酔いどれ烏の夢物語

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告白

2023-12-31 23:59:05 | ポエム

      

好きです たったその一言で僕の人生は一転した

一つ年下の 華奢な身体に澄んだ瞳の少年

彼は僕の瞳をじっと見て 臆することなくそう言った

冬の始まり 放課後の美術室 既に陽は落ち始めていた

面食らった僕はただ 彼の顔を見ていた

細い首を少し傾げて 可笑しいですか?と言った

そもそも 今この美術室に二人で居るのは

珍しく彼が僕に絵のモデルを頼んできたからだった

 

好きです それはいったいどういう意味なのだろう?

僕の頭の中を 何かがぐるぐると回っていた

ずっとずるいなって 思っていたんです 彼は続けた

先輩には 僕に無いものが たくさんあるんですよ

人は自分には無いもの それに憧れる ですよね

先輩は 僕の憧れだけどそれだけじゃ嫌なんです

これは僕の我儘です でも、もっと傍にいて欲しい

 

好きです その言葉を言われるのは初めてではない

それなのに どうしてこんなにも動揺しているのだろう?

僕の心の中で 何かが弾けたような気がした

入部した時から 気にはなっていた 大人しそうで

それでいて自己主張は しっかりとしている

なんだ…僕は僕でこの後輩の事が気になっていたのか

彼の言う我儘は ちょっと嬉しいようなそんな気がした