なんだろうか、
 それとも絶望色の今日なんだろうか?
 そんなことばかりを、
 カーテンを閉め切った、
 昼間の薄暗い自分の部屋で、
 布団に包まりながら、
 ぼくは、
 思っている。





 そうしてそんなぼくの前に、
 そいつは、
 現れたんだ。




「どうですか? この臨死体験を味わえるキャンディーは?」






 それがぼくがぼくの知らないぼくを知る切欠で、
 そうしてぼくがその他大勢の世界の人間が知らない、
 一部の人間だけが知っている世界の真の一部を知る切欠となった、
 始まりの終わりの終わりだった。


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