酔いどれ烏の夢物語

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酔いどれ烏の夢物語 雪

2023-01-17 22:00:45 | ポエム

        

           

木漏れ日の中 君が微笑む 懐かしい目をして 君が微笑む

なぜだかそんな夢を見た 遠い初夏の日の夢を見た

目が覚めると部屋は暗く 時計は深夜一時を示していた

窓辺に立ち外を見た 外は暗く 月も出ていない

地面には雪が薄っすらと積もっていた

僕の心を覆い隠す様に雪が積もっていた

 

雪の降る中 君を抱きしめた 離したくなくて 君を抱きしめた

今、思えば僕のずるさだ 君にすがる僕の弱さだ

君の気持ちを知っていて それにしがみつくだけの僕

大人になり切れなくて それでも 君に嫌われたくなくて

あの日僕は君に嘘をついたんだ

直ぐに君にも解るような嘘をついた

 

優しい君は 微笑んだ 嘘と解っていて 微笑んだ

どうしてあの日言えなかった? どうしてあの手を離したんだ?

繰り返すだけの後悔と ただ送るだけの空っぽな時間

光が陰っていく 僕の心の 危うさを知って

昨夜から雪が静かに降り始めて

僕をあざけるように雪は降り続いていた